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原口あきまさ:第7回 「この親父でよかったな」と思ってもらえるような父親になりたい

第7回となる今回は、原口さんが思い描く“理想のお父さん像”についてお話を伺いました。また、原口さんとお父さまの関係についてもインタビューしました。息子として育った立場と、息子を育てる立場、その両方の原口さんを語っていただきました。
原口あきまさ
――どんな瞬間に、お子さんたちの成長を感じますか? 

先日、家族旅行で行った先に5歳以上ができるアスレチックがあったんです。
そこで遊んでいる長男を見ていたら「えっ? こいつこんなに運動神経よかった?」と驚きました。僕たちの知らない長男の一面だったんですよ。
年に1回の運動会とかは結果だけ見るわけじゃないですか。練習のほうがうまくいってたなんてこともあるわけだけど、遊びの中での発見というのはすごく大事だなと思いましたね。何のプレッシャーもない中でのびのびとしている姿を見ると、いろんな発見があるし、そのときに見えたものはたくさん褒めるようにしてます。

――日常を離れたときに見える成長というものがあるんですね。

そうなんです。僕はその長男を見て、「子どもというのは恐ろしい勢いで成長していくものだな」って思って焦りました。
うちは男の子だし、親離れも早いかもしれない。そうなると寂しいのは俺たちだねって奥さんと話したんです。この時期って今しかないんですよね。
子どもたちと密に過ごせる時間というのは今だけだし、僕たちは老いてくばっかりだから、今のうちに良いものも悪いものも含め、たくさん思い出を作っておかないとねっていう考えがでてきましたね。

――原口さんのお話を聞いていると、原口さんを育てたお父さまにも興味が沸きます。

僕は、親父と仲が悪かったんです。どうしてか、好きになれなかったんですよ。でも、親父っ子ではあるんです。
子どもの頃、野球をやりたいと言った俺に、コテと竹刀を持ってきて剣道を薦めたんですよ。少年野球はお金がかかるけど、自衛官の息子は無料で剣道を教えてもらえるだって。
そんな理由で始めた剣道で高校に推薦で行けたので、その恩は感じてますけどね。

――大人になり、親になったことでお父さまに対しての感情に変化はありましたか?

親父には人を引き寄せる力があるんですよね。子どもの頃、親父の凄さは全くわからなかったけど、気づいたら親父のまわりにはいつも人がいたんです。
親父の退官式でネタをやって欲しいと頼まれて参加したら、その会場の人の多さに驚いたんです。ものすごくまわりの人から慕われている人で、それを知ったときに親父の偉大さっていうのを初めて感じたかもしれないです。

今年の正月、一緒に温泉に行きました。今の関係はすごく良いですよ。大人になったからこそわかる親父の良さというものを感じています。

――原口さんが思い描く“理想のお父さん像”はありますか?
原口あきまさ
子どもたちが大人になったときに、「この親父でよかったな」と思ってもらえるような父親でいたいなとは思うけど、その為に何をしたらいいかはわからないままです。

家族旅行のとき、「握手してください」とか「写真撮ってください」と言われてる僕を見て、長男と次男が「やっぱり、人気者なんだね」と言ってる姿を見て、芸人やっててよかったなぁとは思ったけど、これから先はわからないですよね。

今はなくても、これから先、親父が芸人ということでいじめられるようなこともあるかもしれないしね。何かあったら言ってこいよとは言ってるけど……。
理想の親父像の理想っていうのは、いろんな理想がありますね(笑)。

――原口さんは“厳しさ”は必要だと思いますか?

今はいろんなことを言われる時代ですよね。僕たちの時代は、学校にも部活にも厳しい先生というのはいたし、厳しい親父っていうのは必要だと思っていたんですよね。
でも、自分が育ってきた育て方が正しいのか、今の時代に合わせたほうがいいのか、難しいですよね。

でも、奥さんが講演会で、今の子どもたちは厳しさに直面すると、それを乗り越えられなくて生きることに前向きになれなかったり、逆に暴力に走ったりする傾向が多いという話を聞いてきて、厳しさというのも大事なんだろうねっていう話はしています。
僕も奥さんも親が厳しかったし、男の子4人だから、手はあげないにしろ、いざという時には厳しくしようというのはあります。
そういう意味では、親父の威厳をどのレベルに持って行くかというバランスが難しいですよね。
例えば、普段遊ぶときは楽しいパパ、面白いパパというのも見せておかないと、いざというときの「威厳」というのはきかないと思うんですよね。

――“厳しさ”以外に、子育ての中で必要だと感じるものはありますか?

僕は、夫婦仲が悪いと、子どもたちがあまり言うこと聞かないんじゃないかなと思うんです。以前、奥さんと僕の中で、急に口げんかを始めるというコント的な遊びにはまったことがあるんです。
それをやっている姿を見て、次男が泣きだしたんです。「ケンカしないで!」って。僕たちは遊びのつもりだったから、「ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。どう思ったの?」と聞いたら「家族がバラバラになっちゃうと思った」って言うんですよね。
その反応を見て、子どもたちの前でケンカばかりしている夫婦が、子どもに「良い子にしなさい」なんてことを言っても説得力はないだろうなと思うんです。

大人になったことでわかるお父さんの良さ。子どもにとって「良い親」であることの難しさを知っているからこそ、理想の父親のためになにをするべきかわからないという素直な言葉がでてくるのだと感じました。次回は最終回。原口さんのパパ友についてお話を伺います。お楽しみに。

取材、文・上原かほり 撮影・chiai

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