お金も時間も子どもにかけると”ママ自身”が幸せになる!?子どもと親の幸せの関係
子どものために衣類や育児グッズを買ったり、夜泣きをしてもあやしたり。お金も時間も「子どものため」に使う子育ては、ストレスを抱えるママが多いかもしれません。しかし、実は「こどものために時間とお金を使うことが、ママ自身の幸せにもつながる」といいます。慶応義塾大学大学院で「幸福学」を教える前野隆司教授にお話を伺いました。
お金も時間も子ども優先。それでも幸せを感じるのは?
子育て中のママ、なかでも0歳~3歳くらいまでの小さな子どもを育てているママは、本当に大変な時期だと思います。昼間は子どもの遊び相手をしてくたくたになり、合間に洗濯を干したり、食事の準備をしたり、部屋を掃除して、夜は夜で、夜泣きをする子どもを抱っこしてあやしていたら、朝になって……。独身の頃は、好きに使えていたお金も、子育て中は子どものおむつや衣類、育児グッズに消えていき、常に自分のことは後回し。そんな大変な子育てですが、実は「幸福学」でいうと幸せな時期でもあるのです。
子どもを幸せにすることでママ自身が幸せを実感
人が幸せを感じる仕組みを心理学や統計学を用いて科学的に研究する学問「幸福学」では、「利他的な人は幸せである」ことが学問的に明らかにされています。他人との関係の中で幸福感を得られるからでしょう。もらったお金を自分のために使うか、他人のために使うかを調べた実験では、他人のために使った方が幸せになっていました。つまり、誰かを幸せにしようとすると、自分自身が幸せになるのです。これを親子の関係にあてはめると、親は子どもを幸せにするために時間もお金も使います。それによって子どもが幸せになり、親自身もより幸せを感じられるようになるのです。また、親が幸せを感じることで、子どもも幸せをより感じられるようになります。
出産後、夫を受け入れられなくなるのは母親の本能
とはいえ、子育て中はなにかと大変です。そんなときに一緒に励まし合う仲間がいるといいでしょう。旦那さんがよきパートナーとなってがんばってくれるのが一番ですが、なかには忙しくて「戦力にならない」場合もあります。また、人によっては「旦那さんと話すのがイヤだ」と感じてしまう人もいます。これは女性の本能で、子どもを守ろうとする気持ちが強くなりすぎて、夫ですらよせつけなくなってしまう場合があると言われています。こんなときは、ママ友など子育てを一緒にがんばっている仲間と話したり、励まし合うといいでしょう。子育てのつらさや大変さを口に出すことで、モヤモヤした気持ちが整理できて楽になります。
「子育てがつらい」。そんなときは1日の行動を箇条書き
ほかにも、「子育てが大変」と思ったときは、1日の行動を紙に書きだしてみるのもいいでしょう。なにもしないままだと頭の中はつらい気持ちでいっぱいかもしれません。しかし、書き出してみると、意外と楽しい時間もあったことを再確認できるでしょう。「子育てがつらい」「大変だ」と感じたときは、箇条書きでいいので、一日の出来事を紙に書きだしてみてください。それだけで少し気持ちが落ち着いてきて、「また明日もがんばろう」と思えるようになるでしょう。