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「自分でできる力」だけが大切ではない!?子どもに身につけてほしい「HELPスキル」とは?

「自分でできる力」だけでなく、ぜひ子どもに身につけてほしい大切な力「HELPスキル」
愛おしいわが子の「自立」のため、子どもの成長を手助けしたいと考えるのは、ママの自然な気持ちですよね。だからこそ日々、わが子の着衣・脱衣・排泄などの基本的な生活習慣を子どもが”自分でできる”ようになることを意識しているママもいるのではないでしょうか。

息子に「自分のことは自分でできるように」と強く望んでいた筆者

3歳の息子をもつ筆者にしても同様で、息子の成長のため、 自分でできることを増やしてほしいと思っていました。とくに、息子は2018年4月に幼稚園に入園し、親から離れてはじめての集団生活となりました。筆者はいっそう”自分でできる力”は大切だと感じるようになりました。
トイレ・着替え・歯みがき・挨拶や「ありがとう」を言うこと……筆者の「息子にできるようになってほしいこと」リストはいつも目いっぱい。息子に「やらせなきゃ」と思う気持ちだけで、筆者の心はストレスまみれでした。ママの期待を背負わされた息子も、やはりウンザリといった様子でした。
例えばボタンかけの練習シーン。「ちゃんとボタンを穴に入れなきゃダメ」、「自分でできないと困るでしょ」……といった筆者の言葉に、息子は不安顔になり、やる気が失せて遊びだす始末でした。

でも筆者が無意識に口にした「自分でできないと困るでしょ」といった類の発言。こうした考え方、実はキケン要素をふくんでいるらしいのです。

”自分でできる力”も大切だけど、人に頼る力”HELPスキル”も重要

「HELPスキル」

『「何事も人の手を借りずに、自分でやるのが偉い」と子どもの心に刷り込んでしまうのは危険です』

この一文を、子どもと行った児童館に置かれた育児情報冊子のコラムで、たまたま目にしたとき、筆者はドキリとしました。まさに自分が「何事も自力でできるように」とわが子にのぞんでいたのですから。

コラムのテーマは「HELPスキルを育てよう!」。”自分でできる力”はもちろん重要です。でも同時に”HELP(ヘルプ)スキル”といって、人に頼る力も必要だと述べているコラムで、発達の気になる子どもへ療育支援を行う、NPO法人の女性理事長によって書かれていました。

なぜ”HELPスキル”が大切なのか読みすすめていくと……。

『学校、職場など集団の中では、人と協力して活動することが求められるからです。「協力する」とは自分ができることは自分で行い、できないことは他の人に助けてもらうことです。
人に助けてもらう力、人に頼る力を「HELPスキル」と言います。今、この力が弱い大人が多いそうです。(中略)「仕事は他人に頼ってはいけない。自分でやるもの」と一人で抱え込んで疲弊したり、心や体の病気につながるケースもあります』

筆者は、心の病気としてうつ病が思い浮かんで、「なるほど」と納得してしまいました。(心理的ストレスが大きな原因ともされる、うつ病などの気分障害の総患者数は、2014年は112万人。1996年とくらべると、約2.6倍の数値だそうです)

”HELPスキル”を育てることで、わが子が人と助けあえる大人へと成長できる。そして”HELPスキル”を身につけることは、「すべて自分がすべき」という本人のプレッシャーを軽くし、子どもが穏やかな気持ちで生きていくことができる、ということではないでしょうか。

わが子が心身ともにすこやかに生きるということは、”自分でできる力”を身につけることと同じくらい、ママたちがつよく願っていることかもしれません。

そして、”HELPスキル”を育てる方法としては以下のように紹介されていました。

『子どもの「困った」をしっかり聞き、どうしたらいいか、誰に「HELP」を言ったらいいかを、一緒に考えてあげること。
(中略)くれぐれもママが勝手に解決してしまわないこと。「トラブルは子どもの育ちの栄養」なのに、その栄養をママが奪ってはいけません』

最後の一文は、わが子を想うあまり、つい手助けしてしまいがちなママとしては耳が痛い内容ですね。

”HELPスキル”にも目を向けた育児を

「自分でやらせなくては!」と意気込みすぎていた筆者。でも目からウロコの”HELPスキル”の記事を読んでからは、人に頼る力を息子に身につけさせてやれば良いと考えることで、心は軽くなりました。

そう考えることで、息子に対する筆者の接し方も変わりました。
例えば、給食でゼリーのふたが開けられなかったといって帰宅した日。”HELPスキル”を知る前の筆者であれば、「がんばって練習しなくちゃ」と息子にハッパをかけているところです。でも今では、「練習しよう。でも、できないときは助けてもらってもいいんじゃない? 先生やできるお友達に」などと投げかけてみることにしました。
そして、先日ちょうど担任の先生との面談がありました。先生が「〇〇くん(筆者の息子)は、園生活をがんばりながら、困ったときは『どうするの?』と聞いてくれるのですよ」と話すのを聞いて、筆者はうれしさと安堵を感じました。

これからも息子には、”自分でできる力”とともに”HELPスキル”も大切に育んでいってもらえたらと思います。

文・福本福子 編集・木村亜希

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