「いい大人が親を嫌うのは、精神的に未熟だから!」と言われたら……大人になっても毒親を許せないのは甘えなの?
ひと口に親子と言っても、その関係性は文字通り十人十色。まるで親友のように仲がいいという方もいれば、お互いにまったく連絡を取り合わない方や、相手のことを考えたくもないほど仲が悪い方もいるのではないでしょうか。しかし中には、親と仲が悪いということが理解できない方もいるようです。ママスタコミュニティにも、こんな質問が寄せられました。
『いい大人が自分の親を嫌うのは、心がまだ子どものままということだよね? 親だって人間なのに、完璧を求めすぎる小さい子と一緒。自分の親に感謝できない、愛せないような人は、自分の子どもに感謝されるはずもないし、愛されるわけがないとも思うのだけれど、どう思う?』
いい大人が親のことを嫌うのは、精神的に未熟だからではないかと話す投稿者さん。また、「親を愛せない人間は、自分も子どもから愛されない」との持論を展開しました。この投稿に対して、約150件のコメントが集まったのでみていきましょう。
親が嫌いでもおかしくない!いろいろな事情がある
『私は両親のことが好きだけど、親のことを嫌いな人がいても仕方ないと思うよ。毒親も虐待親も存在するわけだし、そういう親に育てられたら、それは嫌いで当然でしょ。自分が恵まれた環境にいたからって、そうじゃなかった人を貶めるような発言は、面白くないよ。どう思うかって聞かれたら、毒親を反面教師に子どもにたっぷり愛情を注げる親になる人もいるだろうね、という感じだわ。一括りにするのはどうかと思う』
『家族だとしても、みんな1人1人の人間だよ。投稿者さんが想像しているよりもツラい、苦しい経験をした人もいるのだから、親を嫌ってもおかしくない。親だからと言って好きでいなきゃいけない必要はあるのかな?』
『親だって人間で完璧じゃないから許される、子どもから感謝されるべき、となるなら、虐待で捕まる親もいないし、親元から保護されるはめになる子どももいないよね。世の中、「人間は完璧じゃないんだから」で許されないことだってあるんだよ。そんな許されないことをする親がいた、またはいる人にもそんなことを言うの? 私はそんなことを言うほうの神経を疑うよ』
まずご紹介したのは、「親のことが嫌いな人がいても、それはおかしいことではない」という内容のコメントでした。「親だからと言って好きでいないといけないわけではない」、「世の中にはいろいろな環境の人がいる」など多様性を認めるような意見が目立ち、投稿者さんの一方的とも受け取れるコメントを咎めるようなコメントが多く集まる結果に。
私たち、毒親に育てられました
『投稿者さん、幼少期に「産まなきゃよかった」と母親に言われたことはありますか? もう少し人の気持ちを考えて発言してほしいです。世の中、幸せな方ばかりじゃないはずです。立派なご両親に育ててもらったなら、わかるはずですよね!』
『すごい決めつけだね。父親は蒸発、母親は35歳過ぎたころからいまだに次から次に男を作って借金をどんどん作るような人なのに愛せって? その男に着替えを覗かれても「お前が誘惑したんだろう」と叩く母親に感謝しろと? ちなみに娘とは仲良くて愛されているし、感謝されているよ』
子どもに暴言を吐く、暴力を振るうなど、いわゆる毒親(子どもが成長をするうえで害となるような親のこと)に育てられたと告白してくれた方からは「投稿者さんは親にひどいことをされたことがある?」と、怒りをにじませたコメントが寄せられています。また、「自分は親とは仲が悪かったけれど、子どもとは仲良くしている」と、投稿者の「自分の子どもに感謝されるはずもないし、愛されるわけがないとも思うのだけれど」という言葉を体験から否定するコメントもありました。
投稿者さんは幸せ。親御さんに感謝しよう
『そういう風に思える投稿者さんは、幸せに育ったということだと思うよ。自分が親の立場になったからこそ親に対して理解ができない部分がある人もいると思う』
『投稿者さんの親は普通の人だったんだと思うよ。幼児虐待をするような親の元で育った人たちは、親に感謝したり愛する気持ちになれると思うの? 親だって人間だから完璧を求めるな、と言うなら、その子どもだって人間なんだから同じでしょう。投稿者さんは自分の親に感謝していれば、それでいいんじゃないの』
『投稿者さんがそう思っていればいいことだね。人はそれぞれいろんなものを抱えて生きている。あなたが自分の親に感謝できることを幸せだと思えばいいだけ』
『あなたは大事に育てられたんだね。これからも親御さんに感謝してね』
全体的に投稿者さんの発言を咎めるようなコメントが多かったものの、「投稿者さんは親御さんに感謝してね」と、当たり前だと思いがちな幸せに気づかせてくれるようなコメントも寄せられています。親との関係というものはとてもデリケートなもの。一見仲がよさそうに見えてもお互いに思うところがあったり、仲が悪いはずなのに離れられなかったり……。ほかの人の親子関係が自分のものとはまったく違うものであっても、何ら不思議ではありません。人にはそれぞれ事情があることを理解して、固定観念にとらわれないことが大切なのかもしれませんね。
文・motte 編集・物江窓香 イラスト・わたなべこ
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