お迎えが苦痛……育児に疲弊し子どもをかわいいと思えなくなっていた私を救ってくれたママ友の話
初めての幼稚園の保護者会。先生のお話の後、保護者が自分の子どもについて話す時間が設けられました。他のママさんも意外と赤裸々に育児の悩みを語っていたことも相まって、今まで相談できなかった自分の育児の話をしてみました。
他のママたちは少し驚いたような顔で聞いてくれていたような気がします。
もともと理系な彼女は「研究対象を観察するような気持ち」でわが子を見るようにしたと話します。
「同じことやってても、昨日と今日だと違ったりするんだよね。だいたいにおいて「進化」が感じられるんだよ。話し始めるようになると余計にそれが面白くて……」
子どもの変化を「見逃したらもったいないな~」と思い、日々「客観的に」見ているのだそう。
「この間は洗面台で手を洗っているはずが、拾ってきてポケットに入っていた石を洗ってたわけ。洗面台は水浸しだし、見た瞬間は「カッチーーン」と来るんだけど、彼女も前に同じことして怒られたことがあったから、「あ、まずい」と3歳ながらに思ったのか、「土の上にあった石だから、おうちが汚れちゃうと思って」って言い訳してきて。
論点がずれているんだけど「そんな言い訳できるようになったんだ!」って感心しちゃったよ。
ママ友が子どものことを「彼女」と呼ぶことにも「感心した」と言えることにも驚きの連続でした。
「「客観的に」と言われても難しいだろうけれど、「なんで彼女はそれをした?」と言動の理由を自分の中で考えることが習慣になったら、冷静になれるからイライラも少なくなるよ。
「こうしなきゃ」よりも「こうしてみたらどういう反応になるかな?」って、実験みたいな気持ちになるよ」
その後はママ友のおかげで、子どもに口答えされても「そういう反応をするのか」と冷静に受け止められるため、こちらも「ダメなものはダメ」と毅然と伝えることができ、感情的にならないため疲れにくくなりました。
今では目の前のわが子と向き合っていられなかった3歳までの日々を巻き戻して、もう1度やり直したいくらい。
もしも子育てに責任を感じすぎて「ツライ」と思ってしまったら、客観的な視点で子どもの気持ちを想像しながら、子どもと一緒に「今の反応」を楽しんでみるのはどうでしょう。すぐにはできなくても、少しずつ、ラクになるかもしれません。
脚本・編集部 イラスト・ちょもす