卒園式に下の子を連れてくること【後編まんが】
前回からの続き。「どうしよう……」
卒園式のお知らせを見つめて、私はため息をついてしまいました。ウチの幼稚園では平日に卒園式を行うことになっています。平日か……。
我が家には3人の子どもがいます。年長の長女と、来年入園する長男、さらに1歳の次女です。
下の子が生まれてからというもの、長女にはたくさんの我慢をさせてきました。それでもいつも下の子たちにやさしく、頑張り屋さんの長女の最後の姿。しっかり見届けてあげたい。
以前、長女の発表会があったときのことです。
別の日には、家からタクシーを使いました。4駅分先で、さらに朝で道が混雑しているということもあり、値段は4千円……。正直痛い出費でしたが、しょうがありません……。さらに、そんなときに限って保育園で骨折をしてしまった長男。
病院の待合室で順番を待っていると、見知らぬおばあさんに話しかけられました。
「あらあら可哀相に~。どうしたの?」
「あ……保育園で怪我をしてしまって……」
おばあさんは少し怪訝そうな顔をしました。
「あなた、働いているの?」
「働いているわけじゃないんですけど、一時的に預かってもらっている間に……」
おばあさんは続けます。
「保育園なんかに預けて楽しようとするからよ。お母さんがしっかり見てないと」
……ショックでした。そんな言葉を投げかけられて、一時保育に預けることへも抵抗が出てしまいました。
なので、もう下の子を連れて卒園式に参加しよう! と決心しました。
事前に園にも連絡を入れ、連れて行くことを承諾していただき、当日は子どもたちのおむつ、ミルク。飽きないよう絵本や音の出ない小さいおもちゃなどを用意。万全の準備の上、挑んだ卒園式でした。
ですが……やっぱり。
周りに迷惑かけてばっかりだな……。
保育園に預けて何かあったら親のせい。保育園に行かせないで騒いでしまっても親のせい。保育園に預けようと混んだ電車に乗っても責められる……。
「子どもの面倒が見れないなら、3人も産むなよ……」
皆さんのそんな心の声が聞こえてくるような気がしました。なんだか八方塞がりだな……と、どんどん気持ちが落ち込んできたそのとき……。
「ありがとうございます……」
堂々と卒園証書を受け取る長女を眺めながら、感動と共に、ママとして至らない自分が情けなくなってきました。子どもは毎日成長し続けていく。しかし私ももっとママとして成長しなくては……。
今回の件を反省し、市役所に相談して、今後は行事の際はベビーシッターを使うことにしました。ベビーシッターさんは高いイメージがあったので敬遠していたのですが、一時保育のためのタクシー代なども含めて考えると、同じくらいの金額でした。
毎日が試行錯誤で、周りの方にご迷惑をおかけしてしまうこともあるかもしれませんが、これからも頑張って子育てしていきたいと思います。
脚本・渡辺多絵 作画・さど
前編はこちら→卒園式に下の子を連れてくること【前編】