私の結婚に反対し続けた「母の愛情」
私は上から6歳、4歳、1歳の3人の息子の母をしています。
結婚する前から長男を産むまで、実家とは絶縁状態でした。それは旦那に先天性の病気があったことがきっかけで、結婚が反対され続けてきたのです。
旦那の病気は、これから授かるかもしれない子どもに遺伝する可能性があると危惧した私の両親は、一向に私たちの結婚を認めようとしてはくれませんでした。私達は何とか認めて貰おうと遺伝子外来などにも行きましたが、やはり遺伝の可能性は0にはならないとのこと。
最終的に実家と縁を切るか、それが嫌なのであれば旦那と別れるかの選択肢になりました。私は実家とは絶縁状態で結婚し、中々子どもも授かれずにいましたが、結婚3年目に長男の妊娠がわかりました。
待望の妊娠だったのに、嬉しさよりも正直不安の方が大きかったのは言うまでもありません。実家の反対を押し切って結婚したのに……旦那の病気が子どもに遺伝するかもしれないなんて分かっていたこと。なのに何でこんなに不安になるんだろう……私は孤独に押し殺されそうになりました。
そんな妊娠6カ月の時に突然母から連絡が来ました。私は自分が妊娠していることを伝えるか迷いました。「なんて言われるだろう、怒られるんじゃないか?」と思いましたが、伝えることにしました。おめでとうと言う言葉があったかどうかはわかりませんが、「よかったね、近いうちに会いに行くね。」と言われました。
久々に会った母はいつも通りで、絶縁していたのが嘘のようでした。
結果、長男と次男に旦那の病気は遺伝していませんでしたが、三男を妊娠中に病気が遺伝していることが分かりました。旦那は健診にいたのでその場で伝えましたが、実家にはなんて言おうとかなり悩みましたが、包み隠さず母に伝えました。すると
母:「子どもが納得いくまでいろいろしてあげなさい」と言われただけでした。
遺伝がわかってから大学病院に変わりましたが、母は健診の度に付き添ってくれ、なんと三男のときは出産も立ち会ってくれました。
もしかしたら母は私を試そうとしたのかもしれません。もし子どもに何か合ったときに私が一生背負わなくてはいけない苦労は、実家と絶縁する以上の苦労になるだろう……と。その覚悟あるなら結婚しなさい! と言いたかったのかもしれません。
今では3人の孫に暇さえあれば会いに来てくれます。お母さんありがとう! 私、頑張るよ!
脚本・だんご三兄弟 イラスト・きたがわなつみ