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夏のお弁当の食中毒対策「菌を増やさない」ための5つの工夫とは

食中毒
夏の足音が近づいてくると、毎日のお弁当作りに励んでいるママたちには心配なことが増えていきます。それは「食中毒」です。昨今の夏の気温上昇を考えると、食中毒を少しでも防ぐための工夫を凝らす必要があります。食中毒対策の情報は世の中にたくさん溢れていますが、忙しいママたちがそのすべてを把握するのは大変です。そこで今回は、なぜ食中毒は起こるのかについてと、食中毒を防ぐためにこれだけはおさえておきたい「菌を増やさない」5つの工夫についてご紹介します。

知らないと危ない「食中毒」の原因

食中毒を起こす原因は「細菌」と「ウィルス」です。細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生しています。低温や乾燥した環境で長く生存するウイルスが原因となる食中毒は冬場(11月~3月)に多く発生しています。細菌は温度と湿度が一定の条件を満たすと食べ物の中で増殖を始めます。かたやウィルスは細菌とは異なり、食べ物の中で増殖することはありません。ですが、ウィルスのついた食べ物を食べてしまうことで体内の腸管で増殖を開始します。こうして体内に取り込まれた細菌やウィルスが食中毒を引き起こしてしまいます。

参考:政府広報オンライン「1.食中毒の原因は何?」

菌を増やさないための4つの工夫

食中毒は暑くなり始める6月ごろから夏真っ盛りの8月ごろまでがピークとなります。菌の多くは室温が約20℃前後になると増殖を開始します。ですが菌の種類によっては7~8℃ぐらいでも増殖を開始し、どれも人間の体温程度となる35~40℃で爆発的に増加してしまいます。それを少しでも防ぐためには今からご紹介する5つの方法を取り入れてみてください。

1.清潔さ

食中毒になる菌を増やさないためにはまず「清潔さ」を徹底します。それはどのようなことかというと、「手洗い」です。調理を始める前だけでなく、生の肉や魚、卵に触れる前と触れた後も必ず手洗いしましょう。生の肉や魚を切ったまな板もその都度きれいに洗うようにしてください。菜箸や盛り付けに使う箸も、別のものに触れる前には拭く・洗うは徹底してください。肉汁や魚から出た血、卵の殻が触れた場合なども見落としがちですので注意しましょう。これらにも多くの食中毒の原因となる菌が付着している可能性が高いからです。

2.消毒・殺菌

お弁当箱やおかずを詰めるときに使う箸、飲み物を入れる水筒などは、使用する前に必ず消毒・殺菌をおこないましょう。消毒用スプレーをしゅっとひと吹きしてキッチンペーパーで拭うと楽ちんです。布のふきんでもいいのですが、繊維に菌が付着している可能性もありますので、このときに限っては「使い捨てもあり」と割り切ることをおすすめします。

3.十分な加熱

多くの菌は十分な加熱をおこなうことで死滅しますので、特に肉料理は中心部までしっかりと火が通っていることを確認してください。75℃で1分以上加熱が目安となります。野菜もこの時期に限っては加熱調理したメニューが望ましいです。加熱するのは食材だけでなく調理用品もです。使い終わったまな板や包丁などの調理器具はよく洗った後に、熱湯をかけて殺菌するか台所用殺菌剤の使用が効果的です。

4.水気を取る

冷めていないご飯やおかずを十分冷まさずにお弁当の蓋をすると、それらから出た水蒸気でお弁当の内側に多くの水滴が付着します。この水滴こそが菌を増殖させる原因となります。おかずなどの汁なども同じで、汁が他の物に移らないようにする工夫も大切です。また、生の葉物野菜で仕切りをしないほうがいいでしょう。おかずの塩分から葉物野菜(レタスなど)の水分が出てしまうケースも多々あるので、菌を増殖させてしまいかねません。

夏のお弁当のお助け便利アイテム

食中毒

夏のお弁当の食中毒対策に役立つ便利アイテムといえば「保冷剤」「抗菌シート」などがあげられます。最近は100円均一や雑貨屋さんで可愛らしいデザインも増えていますので、いくつか用意しておいて気分で換えてみるのと楽しくなります。抗菌シートもキャラクターものなど豊富になっていますので、子どもたちが楽しくなるようなものを選ぶといいでしょう。ご飯やおかずを仕切るために活躍するのはワックスシートや仕切りカップです。彩りにどうしてもプチトマトを入れたい場合や、汁が出るおかずなどは仕切りカップで隔離しておきましょう。水滴がつかないよう仕切ればOKです。また、市販の冷凍食品で自然解凍OKのものは厳しい衛生管理、温度管理のもとで製造されたものです。自家製の冷凍おかずを保冷剤代わりに冷凍したまま入れることはおすすめできません。

少しの手間で防げる「食中毒」

食中毒への対策は実はとてもシンプルで簡単です。しかしどうしても手間が増えてしまいますので「ちょっとぐらいいいか」となりがちになってしまうのではないでしょうか? ですが、その小さな油断が命取りになる可能性もあるのです。いつもやっていることにひと手間かけるだけと気楽に考えて、楽にできる方法を探してみましょう。今回ご紹介した5つの工夫を駆使して、子どもたちを食中毒から守りましょう!

文・櫻宮ヨウ 編集・横内みか イラスト・Ponko

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