毎日10分の家庭学習で、漢字や計算よりも「数独」に取り組むといいワケ
小学校に入ったら家庭学習の時間は学年プラス10分が良いといわれています。入学したばかりの1年生だったら毎日10分間の家庭学習を行うことが理想とされます。でも、この10分間ってどんなことをしたらいいの? 漢字練習? 計算ドリル? お母さんが集まるコミュニティ事業『てらこやクロス』の主催者であり、2児の父親でもある櫻井俊輔さんに「家庭学習」についてお話を伺いました。
漢字の書き取りや計算ドリルは最低限で良い
よくお母さんたちの間で「家庭学習ってどんなことをしている?」ということが話題になります。そこで多いのは「うちは漢字の練習をさせてるよ」「計算ドリルは繰り返しやっておいたほうがいいと聞いたよ」という話です。漢字も計算ドリルも、繰り返しやることで基礎的な力が身につくことはたしかです。しかし、果たしてそれだけで、これから必要とされる「自分で考える力」が身につくのでしょうか。
私の場合は、計算ドリルや漢字の書き取りなどは、必要最低限でいいと考えています。なぜなら、計算や漢字などの反復学習ばかりだと、子どもたちが飽きてきてしまうからです。また、必要なときにインターネットを調べれば、答えはすぐに答えは出てきます。
数独「ナンプレ」が効果的
「じゃあ、どんなことをやらせたらいいの?」という質問には、「パズルをやらせるといいよ」と答えています。一口にパズルといってもいろんなものがありますが、おすすめは「数独」です。数独とは、縦横9列の正方形の枠内に1~9までの数字を入れて、同じ列や縦横3列のブロックで重複させないように数字を入れていくパズルです。ナンバープレース、通称ナンプレとも呼ばれるもので、世界中のパズル愛好家から支持を得ています。
毎日10分だったら、ちょうどいい時間できるし、数独に取り組むことで記憶力や論理的思考力がつきます。将棋やチェスがいいといわれていますが、数独に取り組むことで同じような効果が得られるのです。
パズルで状況の分析力・判断力・論理力が身につく
ほかにもアインシュタインパズルやロジックパズルなどに取り組むと、状況の分析力、判断力、論理力が自然と身についてきます。やってみると意外と楽しくて、子どもよりもお母さんのほうがハマってしまうかもしれませんね。ちょっと家事の手を休めて、どっちが先に問題を解けるか対決をすれば、子どもは自分から進んで数独をやるようになるかもしれません。世界大会も開かれているので、親子で挑戦してみるのもいいですね。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶 イラスト・Ponko