古坂大魔王:第8回 奥さんを幸せにすることが、子どもや僕の幸せにつながります
wife is happy, life is happyという言葉を聞いたことはありますか?「妻が幸せなら、人生も幸せ」ということを意味する言葉です。この言葉を教えてくれたのは、『PPAP』という楽曲で世界的ブームを巻き起こしたピコ太郎さんのプロデューサー、古坂大魔王さん。私生活では2017年にご結婚され、2018年6月にお子さんが誕生されています。そんな古坂さんにwife is happy, life is happyという言葉に込めた思いを伺いました。
離乳食を食べさせるのが大変。活躍するのはアノ曲ではなく……
――今、お子さんは何カ月ですか?
7カ月です。ようやく最近、手を叩くしぐさができるようになってきました。バイバイが出きてきた。子どものときはたくさん人に会わせた方がいいというから、生後2週間目くらいからいろんな人に会わせていました。
言葉はまだ理解できてないけど、KポップのEXID(韓国のガールズグループ)が好きで好きでしかたない感じです。ギャン泣きしていても、空腹でも、なんだったら寝てても音楽がかかると起きる。
――ピコ太郎さんの『PPAP』は?
聞いてます。だけど『PPAP』は短いんですよね。それに『PPAP』を聞かせると騒いで笑っちゃうから、離乳食をあげるときに食べさせ辛いんですよね。EXIDをかけるとおとなしくなるから、そのときに離乳食をスプーンに入れて口に運ぶとパクっと食べます。EXIDの曲は5分もちますし。
――お子さんのお世話もよくされているんですね!
見てるほうだと思います。これをいうと奥さんからしたら「もっと」といわれるかもしれないけど。ミルクもあげるし、お風呂や寝かしつけ、散歩、うんちもかえるし、おしりが荒れたらワセリンも塗って。でもたまにやらないときってあるじゃないですか。そういうときは奥さんからしたら「なぜやらないんだ」となりますよね。ここが難しい……。やっぱり出産後はホルモン的なものもあって、イライラすることもありますよね。
子どもの鼻水を心配する母親、気にしない父親
もう1つは、母親のほうが子どもを守ろうとする気持ちが父親よりも強いんでしょうね。ママは、子どもが鼻水を出していたり、肌が荒れたりしていることに対して敏感ですよね。僕らパパは、「まあいいじゃない?」って思っちゃうんですけど……。
この「いいんじゃない?」というのが、母親からしたら「え? あなたの子でしょ? 心配じゃないの!?」となってすれ違いがたくさん起きているのかなって思います。でも、きっとお互いの考えがずっと一致しないこともあるし、一生お互い満足しない部分もあります。だからそうじゃないところで、プレゼントを買って帰ったり、おいしいものを食べに行ったりしています。
――私生活もプロデューサーっぽいですね(笑)
僕、気を使う方なんですよ。喫茶店でイライラしている人をみると気になって、自分も不機嫌になる。だから家の中で誰か機嫌が悪いと、曲もコントのネタも作れないんです。アメリカの言葉で「wife is happy, life is happy」という言葉がありますが、まさに奥さんが機嫌良くしていてくれることが、僕の精神状態の安定にもつながるし、子どもも幸せになれると思うんです。
仕事と育児の両立はできなくていい
――仕事と育児の両立はされていますか?
僕は、家に帰ってから曲を作ったりお笑いのネタを作る作業をしたりするんですけど、正直いって今はまだうまくできてないです。仕事があるのに、すぐに子どものところにいっちゃうんですよ。僕はうまく両立できないです。
――ママたちも子どもが小さいときは両立できない人が多いと思います。
「家事も育児もうまくやらなきゃ」と思ったらよけいに辛くなりますよね。うまくいかなくていいので、とりあえず今の形を継続して、きついときは旦那さんに言う。ただ、伝えるときは、すべて愛で梱包してください。イライラしていうと、ケンカになってしまうので(笑)。
「ありがとう」は魔法の言葉
――パパが気をつけることはありますか?
パパはママにたくさん「ありがとう」と声をかける。僕は、ありがとうは魔法の言葉だと思うんですよね。その一言があるかないかで、全然違うと思います。
――そんな歌があったらいいですね。ママをほめる歌が聞きたいです。ほめられたい、認められたい、みたいな曲(笑)。
それはいいかもしれませんね。その気持ち、意外とパパは知らないかもしれない。僕ら男というのは、思った以上に鈍感なんですよ。パパには、「おむつを替えてくれると、私は嬉しい」ということを伝えたほうがいいですよ。パパからしたらそんなことまったく想像してないです。奥さんから言われて初めて「え!? こんなことで喜んでくれるんだ」と思うんですよ。
パパは自分から動いた方がいいですよね。そのほうがパパ自身ラクになるから。奥さんに「ありがとう」と言ったり、プレゼントを買ったり、育児や家事を手伝えば、夫婦ケンカを避けることができて自分もラクになる。というふうに、自分自身に言い聞かせています。
――最後に、読者のママたちにメッセージをお願いします。
妊娠、出産、子育てと、ママはすごく大変なことをしていて、本当に尊敬します。ママが産んで育てている子どもたちというのは、人類の宝ですから。そんな大変な仕事をしているママに対して、パパは感謝の気持ちを伝えて、支えてあげてください。ママを幸せにしてあげることが、結果として、子どもやパパ自身の幸せにつながってくるんじゃないかと、僕は思います。
古坂大魔王さんのインタビューも今回が最終回。最後の最後に、ママたちにステキな言葉を届けてくれた古坂さんの記事をぜひパパにもシェアして見せてあげてくださいね!
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ