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【浦川泰典さん第3回】子どもの学習意欲を引き出すカギは「成功体験」の積み重ね

【浦川泰典さん第3回目】子どもの学習意欲を引き出すカギは「成功体験」の積み重ね
「子どもに成功体験を積ませることが大切」という話を聞いたことがあるママも多いと思います。なぜ子どもに成功体験を積ませるといいのでしょうか。また成功体験をさせると子どもにどんな変化があるのでしょうか。そして学習面にはどのような影響があるのでしょうか。子どもの成功体験について、「個別指導塾1対1ATOM(アトム)」代表の浦川泰典さんに、子どもの塾選びをサポートするサイト「塾シル」代表の古岡秀士さんがお話を伺いました。
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空手嫌いな長男がたった一度の準優勝で大きく変わったワケ

古岡秀士さん(以下、古岡):浦川さんが代表を務める「個別指導塾1対1ATOM」では「成功体験」を大切にされていますね。なぜでしょうか?

浦川泰典さん(以下、浦川):実は、これは私自身の子育ての経験からくるものです。現在大学生になる息子がいますが、彼が小学生のころ空手に通っていました。子ども本人は嫌がっていたのですが、私としては空手で体を鍛えるとともに精神を鍛えさせたいと思って、通わせていました。息子が小学2年生のころ、自信をつけさせたくて大会で勝てるようにと技を教えたのです。そしたら見事大会で準優勝できました。

息子は、メダルをもらったことが自分の中で大きな自信につながったらしく、それ以来すごく空手をがんばるようになったのです。たった1回の大会で準優勝まで行けたこと、応援してくれていたみんなにたくさんほめてもらったことで、子どもはこんなにも伸びる。この出来事は、私自身が子育てにおける成功体験の重要性に気づくきっかけになりました。

数学が苦手だった男の子。表彰をきっかけに苦手科目を克服

古岡:ほめるというのも言葉だけじゃなく、みんなの前で分かりやすくほめるのが大切ですね。浦川さんの塾でそういった成功体験を取り入れたことで変化があった生徒はいますか?

浦川:たくさんいます。たとえば中学生の子で数学が苦手な子がいたんです。その子は数学に苦手意識があるから、なかなか積極的には取り組めない。そうなると、やはり結果がでるまでに時間がかかります。でも、あるとき塾で行っている数学のコンクールでその子が表彰されたのです。そこから人が変わったように、急に自主的に数学に取り組むようになりました。同時に、成績もぐんぐんと上がり始めました。

暗記できるような教科や、数学などでも目標設定をして取り組めば達成しやすくなります。達成できたらみんなの前で表彰してあげる。そうやってスモールステップを設定し、ほめる場所を作ってあげることで、子どもたちは自信をつけたり、学習に興味を持つようになり、結果として成績が伸びていくのです。

古岡:表彰式はどのくらいの割合で実施していますか?

浦川:年に5、6回コンテストと表彰式を行っています。また中学生の場合は普段の定期試験の際も、目標を決めて達成できたら表彰しています。表彰された生徒には、賞状とともにノートをプレゼントするなど、お祝いの気持ちも込めているんですよ。

「がんばってやったらできた!」成功体験がもたらす効果とは?

古岡:浦川さんは、この成功体験が子どもにもたらす効果についてどうお考えですか?

浦川:一番の効果は、成功体験を重ねることで子どもが勉強を好きになることです。誰でもほめられると、うれしいですよね。これは私たち大人も同じです。私の塾では、ただほめるだけではなく、生徒自身に毎回目標を立てさせています。この目標を立てることが大切です。なぜなら目標を立てたときのほうががんばれるし、また達成できたときの喜びが大きいのです。この成功体験を積み重ねていくと、勉強が好きになるだけではなく、将来的に目標を立てて頑張っていくことへのきっかけになるといいなと、そんな思いで取り組んでいます。

古岡:成功体験とはちょっと違いますが、ご褒美をあげるというのがありますよね。たとえば、テストで100点取れたら好きなものを買ってあげるなど。これについてはどうお考えですか?

浦川:「テストでいい点数を取れたら何かを買ってあげる」というご褒美的なことも悪くはないです。小学校低学年くらいなら学習習慣をつけるためにもいいと思います。それで子どものやる気が出るならいいと思いますが、小学校高学年や中学生となると、ご褒美をあげるといっても、やる気が出ない子もいます。また、ほしいものが高額になってくることもあります。そういう場合は、早々にやめたほうがいいでしょう。

親が勉強を教えるとつい感情的になってしまう。第三者を頼ることも大切

古岡:学習面で、何をやってもうまくいかない子どもにはどうしたらいいでしょうか?

浦川:学習面でなにをやってもうまくいかないというのは、どこかでつまずきがあり、それで勉強自体が嫌になっている可能性があります。その場合、親がいくら「勉強をやりなさい」といっても取り組めないし、取り組んだとしてもすぐにわからない問題にぶつかり嫌になってしまいます。

そんなときは無理に親が子どもに勉強を教えようとするのではなく、塾など第三者に任せてみてください。たくさんの子どもたちを見てきた塾講師なら、親ではわからないような教え方のコツや、子どものつまずきポイントをしっかりと把握して、その子にあった教え方ができます。

その際に大切なことは、子どもと相性のいい先生を選ぶこと。子どもと先生の間に信頼関係が築ければ、先生にほめられたい、認められたいという思いから勉強に向かう意欲も高まります。わからなかった問題が解けるようになると、次の問題にも挑戦しようという気になります。その繰り返しで、どんどん子どもは自分から学習に取り組めるようになり、その結果、勉強をすることが楽しくなってくるのです。勉強が楽しくなれば、自分に自信がもてるようになるし、いろいろなことに前向きになってくるでしょう。

取材、文・間野由利子 編集・山内ウェンディ

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