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集中力、記憶力、語学力、計算力、創造性が育つ「絶対音感」の育て方

pixta_30703288_M幼児期にある才能を伸ばすと、言葉を理解する力や、記憶力がよくなることを知っていますか? その感覚とは聴く力=聴覚です。「絶対音感」と呼ばれる音感を身につけて磨くと、五感全体の感覚が研ぎ澄まされて、集中力、記憶力、語学力、計算力、創造性が育つといわれているのです。これまで「絶対音感」というと「うちは音楽家じゃないからいいや」と思っていた方、こんなメリットがあるといわれたら、もうちょっと知ってみたいと思いませんか? これまで3000人の子どもたちの心理を見聞きしてきた一般社団法人 絶対音感コーチ学会代表理事、鬼頭敬子さんに伺いました。

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「絶対音感」ってなに?

「絶対音感」とは、ピアノの音などを聴いて、「ドレミ」という音名でわかることをいいます。よく「絶対音感は生まれつきのもの」といわれますが、そんなことはありません。感覚が発達する6歳くらいまでにレッスンを始めれば、誰でも身につけることができます。ただ、身につけるためには時間がかかるため、遅くても6歳までにスタートするのがいいですね。

7歳を過ぎても大丈夫。「相対音感」が身につく

「うちの子、もう7歳だから絶対音感は身につかない!」と思い、心配するお母さんもいると思います。7歳をすぎると「絶対音感」を身につけることは難しいかもしれませんが、「相対音感」は育つので大丈夫。「相対音感」とは、基準になる音と比べて音名がわかることをいいます。たとえば、絶対音感が「ファ」という音を聞いて「ファだ!」とわかるのに対して、「相対音感」は「ド」の音を基準に「ドレミファ」と歌ったりすることで「ファ」がわかるのです。

「絶対音感」があるとどんないいことがあるの?

「鬼頭流絶対音感メソッド」の研究結果では、「絶対音感」のトレーニングをすると、集中力、記憶力、語学力、計算力、創造性が身につきます。

私は、これまで3000人以上の幼児から聞き取り調査を行い、幼児特有の音の聞こえ方や理解の仕方を研究し、絶対音感を身につけるメソッドを確立してきました。私の教室に通ってくる子どもたちを見ていて感じることは、絶対音感が身につき始めると、音楽を理解する力や記憶力が良くなっていくということです。

その結果、お母さんたちからこんな話をたくさん聞きます。
「教えてもいないのに2、3歳のうちからひらがなが読めた」「落ち着きがない子だったのに、人の話を最後まで集中して聞けるようになった」「苦手だった計算問題が得意になった」「英語の発音がネイティブ並み」。
私自身も、毎週子どもたちに会うたびに脳がどんどん発達して賢くなっていることを実感できて、嬉しく思います。

「聴覚」が育つと五感全部が発達する

ところで、なぜ「絶対音感」がつくと、脳が発達するのでしょうか? 人間の脳は3歳までに80%、6歳までに90%が完成するといわれています。この時期に五感の1つである「聴覚」を鍛えることで、「嗅覚」「味覚」「触覚」「視覚」が研ぎ澄まされ、さらなる才能の呼び水になるのです。

「絶対音感」があっても音の聞こえ方はさまざま

「絶対音感があると、生活音すべてがドレミで聞こえるからうるさい」という話を聞くことがあります。私自身のことをいえば、絶対音感があることで、いつも頭の中に音楽が流れていて、とても楽しいと感じています。

私の場合は、3歳からオルガン、4歳からエレクトーンを始めたことで「絶対音感」が身につきました。その後、エレクトーンやポピュラーピアノなどをやるうちに「相対音感」も身につけたようです。そのため用途に応じて「絶対音感」と「相対音感」を自然に使い分けています。

そのため生活音がすべて音名で聞こえるということもありません。ドアをノックする音は「コンコン」、救急車のサイレンも「ピーポーピーポー」と聞いています。音を音名で表すことはできますが、それをしてもおもしろくないので、普段は音名に直さないように「耳を閉じて」います。これは想像でしかわかりませんが、たぶん「絶対音感を持たない人」とおなじように聞こえていると思います。

「絶対音感」を身につけたことで生活がより楽しめる

「絶対音感」を持つと音楽など必要な音を音名として聴くことができ、音楽がより楽しめるようになります。また、頭の中で音楽を作ったり、楽譜を見て正しい音で歌えたり、いつも音楽が頭の中に流れていたりして、とても便利で「絶対音感」を楽しく活かせます。

幼児期には無限の可能性があります。その時期に「聴覚」を磨くことで「絶対音感」が身につき、同時に五感も鋭くなります。そんな「絶対音感」のメソッドを自宅で学べるようにと、一冊の本、『子どもがどんどん賢くなる「絶対音感」の育て方』にまとめました。1回のレッスンはわずか1分。写真やイラストをつけてわかりやすく解説しているので、親子で楽しみながらレッスンしてみてくださいね。

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著書:『子どもがどんどんかしこくなる「絶対音感」の育て方』
出版社:青春出版社
価格:1,404円(税込)

取材、文・間野由利子   編集・山内ウェンディ

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