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30年前の母の背中から気づいた、娘を自転車の後ろに乗せる日々のありがたみ


外の世界で人と関わることで充実感を味わいながらも、時間に追われる毎日。仕事が終わると娘を幼稚園に自転車で迎えに行き、スーパーに寄って、眠くなる前にお風呂に入れて、ご飯を食べさせて……。
寝かしつけをした後はやっと自分の時間と思いながらも、娘と寝落ちすることもしばしば。

そんなある日、慌ただしく自転車で帰る途中のことです。
電動自転車ながらも娘と荷物の重さで少しふらつきながら漕ぎ進めると、ふとある記憶が蘇りました。それは私の母のことでした。

今から30年前、私はママチャリの後ろの子ども用の椅子に乗っていました。
当然、当時は電動自転車ではなくただの自転車。母は、20キロ近い子どもを乗せながら漕ぐのは大変だっただろうな……と今だからこそ思います。今ほど道が舗装されていないので、小石がたくさんあるようなガタガタの道も多く、道幅も狭いところがほとんどだったと思います。
懸命に自転車を漕ぐ母に、後ろからお友達の話をしたり、幼稚園で習った歌をうたったりと、母の背中を見ながらたわいもない話をするのが大好きでした。


今、娘が後ろに乗って、その日の出来事を一生懸命話してくれることが毎日続くのは、当たり前だと思ってはいけないと気づかされました。
娘もそう遠くない未来に、1人で自転車に乗り、もう私の後ろに乗ることはなくなるでしょう。

慌ただしく過ぎる日々に季節の移り変わりを楽しむ心の余裕さえ忘れていたことにも気づきました。
母が一生懸命漕ぐ、その背中を思い出しながら明日も娘との時間を大切に、季節の移ろいを2人で楽しもうと思ったのでした。

脚本・横内みか イラスト・天城ヨリ子

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