お正月といえば、お雑煮!地域や家庭による中身の違いをわが子に伝えたくなる絵本『おぞうにくらべ』 #ママの悩みに寄り添う絵本
お正月にお雑煮を食べるというご家庭もありますよね。ママが結婚して初めてのお正月にお雑煮を食べたら、パパとママが味わってきたお雑煮の味が違った、と驚いた方もいるかもしれませんね。
絵本『おぞうにくらべ』のあらすじ
主人公のきみちゃんはお正月に家族と一緒におじいちゃんとおばあちゃんの家に行って、お年玉をもらったり美味しいものを食べたりしながら過ごしました。お父さんから初詣に誘われてでかけていくと、仲良しのまあくんが
「きょうはうちのおみせで、おぞうにつくってるよ。あとでたべにきて」
と声をかけてくれました。お父さんと一緒に神社でお参りを済ませたきみちゃんは道中で会ったお友達のはるちゃんとなっちゃんとも合流して、まあくんの家のお店に立ち寄りました。するとまあくんのおかあさんがお餅と人参や大根、ごぼうやさといもや小松菜などの野菜がたっぷり乗ったお雑煮を振る舞ってくれました。お友達のはるちゃんとなっちゃんは自分の家で食べているいつものお雑煮との違いに驚きを隠せない様子。4人は口々に自分の家のお雑煮について話しながら、まあくんの家のお雑煮を美味しそうに食べました。
きみちゃんはその日の夜、お母さんやおばあちゃんと一緒にお雑煮を作りました。かつおぶしでだしを取って野菜やお肉と一緒に煮込んで味付けをした後、焼いたお餅を乗せて完成。きみちゃんは自分が手伝いをして作ったお雑煮がとても気に入ったようで、家族の前でお雑煮大好き宣言をしたのです。
絵本情報
■タイトル:『おぞうにくらべ』
■作:宮野聡子
■発行所:株式会社 講談社
■価格:本体1,400円+税
日本各地で味付けも具材も異なる「お雑煮」に魅せられて購入した1冊
筆者が絵本『おぞうにくらべ』に出会ったのは、書店に並べられた季節におすすめの絵本コーナーでした。お正月にはどのようなことをするのか、どのような風習があるのかなどをわが子に伝えたいと思っていたときでした。
お雑煮だけじゃない!お正月の準備の参考にもなる
筆者が子どもの頃に食べていたお雑煮は、さといもや人参と小松菜や三つ葉とお餅が入っているしょうゆ味でした。冷えた体に染み渡っていくほっこりとした味わいが好きでした。筆者自身もお正月にはおしょうゆ味のお雑煮を作って、家族と一緒に食べていました。
絵本『おぞうにくらべ』は「行事と食べもののよみきかせ絵本」というだけあって、お雑煮だけではなくお正月にまつわることも描かれています。玄関には正月飾りや門松、玄関の中には鏡餅やお正月に関係する生花があったので「うちも飾ってあるね」と話しながら子どもたちに読み聞かせをしました。また今ではあまり見かけなくなった羽つきやかるた、こま回しやすごろくなど昔にちなんだお正月遊びも描かれていますよ。
子どもたちに読み聞かせをしたときの反応
子どもたちに読み聞かせをしたときの反応はというと、お雑煮の絵を見て「美味しそう」、「今度はこれを食べてみたいな」と興味を持ってくれました。将来わが子が結婚したときには、各地で味も具材も違う場合があるかもしれないということも伝えることができました。どの地方で食べられているかの記載もあったので、地図を広げて県名とお雑煮を照らし合わせて楽しむこともできたので、子どもたちにとって、ただ絵本を読むだけとは違った側面からの学びもあったのではないでしょうか。
絵本の背表紙には、日本各地のお雑煮のイラストと具材がたっぷり描かれていて見ごたえがあります。もしかするとママが子どもの頃、おじいちゃんやおばあちゃんの家で食べたお雑煮を見つけられるかもしれませんよ? お正月はのんびり過ごせる方もいらっしゃるでしょう。時間があったら季節にちなんだ絵本を家族で読んで楽しむのもオススメです。
【筆者が考えるこの本のオススメ年齢】3歳〜
文・藤まゆ花 編集・しのむ