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<薄情は誰か>義父の介護を断ったら「薄情」と言われた。長男嫁の宿命?【後編】

20200324_男と結婚した人は義両親の介護を覚悟して結婚した?ママたちから寄せられた答えとは_2
前回からの続き。義父の介護を丸投げされそうになったため「全部は無理」と拒否したところ、「薄情だ」と言われてしまった投稿者さん。旦那さんと改めて話し合いの場を設けようとするも、旦那さんからは強い言葉で拒否をされてしまった様子です。

「嫁3人で話し合え」「嫁が介護しろ」と怒鳴られた……

『今朝旦那から「もう嫁3人で話し合いをしろよ」と話し合いすら丸投げ……。頭にきたから朝から「なんで嫁同士で話し合いをするの? 自分の親でしょ? あなたのほうが薄情だよ!」とブチ切れたら、「嫁が介護するべき」と怒鳴って仕事に行くと逃げた。義弟嫁2人からも「介護は無理」ってLINEがくるし、朝から本当に腹が立つ』

旦那さんと話し合おうとしたところ「嫁同士で話し合えばいい」と言われてしまったようです。投稿者さんが「どうして自分の親なのに介護をしようとしないの?」と怒りをぶつけたところ、「嫁が介護しろ!」と怒鳴られる……という驚きの展開が待ち受けていました。さらにイライラを募らせる投稿者さん。ママたちからは旦那さんの言動に対して非難の声が寄せられました。

薄情なのは旦那さんでしょう!

『実子なのに他人である嫁に丸投げするほうが薄情だわ。仕事があってまったく手伝えないとか、遠方に住んでいるとかなら仕方がないけれど。都合よく利用されて、義父の症状が悪化したら投稿者さんのせいにされそう』

『2人の義弟にとっても実父なのに……すべてを投稿者さんに押し付けるなんて薄情だわぁ』

『自分の親なのに他人に丸投げなんてひどすぎる。丸投げする三兄弟のほうが薄情でしょう。腹が立つね!』

『介護するために結婚したんじゃないしね。義父との関係がよくて「軽度の認知症なら自宅でお世話してもいいかなぁ」と思っていたとしても気持ちが一気に冷める。旦那さんはお願いする立場なのに、偉そうなのが腹立つ。実子が生きているなら、介護義務は実子である三兄弟、あなたたちよ』

「薄情なのは投稿者さんではなく、実子なのに介護をしようともしない旦那さん三兄弟でしょう!」と強い非難の声が集まりました。長男の嫁と言っても、もとをたどれば他人です。その他人に、自分たちは何もするそぶりを見せないままに親の介護のすべてを任せようというのなら、たしかにひどい話と思わざるを得ないのかもしれません。

ハッキリ物申してもいいのでは

『「赤の他人に親を丸投げする実子のほうが薄情だろう! 私はあなたたちの父親に育てられた覚えもない!」ってブチ切れていいと思う』

『「あなたたちの父親でしょう!?」と三兄弟に言ってやりなよ!』

『「じゃあ私の親の介護はあなたがやってくれる?」って聞きたい。「どうしてあなたは実の親の介護をせずに私のことを薄情だなんて言えるのか? 実の親を見放したあなたが薄情だよね? 介護は嫁って、どうして? 理論的に説明して? 法的に説明して? 感情的に説明してくるなら、実親の介護をせずに嫁を罵倒する薄情な長男ってところだよね?」と旦那を問い詰めたい』

旦那さんや義弟にハッキリと言い返してはという提案も飛び出しました。「俺の親の介護をしろ」と主張する旦那さんに「じゃあ私の親の介護をしてくれる?」と切り返せばいいとコメントするママも……。
でもちょっと待ってください。「法的に……」というメッセージもあったところで、法律ではどのように定められているのか確認してみましょう。

法的にも妻が義父の介護をする義務はなさそう。でも……

ここで民法上、親子間、きょうだい間、夫婦間の扶養義務についてどう記されているか、見てみましょう。

『第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある』

民法上は義父と血のつながりのある旦那さんや義弟2人は義父の生活を助け、養わなければならず、介護の義務も問われる可能性がありそうです。けれども、投稿者さんと義父には血のつながりはありませんから、その可能性はなさそうです。つまり「介護をするよう強制されるいわれはない」という投稿者さんの考えは間違ってはいないと思われます。

『第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない』

ただ同じく民法では、夫婦は互いに助け合うべきとされているのです。旦那さんの物言いや態度はたしかに薄情と取れる向きもありますが、妻である投稿者さんも「私は赤の他人なので介護はいたしません」と真っ向からつっぱねればいいというものでもないかもしれません。投稿者さんなりに力添えできそうなことを見つけていく、そういった気持ちも片隅に持ちながら、あらためて話し合っていくのがよさそうです。

参考:広辞苑 第七版「血族」「扶養」「扶助」

施設に入ってもらうことも視野に入れて……

『薄情だろうがなんだろうが、施設を探そう。そんなことを言い出す旦那と義兄弟じゃ、もし義父に何かあったら絶対に投稿者さんのせいにするでしょ』

『私は長男の嫁だけれど、介護での同居をするつもりはない。親が自分だけで生活できなくなったら施設に入ってもらうよ。足りないお金をきょうだいで出し合うのが介護じゃないの?』

『介護って本当に大変なんだよ。「長男の嫁だから当たり前」とか「小さい子がいるから無理」とか誰かに丸投げするようなことを言うなら、みんなでお金を出し合って施設に入れたほうが丸く収まるよ』

どうしてもらちが明かないのならば、義父には施設に入ってもらったほうが平和かもしれないと考えるママたちもいました。施設ならばきちんとお世話をしてもらえる上に、お金をみんなで出しあえる点できょうだい間の平等性がわかりやすくなりそうですよね。「施設に入れてしまうなんてそれこそ薄情だ」という意見が誰かから出る可能性はありますが、実際、認知症の親の介護は簡単ではないでしょう。関わるみんなが疲弊してしまってはもともこもありません。現時点で「介護は難しい」という意見が出ているのであればなおさらに、施設への入所を視野に入れるのも一手ではないでしょうか。

『これは私だったら離婚案件だわ。投稿者さん以外、一族みんな考えが浅はかだよ』

『これは離婚も視野に入れていいんじゃない?』

最後に、離婚に言及したママたちもいたことを記しておきます。こういった意見が挙がったのは、旦那さんの言動が信頼を失うに値するということかもしれませんし、介護の問題が根深いものだということを表しているとも言えそうです。

義両親に関わらず、実の両親であってもいざ介護するとなれば、家族ごと、もしかすると人それぞれに考え方は異なるものなのかもしれませんね。だからこそ事前に、できれば意思疎通ができるうちに当人たち(実の両親や義両親)を交えて家族間、きょうだい間で話し合っておく必要があるのではないでしょうか。親の希望、経済状況、それぞれの思いについて確認し合っておいて損はありません。
一方で今回のようなケースでは、もちろんひとりで背負い込むことはないでしょうが、結婚した以上、義親の介護を他人事とつっぱねるのは難しいということについてもあらためて認識し直すことが大切です。できれば介護をきっかけに離婚や、家族離散などという選択をしないで済み、みんなの負担を軽減しながら継続していける策が見つかることがいちばんいいはずですから……。

文・motte 編集・荻野実紀子/blackcat イラスト・松本うち

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