SNSを禁止にしたせいで友達と離れてしまった娘。小学生でもSNSをする時代なの?
スマートフォンやタブレットの普及によって、SNSをコミュニケーションツールのひとつとして利用している人も多いはず。連絡手段から近況報告、はたまた「つぶやき」や動画投稿などさまざまな「つながり」を促進するSNSは、大人だけではなく子どもでも気軽に使えることができます。しかしその「気軽さ」が、ときにトラブルを生むことも……。
『5年生の娘なんですが、仲良し5人組だったけどそのグループとは去年あたりから徐々に距離ができ、今は離れています。4年生の頃にショートムービーを共有するSNSがしたいといってきたのですが、まだ携帯も持たせていないし早いと思いあきらめさせました。しかし最近、家のタブレットで中学生のお姉ちゃんがSNSを見てみると、娘の仲良しグループだった子たちが仲良さそうに動画をあげています。
娘に「もうこの子たちとは遊ばないの?」と聞くと「うん、話についていけないから。動画SNSとか、洋服とかの話、私はわからないから」と言われてなんだか申し訳なくなって。させるさせないを簡単に考えてたわけではないけれど、やっぱりきちんと話を聞いてあげていたら良かったな。今のお友達とはなかなか合わないみたいで、だからと言って元いたグループには戻れないみたいだし』
動画投稿SNSが原因で、仲良しグループから離れていってしまった娘さん。投稿者のママは、自分が安易に「ダメ」と言ってしまったことが原因ではないかと悩みます。その質問に集まった、子どもとSNSをめぐるママたちのジャッジとは?
SNSくらいで離れてしまう友達なら、遅かれ早かれそうなるはず
『SNSをさせてたら続いてたとも限らないし、反対にSNSしてないってだけで離れるならそれだけの関係だったってことだよ』
『友達とかって変わっていくというか、お互いの環境変化によって繋がり切れたりってあるあるだよね。本当に繋がっていられる友達って、そういうこと関係なく繋がっていられる。今回はそうじゃなかったってだけ』
『新しい友達探せばいいよ。所詮携帯アプリで繋がるのは続かないんじゃないかな。今は辛いかもしれないけどさ』
ママスタコミュニティに寄せられたコメントの多くが、投稿者のママの行動は間違っていなかったのでは? というものでした。仲良しグループから離れてしまった娘さんは今は辛いとは思うけれど、「SNS」が原因で離れてしまったのであれば、それだけの絆であったということであり、SNSをしていたとしても遅かれ早かれ同じことになったのでは? とアドバイスが集まります。
大人が思うより深刻?子どもにとって「つながる」ツールを持っているかいないか
『昔と何も変わってないと思う。カードを持っていない子とは一緒に遊ぶ機会が減る、ゲーム持っていないことは一緒に遊ぶ機会が減る。今も昔も同じだね』
『大人が思うよりかなり深刻なんだよね。LINE、TikTok、Instagramをやってないって大きいことなんだよ子どもには。繋がりだからね。繋がれないと、次の日になかなか話題に入れなくなる気持ちもわかる。何かあったら困るからやらせないじゃなくて、ないようにしながら使わせればいいと思ってる』
『今の母親になった私たちには、そんなことって、中学に行けば友達も変わるって言うけど、実際その胸中にいる本人は毎日が蚊帳の外なんだよ。疎外感を感じて日々過ごしてるんだよ』
テレビ番組やゲームなど、子どもの世界にも「流行」があり、その話題に乗れないと、互いに悪気はなくても自然に距離ができてしまうものです。もちろん移り気が早い子どもたちは、次から次へと新しいものを見つけていき、その都度話題が盛り上がる友達とそうでない友達とで分かれるのかもしれませんが、SNSは流行に加え情報共有の手段でもあり、今や日常に溶け込んでいます。SNSで友達と繋がれないことは、大人が思うよりもずっと、子どもにとっては大きなことなのでは? という意見も集まりました。
時代に合わせて、親も考え方を柔軟にするべき?
『親が一昔前と同じ感覚でいるのは良くないよね。だからといって、全て合わせろというわけではないけど。本当に気が合うならそんなこと関係ない、なんて昭和の感覚だわ。たとえ気があっていても環境が大きく違えば離れていってしまう。だから「うちはどうするか」って具合を定めるのが大変!』
『昔はゲーム機だったのが今じゃスマホになって尚且つSNSになっただけだよ。交換日記禁止だった子は仲良しの交換日記の輪に入れず段々とグループから外れるのと同じだよ。親も昔と今とじゃツールが変わったことに気づいて、ある程度考えてあげなきゃいけない時代になった。うちは親の携帯でSNSの動画を見るだけならOK、顔出しの投稿は禁止にしてる。それでも定期的に確認はしてるけどね』
子ども同士の共有ツールが、私たちが子どもの頃とは異なっているということを、まずは親自身がしっかりと受け入れなくてはいけないのかもしれませんね。
とはいえ小学生は利用対象外。SNSに利用推奨年齢があるって知ってた?
一方で、SNSに利用推奨年齢があることをご存じでしょうか。TikTok、Instagramは13歳以上を推奨しているのです。LINEはiOS(iPhone)のみ、2019年12月ごろから利用推奨年齢を12歳以上とする予定です。
あくまで「推奨」ではありますが、つまりは安全面も含めて総合的に、小学生では扱いが難しいと運営元も判断しているツールであるということです。もちろん子どもたちの成長には個人差がありますが、善悪の判断も含め、うまくSNSと付き合っていける年齢に達するまでは、しっかりと親が見張ることも大切な役割なのではないでしょうか。
『価値観って難しいよね。すべてがダメなわけじゃない。かといってすべてが良いわけでもない。危機管理を学んで、それをしっかり理解できるまでは親の口出しは必要だと思う』
もし子どもが「SNSをやりたい」と感じているであれば、「やらせない」ことだけが正解なのではなく、親としてルールに沿った上手な付き合い方を教えるべきなのかもしれません。
最後に投稿者のママはこう締めくくります。
『元いたグループの子たちが「ずっと仲良しでいようね」「楽しすぎる」とかあげているのを見て、娘はどんな気持ちなんだろう……と考えると私が泣きそうです。確かに、もしSNSをしていてもそのまま仲良しのままだったとは限らないですよね。女だからこういうことはこれからもたくさんあるはず、合う友達を見つけてほしい。でもこう思うのって、結局娘の気持ちは考えられていないのかも。もっと娘の話を聞いてあげよう』
大人になってからSNSが主流になった私たちにとって、子どもがSNSをするということ自体に少なからず違和感を覚えてしまう気持ちもあり、さらに近年増えているSNS絡みの犯罪が、違和感を加速させることもあります。気軽にできるSNSの裏に潜む闇の部分を知っているからこそ慎重になり、つい頭ごなしに「ダメ」と言いがちになってしまいますね。
しかしSNSだけに限らず「親の希望」と「子どもの要望」は異なる場面はこれからも多く出てくることでしょう。子どもの話をちゃんと聞いて、そのうえで親として守ってほしいことを伝えながらしっかり管理をしたうえで、互いに納得できる「落としどころ」を見つけていけるのが理想なのかもしれませんね。
文・渡辺多絵 編集・しらたまよ
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