日常生活ではわかりにくい、子どもの視力。ママ友の子どもが視力検査で「再検査」になった話からの気づきとは?
3歳児健診の視力検査、お子さんはもう済みましたか。日本では、基本的に家で検査をすることになっているので、お子さんとやった、というママも多いのではないかと思います。
もっと厳密な海外の視力検査
筆者が住んでいるオランダでも、3歳児健診のときに視力検査があります。健診のお知らせはいつも手紙できますが、3歳児健診の予約票以外のものが同封されていました。
それは白い紙に黒い太字でイヌやネコ、お家や靴など、子どもにとって身近なものの絵が印刷された紙、と片目を隠すための紙、でした。
視力検査の練習キットです。これを使って、家庭で視力検査の「練習」をしてきてください、と書かれています。
健診当日は、親が同席して、先生が視力検査をします。娘はオランダ語がほとんど話せませんでしたが、私が付いていたので娘はいつも通り日本語で、
「ネコ」
「イヌ」
と先生の指す絵を答えていました。私は先生に日本語で答えていることを伝え、先生は子どもの答える様子を見て診断してくれました。
しかも視力検査は翌年もあります。4歳児健診でも全員が検査を受けます。黒太字の丸の線が欠けている向きを答える、大人と同じ検査です。
当日子どもが緊張してしまうなど、うまく検査ができない場合は、後日再検査することもあるそうです。周りのママ友からも視力検査だけ再検査になった、という話をよく聞いた筆者は、オランダでは視力検査をかなり厳しくやっている印象を受けました。
子どもの視力異常が発見されたママの話
つい最近も、ママ友が3歳になった娘の視力検査が再検査になった話を聞きました。ママ友は、最初は健診場所である保健所の雰囲気が家と違うので、子どもがうまく答えられなかったのだと思いましたが、その後眼科で精密検査を受けた結果、遠視が発見され、治療することになったそうです。
ママ友の娘は歩いたり遊んだりするときも、転んだり危なっかしかったったりすることもなく、「普通」に動いていたし、絵も「普通」に描いているように見えたし、日常生活からは全く子どもの遠視はわからなかったそうです。かなり度の強いメガネを作ることになって、ママ友はとてもびっくりしたそうです。
『最初聞いたときはショックだったけれど……でもよく考えてみると、絵を描いたり塗り絵をしたり座って落ち着いて何かをすることが苦手な子で、すぐ飽きてダダこねたり、機嫌が悪くなりやすい子だったよね。お医者さんには、視力が弱いと、見ることにすごく集中して、疲れるから機嫌が悪くなっていたのではないかって。そう言われるとすごく納得した。
小さい子がメガネなんてかわいそうって思ったけれど、好きなメガネを自分で選んで、ズレないようにぴったり調節してもらって、本人もあまりネガティブに思わなかったみたい。よく見えるから快適みたいで、今は朝起きるとすぐに自分でメガネをかけるようになってる』
確かにこの娘さん、よくママにしがみついて抱っこされていたり、ぐずったりしているのを筆者もよく見かけていたので、疲れやすい子なのかな、とちょっと気になっていました。まさか視力に原因があったとは……そんなこともあるのですね。
子どもの視力検査で早期発見が大切
子どもの視力異常は早期発見がとても重要とのこと。視力異常を放置すると、のちに治療を開始しても十分に視力が回復しないこともあるそうです。そのママ友の子は、早期に治療が始められたので、成長とともに視力も良くなることが期待できるそうです。遠視が早く見つかって本当によかったと思うと同時に、視力検査の大切さを痛感しました。
日本では、3歳児の家庭での一次検査をパスしてしまうと、異常を見つけるのが遅れてしまいがちになるようです。日常生活の中で、パパやママが子どもの視力の異常に気がつくことはかなり難しそうでした。本当は日本でも全員が保健所で診てもらえたら安心できていいのに、と筆者は思います。
家庭での視力検査に少しでも不安があったら、健診時に相談してみるのがいいかもしれません。子どもの視力をきちんと確認できるように、3歳児健診の機会を大切にしなくてはならないですね。
文・野口由美子 編集・横内みか