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わかってはいても「忙しいしお金もかかる」。「乳がん検診」ママたちの意識調査

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10月1日は「乳がん検診の日」。先日53歳の若さで亡くなったさくらももこさんの報道などを通じ、これまで以上に乳がん検診の大切さを実感した人もいますよね。
先ごろ発表されたあるアンケート調査の結果によれば、妊娠・出産を経験したことで「自身の健康への関心が高まった」というママが多くいたそう。毎日の忙しさでつい自分のことは後回しになりがちなママですが、検診を受けることは回り回って家族のためでもあるようですよ。

検診を受ける理由は「子どものためにも長生きしたい!」

乳がんは30〜64歳の女性のがん死亡原因の第1位であり、30代から乳がんと診断される人が増えはじめるとされています(*国立がん研究センターがん対策情報センター 最新がん統計より)。乳がんで亡くなった昨今の著名人のニュースも影響したせいか、乳がん検診への関心度が世間的に上がっているような気もしますが、実際のところはどうなのでしょうか?

株式会社「ベビーカレンダー」が実施した「乳がん」に関する意識調査の結果です(1,501名のママ・パパが対象)。
「乳がんについて関心がありますか?」という質問に対しては、「とても関心がある(53.8%)」の回答が第1位。「まぁ関心がある(41.3%)」と合わせると、関心のある人は全体の95.1%に上りました。実際、生活の変化に伴い乳がんにかかる人は国内で年々増加の傾向にあるそうです。生涯で11人に1人という、かなり高い確率で乳がんにかかる可能性があるとされているのだとか(*国立がん研究センターがん対策情報センター 最新がん統計より)。

続いてママたちに「妊娠判明前に、乳がん検診を受けたことがありましたか?」と尋ねると、「ある(44.6%)」、「ない(55.4%)」とほぼ二分されました。

さらに「ある」と答えたママに「出産後も継続して、検診を受けていますか?」と尋ねると、「受けている(14.9%)」、「受けていないが受ける予定(62.2%)」とおよそ4人に3人から積極的な回答がありました。「受けておらず、今後受ける予定もない(22.9%)」というママもいましたが、全体的に一度でも乳がん検診を受けているママは定期検診に対しての意識が高いことがわかりますね。

検診を受ける理由は、以下のグラフのとおりです。

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一方で、妊娠判明前に乳がん検診を受けていなかったママはどうでしょう? 「妊娠・出産後に検診を受けましたか?」という質問には、「受けた(9.7%)」、「受けていないが受ける予定(49.8%)」を合わせると約6割。「受けておらず、今後受ける予定もない(40.5%)」というママも少なくないものの、妊娠・出産を経験したことで乳がんへの意識が高まったママも少なからずいるようです。

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寄せられた個々の回答を見てみると、

「妊娠・出産前から受けなければとは思っていたが、忙しさを理由に受けていなかった。子どもが生まれてから子どものためにも健康で長生きしなければという思いが強くなり、検診を受けようと思った」

「乳がんで亡くなられた方のニュースを見ると、子どものためにも長生きしないといけないと感じる。そのためにも早期発見・早期治療が重要だと思う」

「子どものためにも健康でいたい」という回答には、多くのママが共感できるのではないでしょうか?

と、ここで気になるのが、過去にも今後も「検診を受ける予定がない」と回答したママたちのことです。調査では、その理由についても尋ねています。

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「検診に行く時間がない(44.4%)」が回答の第1位というのは、子育て真っ最中のママたちにとってそのとおりかもしれません。金銭的な負担というのも、そうですよね。複数回答ですが「面倒くさいから(12.0%)」「検査結果を知るのが怖いから(6.8%)」という、ちょっと気になる回答もありました。

自分のことは後回し。ママが健康管理できない理由は?

多くのママは、やはり妊娠・出産を期に自分自身の健康への関心が高まっているよう。ママになったことで「自分の健康への関心は、どう変化しましたか?」という質問です。

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「とても」と「まぁ」を合わせると、「健康に気をつかうようになった」と回答したママは全体の75.3%! その圧倒的な理由はやはり「子どもという守るべき存在ができたから(90.7%)」でした。

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個々の意見を拾ってみると、

「家事・育児・仕事をこなすには、体力が必要だから。子どもに関わる時間をもっと取ってあげたいから、自分が”疲れた”なんて言っていられない」

「自分が倒れてしまったら、家族に負担がかかる。まだ小さい子がいるので、自分の治療や入院などとても考えられない。検査などをしっかり受けて未然に防ぎたい」

さらに少数派とはいえ「あまり気を使わなくなった(4.3%)」「まったく気を使わなくなった(0.9%)」と回答したママもいました。その理由は乳がん検診を受けないのと同じく、「忙しいから」が多数だったそう。

「子どものことが最優先。自分の身体にまで、かまっていられないから」

「子どもへのケアに集中してしまい、自分のことを忘れてしまう。たとえば子どもにはバランスのよい食事を手作りで準備するけれど、自分はカップ麺ですませたりしてしまう」

子どもが何より一番大事。つい自分のことは後回しになりがちな子育て中のママであれば、こちらの意見にも納得できるものがありますよね。

とはいえママの存在は、家族にとって太陽です! 家族みんなが「ママにはいつでも元気でいてほしい」と思っているはず。まずはママが自分の身体をいたわることができるような、家族のサポートを期待したいところですね。

【調査概要】
対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営する「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」サービス利用者
期間:2018年9月6日~9月7日
回答件数:1,501件

文・鈴木麻子 編集・しのむ

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