子どもたちの友達「ノンタン」の絵本『ノンタン はみがき はーみー』が新たなミリオンセラーに
小さなころに繰り返し読んでいた絵本の登場人物は、よく知る幼なじみのように心に存在し続けるものですね。小学生以上の子どもたちにとってはそんな存在であり、小さな子たちにとってはまさに今現在の”仲間”であるのが、ノンタン!
何十年も続くロングセラーも多い絵本ですが、先日「ノンタン」シリーズの『ノンタン はみがき はーみー』(キヨノサチコ 作・絵)が新たに累計発行部数100万部を突破しました。
じつは”いつでもよい子”ではないから批判があったノンタン。子どもたちには大人気
1作め『ノンタン ぶらんこのせて』が発売されてから、40年以上。ロングセラーになっている「ノンタン」シリーズ(キヨノサチコ 作・絵)には2歳からの「ノンタンあそぼうよ」シリーズ、0歳からの「赤ちゃん版ノンタン」シリーズなどがあり、全商品を合わせると40点が刊行されています。
これまでにもミリオンセラー(100万部以上)が7点、ダブルミリオンセラー(200万部以上)が4点という大人気作品。2020年4月に100万部を突破した『ノンタン はみがき はーみー』を加えると、シリーズ全32点のうち12点がミリオンセラーを達成したことになります!
お友達にブランコの順番をなかなかゆずれない『ノンタン ぶらんこのせて』や、みんなが眠っても自分は眠くないからと遊びに出てしまう『ノンタン おやすみなさい』など、元気いっぱいのノンタンの姿を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
今ではちょっと信じられませんが、発売当時はいわゆる”よい子”ではないノンタンに対して批判の声もあったそう。でも子どもらしく天真爛漫なノンタンは、いつも”よい子”なだけではいられないリアルな子どもの姿そのもの。たちまち子どもたちの心をつかみ、大人気になりました。
作者のキヨノサチコさんは2008年に逝去されましたが、生前繰り返し話していたのが「幼い子どもにとっては、作者が誰であろうと関係ない。自分がいなくなったあとも、子どもたちの中でノンタンが生き続けてくれたらうれしい」ということ。まさにキヨノさんが望んでいらしたように、ノンタンは今も子どもたちの友達であり続けています。
歯磨きを始める子どもへ、再注目の『ノンタン はみがき はーみー』
新たにミリオンセラーに加わった『ノンタン はみがき はーみー』は、「赤ちゃん版ノンタン」シリーズ中の1冊。ノンタンや仲間たちが順番に登場して、歯磨きをする内容です。
赤ちゃんに生活習慣を教えるための絵本ではあるのですが、そこはノンタン! 歯磨きするときの口の形は、子どもがプッと笑ってしまうような「イイイのイーして」。磨くときの音は「しゅこしゅこ しゅっしゅ」とリズミカル。一般的な”しつけ絵本”とはまた違う、楽しいイラストと音で構成されています。「我が家もこの本にお世話になった!」という家庭も多いかもしれませんね。
「『いいいのいー!』と楽しく一緒に言いながら、はみがきを自分で持ってやっています」
「歯も生えてきて、歯みがきを嫌がる孫に読み聞かせています。絵本を見ると笑顔になるので、楽しみのひとつになっています」
愛読者はがきからは、このような声もあるそうです。赤ちゃんのいるママへのプレゼントにもおすすめですよ!
作・絵:キヨノサチコ
定価:600円 + 税
対象:1歳から
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ