登園準備をしない子どもにイライラ……。お母さんがやるべき行動とは?
「もう登園する時間だよ!」「ねぇ、いつになったら準備が終わるの!?」「だってぇ。着ていく服が決まらないんだもん~(涙)」なんて親子のよくある会話、経験ありませんか?「子どもが朝の支度が終わらなくて困る~」となげくお母さんは多そうです。こんなとき、いったいどうしたらいいのでしょうか? お母さんが集まるコミュニティ事業『てらこやクロス』の主催者であり、2児の父親でもある櫻井俊輔さんにお話を伺いました。
洋服へのこだわりから「遅刻」多発
子どもを起こして、朝ごはんを食べさせ、洋服を着替えたら登園準備が完了! のはずが、なかなか準備が終わらない、ということがあると思います。とくに、オシャレに目覚めた女の子は大変です。登園時の洋服が選べる保育園の場合は「フリルがついているのじゃないといや!」「上も下もピンクがいい」「リボンがついているのじゃなきゃ着ない」など、毎日朝からファッションショー。幼稚園に通う子であっても、髪型に、結ぶゴムにと、やっぱりおしゃれへのこだわりは強いようです。
お母さんの行動は子どものあと
着替え終わるのを待っていると「遅刻するから」と、お母さんもイライラしているのではないでしょうか。こんなときはあえて遅刻させてしまうのも手です。「そんなことをしたら、遅れちゃう!」と思うかもしれせんが、実はそのお母さんの焦りがよくないのです。お母さんは園についたとき、気持ちばかり焦って、すべての行動を子どもよりも先にいってしまっていませんか。
遅刻した場合、みんなが「朝の会」などをやっているところに一人入っていくのは子どもでも気まずいものです。そこでお母さんが先に入っていけば、子どもはあとからついていくばかり。お母さんが先生に「遅れてしまい、申し訳ありません」といっている横で、子どもは黙って席に着く。そして何事もなかったかのように、朝の会は始まり、子どもの気まずさは消えるのです。
子ども自身に「遅刻したら気まずい」という感覚を体験させる
こんなときは、焦る気持ちを抑えて、あえて子どもドアを開けさせ、部屋にも先に入らせてください。自分でドアを開けて中に入ることで、より一層気まずさを感じられるはずです。大事なことは、子ども自身に「遅刻したら気まずい」ということを感じさせることです。人は、自分が直そうと思わない限り、行動を変えることはしません。それは子どもだって一緒です。どんなにお母さんから毎朝のように「早くしなさい」といわれたところで、自分から「遅刻しないように準備をしよう」と思わない限り、行動を改められないのです。逆に、今から「遅刻はよくない」ということが実感できれば、遅刻しないためにはどうしたらいいかを自分で考え、行動し始めます。
朝の一工夫で「自分で考え判断できる子ども」に成長
自分で考えて行動できるようになれば、朝の準備も進んでやるようになります。また、自分で考えて判断することができるようになれば、小学校に入ってからも忘れ物もなく、宿題も自分から進んでやるようになるのです。
お母さんも「早く準備しなさい」「いつになったらできるの!」なんて、朝から怒らなくていいから、とってもラクですよ。それに、子どもだってお母さんから毎朝怒られていたらストレスになります。
「毎朝、子どもが準備をしなくて困る」「今日も遅刻しちゃった」と嘆くお母さん。もし次に遅刻するようなことがあれば、園のドアを開けるとき、教室に入るときなど、節目節目で子どもにやらせてみてください。時間はかかっても徐々に変わってきますよ。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶