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泣いている子どもの面倒を見ない夫にイライラ。実は男女の感覚の違いが原因?

pixta_41091939_M子育て中のママは24時間、自分のことよりも子どものことで大変。そんな中、パパは子どもが泣いているのに、テレビを見ながら寝転んでいて何もしない。ママからしたら「なんで何もしないの!?」と腹が立つところですが、実は、これは女性と男性の感覚の違いからくるものなのかもしれません。
教えてくれたのは、ベストセラーのビジネス小説『大富豪からの手紙』の著者、本田健さんです。「幸せで豊かな人生を実現する秘訣は人間関係にある」と言う本田さんは、これまでセミナーや講演などでパートナーシップ関係の改善もサポートしてきました。数多くの夫婦の悩みを解決してきた本田さんに、夫婦関係がうまくいく秘訣をお聞きしました。
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子育てに関する男女の感覚の違いとは

子どもの母親である女性からしたら、わが子がちょっとでもぐずりだしたら「ママ、早く来て」といわれているような気がして、いてもたってもいられなくなるかもしれませんね。これに対して男性は「子どもは泣くのが仕事。ちょっとくらい泣かせておいてもいいだろう」と、気にしない方が多いのではないでしょうか。この違いがあるために、妻は、子どもが泣いていても何もしない旦那さんに腹を立て、旦那さんはそれに気がつかないという状況になるのです。

ママからすれば「何もしない」、パパは「十分手伝った」。差が生まれるわけは?

もう1つ言えることは、家事や育児の当事者になっているかどうかということです。多くの一般的な男性で、女性が主婦をやっている家庭の場合、自分は子育てのアシスタントであってメインプレイヤーではないと考えている男性が多いです。だからちょっと手伝ったら、子育てをやった気になっているのです。男性はアシスタントであってあくまでも責任がない。そのため、言われたときにおむつを替えたり、抱っこしただけで子育てをやった気になっているんですよ。

子どもの世話をするときにやるべきことが100あるとしたら、自分はアシスタントだと考える男性はそのうちの0.1ぐらいしかやっていなくても、「オレは子育てをやっている旦那」のようなセルフイメージになっているのかもしれません。でも、奥さんからは100とはいかなくても50くらいは手伝ってくれることを求めているわけです。そこで差が生まれているのですね。しかし、奥さんも旦那さんの仕事に対して同じことが言えます。お互いを理解し合うためには知性と想像力が必要です。朝から夜まで、どういう大変さがあるのかをお互いに想像したらできることではないでしょうか。

夫は子育て中の妻の1日を想像できない

朝、子どもを起こしてご飯を食べさせ、洋服が汚れたら着替えて、あとかたづけをして、子どもが泣き出したらそばに行ってあやして、機嫌よく遊びだしたら合間に洗濯物を干す。終わるか終わらないかのうちに子どもがまた泣き出したら、干しかけの洗濯物をそのままにして子どもの相手をする。その後公園に連れて行ってたくさん遊ばせ、帰ってきたらご飯を食べさせて、お昼寝のために寝かしつけて……。とやっていたら、全然自分の時間なんかないですよね。1日子どもの面倒を見ながら家事をして、やっと帰ってきた夫に代わってもらおうと思ったら、スマホをいじりながらテレビをつけ、ゴロゴロしている。そんな姿を見たら腹も立ちますよね。

でも夫からしたら、自分も仕事で疲れて帰ってきているから「休ませてもらおう」と思うわけです。昼間は仕事をしているし、生活費も渡している。もちろん子どものことは手伝うけど、あくまでも「お手伝い感覚」なんです。僕も子どもがいて子育てをしていましたが、そのときはセミリタイアしていたので、手伝いじゃなく主体的にやっていました。それが分業になると、相手に全部お任せになってしまう男性も多いと思います。

妻は夫の「妻には言えない仕事のプレッシャー」をどれだけ想像できるか

反対に女性の側からすると、お金を稼ぐことをあまりしてこなかったり、育児でしばらく仕事から離れていたりすると、お金を稼ぐことがどれだけ大変かを忘れてしまっていることがあるのではないでしょうか。たしかに子育てのほうがずっと拘束され、精神力も必要です。子育ては疲れたからと言ってやめられない。ある意味、人生を拘束されているような気持ちにすらなりますよね。しかし、それに対して男性がラクしているかというと、そういうわけではありません。

旦那さんは会社で課長や部長に怒られて、同期はみんな出世しているのにオレが最後になってしまったという焦りがあるかもしれません。しかもそれを奥さんに言えなかったり、ボーナスが下がったりするなど、いろんなストレスがあるんです。そんなとき帰ってきて「もう疲れた……」と思ってうたたねをしていたら、奥さんにバーンと布団をひっぺがされて「あなた、何をやっているの! 私は24時間がんばっているのに!」といわれたら、旦那さんは「もうだめだ……」となるかもしれませんね。

たった一言で夫婦間のパートナーシップは大きく変わる

どれだけ相手が大変かということを想像して、「オレも仕事をがんばっているけど、24時間じゃない。毎日24時間がんばってくれている君には感謝してもしきれない。僕も疲れているけど、君ほどじゃないからがんばるよ」「俺にはとてもできない。母親って本当にすごいね。尊敬するよ」といわれたら、奥さんの気持ちも軽くなると思います。

反対に、奥さんから「子育てに集中させてくれてありがとう。あなたが仕事をしてくれていることに本当に感謝している」といわれたら、旦那さんも「いやいや、オレなんて」となるわけです。お互いにできないことを責め合ったら泥沼です。相手を思いやって感謝し合うというのが、相手を理解する第一のステップです。

まずは、自分が知らない時間に相手がどういうことをやっているのかを想像することです。それさえできれば、どっちが大変かということではなく、「二人で協力しよう」ということになってくるのではないでしょうか。この相手の立場を想像し、思いやりのある一言を伝えられるかどうかで、夫婦間のパートナーシップは大きく変わってくるのです。

文・間野由利子 編集・山内ウェンディ

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