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外出自粛中、学校から分散登校の連絡があったら行くべき?行事はどうなるの?

外出自粛中、学校から分散登校の連絡があったら行くべき?行事はどうなるの?
新型コロナウイルス対策として学校の臨時休業が続いています。外出自粛が求められるなか、学校から分散登校のお知らせがきたら学校に行くべき? 新1年生は初めての学校に馴染める? 運動会などの行事はどうなるの? など、ママたちからしたら不安がいっぱい。文部科学省 初等中等教育局 教育課程企画室長 板倉寛さんにお話を伺いました。
profile_板倉寛

緊急事態宣言後に学校から分散登校のお知らせ。学校側の意図は?

――4月6日に新1年生になる子どもの入学式が行われました。翌7日以降は学年ごとに時間をずらして登校する分散登校が行われる予定でした。結局、緊急事態宣言が8日に行われるといわれていたこともあり分散登校は中止になりましたが、なぜ外出自粛を呼びかけるなかで学校側は分散登校を呼び掛けたのでしょうか。

分散登校を行うかどうかは、学校側としては非常に難しい判断だったと思います。というのも、学校の臨時休業が始まってから子どもたちは1カ月近く学校に来ていません。そのため、新しい学年をスタートさせるにあたり、一度先生や子どもたちが集まることで、新学期の学級立ち上げをスムーズに行えるようにという意図があったのだと思います。
とくに、新1年生に関しては、まだ学校のことを何も知らないし、担任の先生の顔もわからない。新しい生活に対して「どんな先生が担任になるんだろう。友達はできるかな」など、心配している子たちも多いでしょう。そのために、一度学校で顔合わせをすることが必要だと、学校側は考えたのだと思います。

たとえば、夏休み中に登校日を設ける学校も多いと思います。それは、子どもたちや先生が一定の間隔で会うことによってこれまでの人間関係が維持され、夏休み明けの学校生活がスムーズにスタートできるからです。

――夏休みの真ん中に登校日が設けられている意味を初めて知りました(笑)。

プリントの受け渡しなどを通して子どもの学習をサポートすることが大切

――子ども同士や先生との顔合わせ以外にも、分散登校の意図はあったのですか?

学校側としては、5月以降に子どもたちが学校生活に馴染めるように、分散登校ができる状態であればしたいと考えていたのではないでしょうか。4月中に、教科書のほかに学校側から宿題としてのプリント類の配布もあったかと思います。学校で授業ができないぶん、子どもたちに宿題としてプリントを渡して家でやってもらい、学校に持ってきて教師が子どもたちの理解度を見るなど学習のサポートをすることもできます。また学校側としては、やはり学校が、子どもたちが一番安心できる学びの場だと考えているでしょう。しかし新型コロナウィルス対策をしっかりしているとはいえ、子どもたちが1カ所に集まれば大勢ではしゃいでしまうこともある。またこのような状況で子どもを外に出すことすら不安を感じる保護者の方も多いため、分散登校の実施については非常に難しい判断だったと思います。

新型コロナウイルス感染が心配。分散登校日に学校を休んだら欠席扱いになるの?

――分散登校中、学校を休んでも欠席扱いにはならないのでしょうか。

そもそも今回の臨時休業期間に学校に行けない日の扱いは出席停止や忌引きと同様、出席しなければいけない日数から除かれることになりますので、子ども達にとってそのこと自体が不利益になることはありません。分散登校は、授業日とするかどうかも含めてその扱いが変わることがありますが、親御さんの判断も踏まえながら校長先生が柔軟に判断しているケースが多いです。

――今現在で学校再開の目途はありますか?

状況が状況だけにはっきりしたことは決まっていません。地域によっても相当事情は異なるかと思います。しかし、学校再開の目途が立てば、おそらくまずは分散登校から始めて、正式に学校再開となり、通常の授業に入っていくと思われます。

運動会などの課外活動はどこまで開催される?

――写生大会や運動会などの行事が大幅に削られるのではないかと心配です。

これも学校ごとに対応が異なると思いますが、春に予定していたものは秋にずらしたり、精選するなどの対応を取られるのではないかと思います。また、授業日数が短くなる関係で、運動会などの行事にかける時間は例年よりも少なくなる可能性はあります。いずれにしても、学校側としては、子どもたちにとって最善の策を尽くすと思いますので、そこは学校の判断を見守っていただければと思います。

今回の新型コロナウイルスはいつ収まるのかわかりません。ただ、文科省も教育委員会も学校も子どもたちが安心して学校に通えるように、学びを続けられるように、全力でサポートしていきます。心配なこともあるかと思いますが、学校や家庭がそれぞれうまく連携を取ってやっていけるよう、文科省としてもサポートできればと考えています。


【編集部コメント】
長引く学校の臨時休業で、新生活を迎える子どもの親として、不安を感じているママたちも多いと思います。今回、文科省を代表して板倉さんにお話しいただいたことで、分散登校を呼び掛けた学校側の意図や、学校再開時の新生活、行事について詳しい説明が聞くことができました。これから学校再開に向けて、学校と家庭でうまく連携を取りながらやっていくことが大切ですね。

取材、文・長瀬由利子 イラスト・松本うち

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