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中学生の子に贈りたい物第1位は書籍。あなたが選ぶならどの作品?

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5月にあるのは「母の日」、6月は「父の日」。では7月は?
7月の第4日曜日(今年は7月22日)は「親子の日」です。みなさん、ご存じでしたか? 著名な写真家であるブルース・オズボーン氏の「親と子がともに向かい合う日、そしてその日を通じてすべての親子の絆が強められたらすばらしい」との思いからスタートした記念日だそうです。とかく増加気味の記念日だけに「また?」と思う一方、「何かのきっかけになるのならそれも悪くないかな?」という気がしますね。

この記念日にちなみ、カルチュア・コンビニエンス・クラブが13歳〜22歳の子どもを持つ男女1,002名に実施したのが「読書に関するアンケート調査」です。まだまだお子さんが小さいママも「いつかはこんなふうに思う日が来るのかな?」と、感じるであろう内容になっています。

親が子どもに贈りたいのは”モノ”より”コト”

最初の質問は「”親子の日”に子どもに贈りたいものはなんですか?」というもの(複数回答)。
もっとも多かったのは「レストランなどでの食事」(33.1%)で、以下「衣服・くつ」(27.4%)、「書籍」(16.9%)、「スポーツ用品」「レジャー施設やコンサートに行く」(ともに13.6%)と続きます。

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この回答のポイントとなりそうなのが、誕生日などではない”親子の日”の贈り物ということ。これが何かの記念日なら特別な贈り物になるでしょうし、ごほうび的なものなら子ども自身の希望が強く反映されるものになりがちです。つまりママパパとして「こんなものをあげたいな」という希望が、ストレートに表れているわけですね。
その1位が「食事」というのは、納得です。子どもが小さかったころとは違い、いっしょに出かけることが減ってきた時期だからこその結果でしょう。全体的な結果として、「モノ」より「コト」。親子での体験に価値を見出す人が多いことがわかりますね。ちなみに子どもが13歳〜15歳(中学生)の場合は、第1位が「書籍」でした。

それでは実際に子どもへ本を贈りたいかどうかを尋ねると、「わからない」が45.1%と半数近くだったのですが、「贈りたいと思う」は40.6%、「贈りたいと思わない」は14.3%でした。「こんな本を読んでなにかを考えるきっかけにしてほしい」と思う人がいる一方で、「自分の考えを押し付けるのに抵抗がある」と考える人もいるのかも。「自分のアイデンティティがわかるので、ちょっと照れくさい」と思う人もいそうですね。

具体的に贈りたい書籍のタイトルを尋ねた自由回答で一番多かったのは、『君たちはどう生きるか』。1937年に発売された吉野源三郎の小説を漫画化し、100万部を突破するベストセラーとなった作品です。
ほかには2018年の本屋大賞に選ばれた『かがみの孤独』(辻村深月)、名作『吾輩は猫である』(夏目漱石)、坂本竜馬を主人公にした『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)も多く声のあがった作品だそう。
それ以外には『老人と海』(ヘミングウェイ)、『水滸伝』(北方謙三)、『罪と罰』(ドストエフスキー)などの誰もが知る作品から、『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子)、『大人になる前に身につけてほしいこと』(坂東眞理子)、『やめないよ』(三浦知良)、『どしゃぶりの時代魂の磨き方』(落合信彦)といったエッセイの名もあがりました。

学生時代に本を贈られた経験のあるパパママは、1割

ママパパ自身がふだんの生活で書籍を読む頻度についても聞いています。

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「よく読む(月5冊以上)」と回答した人は10.0%、「たまに読む(月1〜4冊)」が28.2%の反面、「まったく読まない」も29.4%で「あまり読まない(月1冊未満)」32.3%を合わせると消極派が約6割。「とても読書している余裕がない!」というまだ子どもが小さいママたちからすれば、「時間もありそうなのに、もったいないな」と感じる結果かもしれませんね。

そんなママパパ自身に、学生時代(小学生時代を除く)本を贈られた経験があるかを聞いたところ、「ある」と回答したのは10.0%と少数派。「ない」が41.5%、「覚えていない」が最多で48.5%だったので、「ある」と答えた人はよほどその本の内容や贈られた状況が印象的だったのでしょう。

その「ある」人に贈られたときの気持ちを尋ねたところ(複数回答)、上位から順に「うれしかった」(57.0%)、「楽しめた」(41.0%)、「学べた」(37.0%)とポジティブな感想が続きました。親が直接言えない思いを、本を通して受け取れたと感じていた人も多いのでしょうね。

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毎晩読み聞かせをしていた幼児時代とはまた違う、本を介した子どもとの関係。「いつかはこの子に、言葉で言えない思いを本を通して伝える日が来るのかな」と想像してみるのも、悪くありませんよね。将来子どもが大きくなったとき、あなたがまっさきに贈りたい本はなんですか?

■調査概要
調査方法:インターネット (Tアンケート)
調査期間:2018年5月25日(金)~5月30日(水)
調査地域:全国
調査対象:13~22歳の子どもがいる男女(T会員)
サンプル:1,002名

文・鈴木麻子 編集・しのむ

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