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臨時休校中に子どもが毎日やることは計算の反復、漢字練習、体操の3つ【花まる学習会 高濱先生】

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臨時休校中、家庭でどの程度学習させたらいいのか気になるママたちも多いことでしょう。この問題に関して、「花まる学習会」の代表を務める高濱正伸先生は、「漢字と計算、毎日の運動が大切」といいます。さらに、この反復練習によって子どもが学習に自信を持ち、意欲を高めるキッカケになると語ります。詳しくお話を伺いました。
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漢字と計算ドリルを続けることが大事。それだけで子どもが伸びるワケ

「臨時休校中、子どもにどんなことを勉強させたらいいですか?」「毎日何時間勉強させたらいいですか」と、お母さんたちから心配なことがいっぱいあると思います。学習面でやっておいたほうがいいこととしては、毎日の漢字練習と計算です。時間にして10分か20分でいいでしょう。

この漢字、計算の反復は、毎日やったら必ず力がつきます。たとえば、この休みのうちに1年間で習う漢字を書けるようにしたり、余裕があれば1つ上の学年の漢字に挑戦したりするのもいいですよ。小学生時代の学年の違いは、子どもにとってすごく大きいのです。うっかり4年生の子に「君、3年生?」なんて聞こうものなら、めちゃくちゃ怒りますよね。大人からしたら、どっちでもいいんですけどね(笑)。子どもからしたら、それだけプライドのあることなのです。

文章問題は第三者に任せる!無理に取り組まないことも大切

子どもが漢字と計算ドリルをするときは、お父さんやお母さんもきちんと椅子に座って隣でそれぞれ勉強するといいですよ。算数の文章問題については、第三者に見てもらうのがいいでしょうね。というのも、文章問題を一緒にやるとイライラしてしまうお母さんが多い気がします。大人からしたら「なんでこんなところでつまずくの?」と思うようなところで、子どもは文章を見落として間違えることもあります。そういうときお母さんは「ほらここ! 植木は道の両側に植えたと書いてあるでしょ? しっかり読みなさい」というでしょ(笑)。

文章問題に関しては第三者に見てもらうように任せたほうがいいです。近所のママ友と1時間か2時間くらいお互いの子どもを預かって教えてあげるというのができたらいいけど、今は難しいですよね。ですので、文章問題はムリにやらせない。この時期は、漢字と計算の反復を中心にやってください。

親子でクイズ対決。文章問題を得意にする「精読力」とは

文章問題を解くコツは、「精読力」をつけること。すなわち、「集中して、一字一句正確にイメージして、読み切る」力なのです。とはいえ、子どもに「ちゃんと読みなさい!」といっても子どもは「ちゃんと読んでいる」つもりです。
「精読力」をつけるためには、音読がおすすめです。たとえば、宮沢賢治の本をお母さんが音読して子どもが聞いている。お母さんは物語の途中で話を止め「はい。ここで質問です」といって、子どもに向かって読んだ物語の内容に関するクイズを出す。子どもはどんな問題が出されるかわからないから、一字一句に集中して話を聞くようになります。読む本は、絵本でも小説でもなんでもいいです。大切なことは子どもが楽しくできること。間違ったからと言って怒る必要はなく、「親子でクイズをやっている」くらいのリラックスした気持ちでやってみてください。

運動不足解消のためには、親子で毎日体操+一人でできる外遊び

毎日家にいると、子どもも運動不足になって、部屋の中をバタバタしているでしょう。こんなときは、親子で体操を一緒にやるといいですよ。NHKやYouTubeなどから、いろいろな体操の動画が出ているので親子で毎日継続してやりましょう。
地域にもよりますが、外に出ても大丈夫な場合は人のいないところに子どもを連れて行き少し走らせる。またはサッカーなどをやっている子だったら、一人でリフティングの練習をする。ラジオ体操もいいでしょう。

臨時休校中、毎日の日課としてやることは、漢字と計算。それと体操。この3つをしっかりとやっておけば大丈夫です。文章問題については、問題をやらせるよりも「精読」を楽しむ。今は、それだけで十分です。無理にあれこれ問題集をやらせて勉強漬けにするよりも、毎日基礎学力をつけることをやる。基礎がしっかりとできれば、子どもにとってそれは自信になります。自信がつけば学習意欲もわくし、自発的に取り組めるようになります。

親はつい子どもにだけ「勉強しなさい」と言いがちですが、子どもが学習に取り組むときは、お父さんやお母さんもそれぞれ自分で課題を設定して一緒にやるといいですよ。今、在宅ワークになっている人も多いので、家族でそろって勉強や仕事をするのもきっといい思い出になります。

取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ

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