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会陰切開とセックスレスは関係がある!?女性の膣ケアとは【植物療法士・森田敦子先生】


「出産した女性にとってはいつまで経っても”産後”なんです」。こう語るのは、植物療法士の森田敦子先生です。

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森田先生はフランスの国立大学で薬学部を卒業され、植物や薬草の力を使って人の健康に役立てる「植物薬理学」を学ばれた方です。日本に帰国後は病院に勤務したり、産婦人科学会に参加するなど植物を通して日本の医療に関わっておられます。女優の小雪さんの第3子妊娠・出産に際してもサポートされた経験があります。

2019年9月27日、食を通じて健康や美をサポートするオーガニックイベント「BIOPLE FES」にて、森田先生は「会陰切開はしなくていい」とお話されました。理由に挙げられたのは、「産後のセックスレス」です。

会陰切開……肛門と外陰部の間である会陰を切開し、分娩をスムーズにするための処置です。赤ちゃんの心音がおかしいなどで早くお産にする時や、「吸引分娩」や「鉗子分娩」を選択する場合に行われます。(参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 「会陰切開って必ずしなきゃいけないの?」)

会陰切開とセックスレスの関係について伺いました。

日本ではなじみのない植物療法士とはそもそも何?

――植物療法士とは、どういうお仕事をする人ですか?
森田先生:植物療法士(フィトセラピスト)とは、植物や薬草、メディカルハーブなどの専門家で、知識に基づいて科学的にアドバイスできる人のことです。私はフランスの国立パリ13大学(パリ第13大学)の医薬学部のなかの薬草科(フィトテラピー科)で薬の飲み合わせや副作用、個人の症状に合わせた最適な組み合わせや機能性を学びました。植物療法士は、日本では国家資格といった国が規定している資格ではありませんが、ヨーロッパでは一般的です。フランスではお医者さんも薬剤師さんも薬草や植物について勉強するんですよ。

会陰切開することによって女性が受ける影響とは

――先生は「経膣分娩で出産するとき、会陰切開はしなくてもいいケースもある」と発言されました。理由は何でしょうか?
森田先生:産後のセックスのときに痛みを感じることが増えてしまうからです。会陰切開は女性の身体を傷つけることになります。そのうえ産後の女性は、母乳をだすホルモンのせいでセックスに対して消極的になります。会陰切開の痛みや傷があるとセックスのときにエクスタシーを感じにくくなったり、粘液が出づらくなったりすることがあるんですね。会陰切開に絡んだ複数の原因があって、なかなか産前と同じようなセックスには戻りづらいというケースがあります。

編集部注:国立成育医療研究センターによると、会陰切開はお産を早く終了させる必要があるときに行われるとのことです。たとえば、膣がゆるむ程度が遅く赤ちゃんの状態に影響が出ると判断された場合や、「吸引分娩」や「鉗子分娩」など分娩方法の変更がある場合は会陰切開となるようです。
(参考:出産に際して知っておきたいこと「会陰切開について」 | 国立成育医療研究センター

――会陰切開をしないためにできる準備にはどんなものがありますか?
森田先生:出産前に膣をやわらかくするオイルなどを使って、膣が広がりやすいようにケアしてあげることが大切です。分娩のときにじゅうぶん膣がやわらかくなり緩んでいれば、会陰切開をするという方向性は少なくなるでしょう。

会陰切開をしても、産前の”膣の状態”を戻せる

――産後、セックスレスにならないために女性ができることはあるのでしょうか?
森田先生:産後の膣を適切にメンテナンスすることです。これまではあまり産後の膣のケアについて議論されることはありませんでした。私がフランスから帰ってきた20年前は膣のことについて口に出すことはタブーみたいなものでしたから。でも膣について話すことは下ネタでも何でもありません。膣も臓器のひとつです。出産によって少なからずダメージを受けるわけですから適切なメンテナンスが必要なんです。膣をきちんとケアすればセックスのときにもっと感じる身体になれます。

――出産してしばらく経った女性でも間に合いますか?
森田先生:間に合いますよ。週1回でもセックスはしたほうがいいと私は思います。膣の中のクリトリスに通称Gスポットと呼ばれる場所があるんですね。この部分を潤すために、膣専用のケア商品でメンテナンスをすることができます。今は女性が自分でケアできる商品ができました。10年セックスレスだったとしても1年間メンテナンスをすれば、元に戻すことが期待できます。

植物療法の視点からできる産後の膣をケアする方法

産後の女性の膣をケアする方法として、植物療法の視点からできるアプローチを教えていただきました。

①よもぎ(ハーブ)

お餅や団子の風味付けとしても知られる「よもぎ」。韓国のエステである「よもぎ蒸し」などにも使われる植物です。よもぎは抗炎症作用が強く、傷の痛みなどを鎮めてくれる作用があります。家庭で簡単によもぎを取り入れるなら、乾燥させてあるよもぎをだしパックなどの袋に入れて10分ほど煮だし、できた煮汁をお風呂に入れて半身浴をします。煮だしたものをお茶として飲むのもいいそうです。

②ラベンダーオイル

ラベンダーから抽出される精油(エッセンシャルオイル)に含まれる成分には、炎症を鎮める作用があります。ご家庭でできる簡単な使い方は生理用ナプキンにラベンダーオイルを数滴落として湿布がわりにすることです。また大きめの洗面器などにお湯を張り、そこにラベンダーオイルを数滴加えて下半身をつける座浴という方法もあります。

(参考:「自然ぐすり」森田敦子 著)

まだ世の中的には浸透していない「植物薬理学」。今回は、産後に起こる様々な身体の変化を植物の力でケアしていく方法を教えていただきました。まずは膣のケアから試してみてはいかがでしょうか?

取材、文・しのむ イラスト・あい

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