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旦那が「共働き」を望む理由。うちの旦那は甲斐性なし?

「共働きを望む旦那」というと、どんな想像をしますか?「男の甲斐性がない」という人も多いかもしれませんね。世の中、女性が専業主婦を望むことはあまりタブーとされないのに、男性側が共働きを望むと、まだまだ経済的にネガティブなイメージがあるのではないでしょうか。

我が家も経済的なことはもちろんですが、私自身が働き続けたい気持ちが強かったために、夫婦で相談して共働き生活を選択しています。どちらかといえば、結婚当初の旦那は「まぁ、君が望むなら……いいよ」という消極的な姿勢でした。しかし、今となっては「出来る限り共働きを続けたい」と言っています。なぜでしょうか。経済的メリットを実感していることはもちろんですが、どうもそれだけではないようなので、紹介してみます。

「仕事できていいな!」と言われたくない。

共働き1

独身時代、夜中まで好きな仕事を思いっきりやっていた私。当時から付き合っていた旦那とは、お互いの仕事の話もよくしており、「大変だけど、やりがいもあるしね」なんて愚痴を言いながらも、対等に仕事への姿勢を尊敬し合っていました。それゆえに結婚後、第一子の育児休業中に慣れない育児に翻弄され、半径50メートルの軟禁生活を送っていた私を見て、旦那は(これは、仕事の話はできないぞ……)と強く思ったそうです。
たしかに、あのなんだか社会と断絶された生活を送っていたときに(子どもが大きくなればまた、家庭にいても地域社会とのつながりはできるんですけどね)仕事の面白さなんて語られたら、「キー!!慣れない育児はもう嫌だ! 私だって仕事したいし! 職場の仲間とランチ行きたい!」となっていたかもしれません。いや、確実になっていたでしょう(笑)。共働き生活の今は「仕事の面白さ」と「育児の面白さ」の性質の違う楽しみを夫婦で共有できるので、安心して家庭でも仕事の話をできてホっとしているようです。

近場に住めて、育児に関わりやすい

共働きの一番のメリットはやっぱり経済面でしょう。もちろん子どもの教育費や老後の資金の目途が立ちやすいというのは最大のメリット。でも、旦那が一番感じているのは単純な貯蓄額ではありませんでした。
我が家は核家族で育児をしているので、保育園のお迎えのことを考えて、お互いの職場から10km以内の比較的都心部に住んでいます。通勤時間はお互いに1時間以内。必然的に旦那も保育園の送り迎えや、帰宅後に子どもと遊ぶ時間が取れたり、育児への関与が多いことが、旦那としては大きなメリットだったようです。
たしかに、旦那のみのお給料で現在の23区内に4人で住める部屋を借りるのはけっこう大変。もちろん、旦那がとっても高給取りだったら片働きでも住めますが、そうなると激務で帰って来られない…ということも多いので、我が家は共働きでバランスを取っている感じです。

子どもに働く姿を見せられる

共働き2
旦那いわく「働く姿」というのは、ママである私が仕事で働く姿だけではなく、パパである旦那が「家庭内で働く姿」も含むようです。我が家には娘がいます。もちろん、将来彼女が専業主婦という選択をするのなら、止める気はありません。しかし、私たち夫婦ともに娘が社会人になるころには、今以上に共働きは必須の社会となっているであろうと考えています。そうすると、娘はきっと仕事と家庭、子どもができれば育児との両立に悩むかもしれません。(そうでない社会になっていることを望みますが……)
でも、そのときに「パパとママがちゃんとシェアすればできる」ということを自分の経験をもって理解することができるメリットがあります。ちなみに息子もいますが、私たちは将来的には結婚に「男性の家事育児スキル」が重要視されるようになるのではないか、とも思っています。(実際に自分の娘のお相手には、「座っていればお茶が出てくる」と思っている男性が良い! なんて人、あまりいませんよね?)そう思えば、息子にとっても「妻は外でも働き、夫も家庭内でも働くのが当たり前」というモデルケースを見せておくことは大きなメリットと考えられます。

「男の甲斐性」ってなんだろう

さて、ここまできてうちの旦那はやっぱり「甲斐性なし」なのでしょうか。はい、私はそうは思っていません。むしろ、「応援してくれてありがとう!」という気持ちです。
もちろん家事育児の分担をまったくする気がなく、共働きの経済的メリットだけを享受したい男性は「甲斐性なし」と言われても仕方ないと思います。しかし、私は同様に妻が望んでもいないのに、一方的に「仕事を辞めろ」と言ってやりがいある仕事を取り上げる……ということも「甲斐性なし」かと思っています。
きっとこれからの時代の「男の甲斐性」は「妻の望む生き方をかなえるために、努力すること」ということになっていくのかなぁ、と感じている今日この頃です。

文・犬山柴子  イラスト・193

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