「とにかくお金が欲しいから高校に進学したくない」という子ども。説得する方法はある?
中学卒業を控えた子どもの進路について、みなさんはお子さんと話し合っていますか? ある程度は子どもに判断を任せている親御さんもいることと思いますが、基本的には「高校に進学する前提」で話を進めることが多いのではないでしょうか。しかし、ある日突然、息子さんから「高校には進学しない」と切り出されたという投稿者さん。息子さんを説得する方法を教えてほしいと相談をしています。
息子が「高校に行きたくない」と言い出した!
『中学3年生の息子が「高校には行きたくない。働きたい。お金がもらえればどこでもいい。とにかく働きたい」と言い出しました。それでもやっぱり親としては高校に行ってほしいです。しかし、息子は私の言うことに耳を貸しません。説得方法を教えてください』
以前から高校には行かないという話が上がっていたのならともかく、急に「高校に行きたくない」と切り出されると、親としては驚いてしまいますよね。ましてやママ自身が「高校進学は当たり前」という前提をもっているのであれば、動揺してしまうのは当然のことと言えるかもしれません。突然のことに戸惑いながらも、息子さんには高校進学をしてほしいと願う投稿者さん。
それにしてもいったいなぜ、息子さんは高校進学をやめたいと思ったのでしょう?
「お金を稼ぎたい」その理由はどこに?
進学をしたくない理由のひとつとして「お金を稼ぎたい」ことを挙げたという投稿者の息子さん。そうであれば、まずはなぜお金を稼ぎたいのか息子さんの話を聞いてみたほうがいいというコメントが集まりました。
『何かに影響を受けたように感じる。父から息子に話を聞き出すか』
『何で高校に行きたくないのかを聞く。もしかしたら成績が伸びなくて受験に落ちるのが怖くなったのかもしれないし』
『そもそもどうしてそんなにお金が欲しいのかが気になるな。何に使うのか。息子さんがきちんと話してくれるまで、こちらも聞く耳を持たないスタンスで』
『高校行きながらアルバイトではダメ?』
みなさんのコメントからは「お金を稼ぎたい」というのは表面上の理由であって、高校に進学をしたくない本当の理由は別のところにあるのではないか、という推測が寄せられました。たとえば今成績が伸び悩んでいたり、受験のプレッシャーから逃げたくなったりと、「お金を稼ぐ」他に、高校へ行きたくない理由がある可能性もあります。
仮に、お金を稼ぎたいというのが本意だとしても、なんのために稼ぎたいと思っているのか、いくらくらい必要なのか、その詳細を尋ねる必要はありそうです。高校に進学するかどうかを決める以前に、今、どんな点で悩んでいるのか、お金を稼ぎたいとして、そこにどんな目的を持っているかを聞くことで、進学をあきらめる以外の解決策をアドバイスすることもできそうですね。
働くってこういうこと。具体的に伝えるべきことは?
それでも子どもが進学することを受け入れない場合、「現実を見る機会を与えるべき」とのコメントもありました。
『自立だね。「働く場所はどこにするか考えている? 交通費はどうするの? 交通費を出してくれる会社を探さないとバス、電車には無賃では乗れないからね。家を出ないなら毎月生活費、食費をもらうからね。携帯代、保険料も自分で支払うことになるよ」とか自立に向けての具体的な話をする。「高校に行くなら、もう3年は親が面倒を見る。大学に行くなら大学卒業までは親が面倒を見る。中学までならその先は自立だからね。どこを終わりに設定するかはあなたの自由だけれど、終わりにした後を真剣に考えて」と話して、「学生じゃなくなるのだから、生活していくためにはアルバイトではなく、きちんと正社員になれる就職先を考えてね。日曜日だけが休みなことを忘れるなよ」とか淡々と伝えて考えさせる』
『中卒で就ける仕事と、もらえる金額、ひとり暮らしに必要な金額、子ども2人育てるのに必要な金額の目安、20代後半~30代になってから、中卒で転職できるところなどを一緒に調べてあげ、現実を見せるべき』
『何かやりたいことがあるならいいけれど、お金目的はダメだね。高校を出てないと大卒や高卒と比べて給料の安いことや、働き口が少ないこと……、それでも税金などを支払わなければならないこと……、マイナス面もあることをきちんと説明して高校でバイトをする利点などを説明したら? まだ中3じゃあ、世の中のことがわからないでしょ。本当に働きたいならきちんと私の話を聞きなさい! と言って、真剣に話をしてみたら? できれば父母と3人で。受験も近づいて来たから早めに話し合わないとね』
高校に進学せずお金を稼ぐということは、イコール「社会人になる」ということでもあります。しかし投稿者の息子さんはまだ中学3年生。社会人になるのがどういうことなのか、働くとはどういうことなのかを具体的に理解できていない可能性もありそうですよね。
そこで、ママスタコミュニティのママたちからは、中卒では大卒と比べてお給料が安い場合があることや、本当にやりたい仕事が見つかったときに選択肢が狭くなることなど進学を諦めた場合のデメリットを提示するといいのではないかというコメントがありました。また、自立するというのなら自立するためにかかる生活費などの話をし、お給料と生活費の計算をさせてみると本人にも今後の想像がつきやすくなるといったアドバイスも寄せられています。
高校進学へと気持ちが変わった親子の体験談
投稿者さんと同じように、子どもが進学をしないと言ったけれど、説得して結果的には進学したという体験談も寄せられました。親子間でどのようなやりとりがあったのでしょうか?
『地元の求人情報と賃貸物件の情報誌を用意して、中卒で働けるところは身近にどういうところがあるか、その稼ぎで身近なアパートを借りたらいくらか、携帯払って水道光熱費払って……、必要なものを払ったらいくら残るのか、遊ぶためのお金は残るのか、一緒に計算したらどうかな。うちの子も高校は行くけど、大学は行きたくないと言い出したときにそんな計算をしました。専門学校で資格を取るか、大学に行きながらまだ悩むか、そっち方向にうまくいけたよ』
『三者面談で先生が志望校に今の成績では無理だよと言った途端「もういいです。俺働くんで」。突然すぎて先生と顔を見合わせて2人で焦って説得したのを覚えている。結局大学まで行っていました。思春期の心の変化は理解できないことがあるよね』
進学をせずに自立した場合の生活費などを一緒に計算したり、担任の先生と一緒に子どもにアドバイスをしたことによって、子どもの意識が進学へと変わっていったようです。中学生と言ってもまだ子ども。現実をわかっていない部分もたくさんあり、想像ではまかなえない部分もあることでしょう。
「高校に行きたくない」「お金を稼ぎたい」というのも実際の気持ちとしてあるとしても、そのときの気持ちだけで進路を決めてしまうのは安易かもしれませんね。まずは、なぜ進学をしたくないと思ったのかにしっかりと耳を傾け、息子さんの気持ちを知ることからはじめてみてはどうでしょうか。そのうえで、親としての気持ちを遠慮せずに子どもに伝えることも重要です。子どもの将来のためを思うからこそのアドバイスをしてあげられるといいですね。
文・物江窓香 編集・blackcat イラスト・なかやまねこ
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