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口の出し過ぎに注意!子どもを指示待ち人間にしてしまう親の行動とは?


「うちの子、私がいわないと何もしなくて……」という話を聞くことがあります。実は、子どもが自分から動かない原因は、親のかかわり方に問題があるようです。花まる学習会の進学塾部門、スクールFC 代表の松島伸浩先生にお話を伺いました。

日曜日の学習室。子どもが頻繁に自宅へ電話するワケ

子どもひとりでは何もできないからと、隅々までおぜん立てをしてあげるお母さんがいます。一見すると、わが子がきちんとできるようにサポートしてあげているように見えますが、、その先もずっとその状態が続いていくとしたら、指示がなければ自分からは行動できない子どもになってしまうかもしれません。

私が塾講師を始めたころの話です。その塾では日曜日も自習室を子どもたちのために開放していました。子どもたちは好きな時間に自習室に来て勉強をやっていくのですが、その中で一人気になる小学5年生の男の子がいました。

塾のカウンターの脇には電話があり、子どもたちが自宅に電話するときに使えるようにしていました。ある日のことです。男の子が塾にやってきて家に電話をしていました。「お母さん、今塾についたよ。うん、わかった」といって電話を切り、自習室に入っていきました。

30分くらいしたら、またその男の子がやってきて「家に電話していいですか?」というのです。それで「いいよ」といったら「お母さん。計算終わったよ。次は何をするの? うん、わかった」といって電話を切ったんです。そして、その後も30分後にも「お母さん。漢字終わったよ。次は何をするの?」と聞いているんです。

自立させるためには子ども自身が目標を決めること

ようするに、お母さんが全部子どもの管理をしていて「次は何をしなさい」と、一つひとつ指示を出していたわけです。小学校低学年くらいまでは、親と子どもが一緒に計画を作ったり、目標を立てたりするのはいいと思います。

ただ、高学年くらいからは、勉強する内容や時間は、自分で決めて実行できるようになっていくということが理想です。お母さんの指示で今はできたとしても、その先が心配です。

勉強は小学校で終わりというわけではありません。中学、高校、大学、そして社会に出てからも続いていきます。そもそもやらされている勉強は楽しくありません。自分で決めたことを自分の力でできたとき、本当の自信と達成感がわいてきます。それが次へのモチベーションとなっていきます。勉強が好きな子にしようとする前に、自分の頭で考えるのが好きな子に育てることが大切なのです。

いつかは親の手を離れ、自分の将来を自分で決めていかなければなりません。そのときになっても、まだ親の指示がなければ決められないよう大人にはなってほしくないと思います。親はつい心配で子どもにいろいろと手を出してしまいがちです。しかし、それによって子どもを指示待ち人間にしてしまう可能性もあります。多少の失敗や挫折は成長のためには必要なことです。ぜひ勇気をもって見守ってほしいと思います。

取材、文・間野由利子 編集・山内ウェンディ イラスト・んぎまむ

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