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まわりに影響されている!?子どもが「塾」へ通うときにすべきこと

asia children drawing「うちの子、勉強ついていけてるのかしら?」「クラスの半分くらいの子が塾に通っているけど、そろそろうちも行かせた方がいいの?」と考えるお母さんも出てくるのではないでしょうか。子どもの塾通いはさせるべき? お母さんが集まるコミュニティ事業『てらこやクロス』の主催者であり、2児の父親でもある櫻井俊輔さんに「子どもの塾通い」についてお話を伺いました。
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まわりが行き始めると「うちも……」と考えてしまう

1年生の頃は公園で楽しく遊んでいた子どもたちも、4年生、5年生ともなると、だんだんと塾に通い始める子が増えてきます。お母さん同士の会話でも「どこの塾がいい」なんて話が始まり、我が子を通わせていない人からしたら、「うちもそろそろ」なんて考えるのではないでしょうか。

塾通いをする「メリット・デメリット」を子どもに伝える

私が思うに、塾は子どもが行きたいと思うなら行かせてもいいですが、親が「塾に行きなさい」といって行かせるのは反対です。無理に行かせても子どもにとってはつらいだけです。とはいえ、親としては心配ですよね。そんなときは、まずは何のために塾に行くのかを子どもに説明してあげることが必要です。

いい中学校、いい高校に行くと、社会に出たときにどんなメリットがあるのか。中学受験をして私立の中学校に行けば同じようなレベルの子が集まるから、お互いに切磋琢磨して高め合う機会があります。デメリットとしては、同じような子どもたちが集まるため、多様性は受け入れにくいかもしれない、ということです。

「親世代の考える将来像」は通じない可能性大

このとき学歴についてはいわなくていいと思います。というのも、私たち親世代は学歴社会で育ってきましたが、今の子どもたちの将来は、親が想像している将来像は通じない可能性があるからです。

親世代でいえば、公務員や大手企業が安定するというイメージがあるかと思います。しかし、現実はそうとも言いきれません。去年まで就職先として人気が高かった銀行は、人員削減してどんどん人を減らしています。せっかくがんばって優良企業に入れても、人員削減でリストラされたら「これまでなんのためにがんばってきたのか」と自信をなくしてしまうことにもなりかねません。

「じゃあ、いったいどうしたらいいの?」と思うかもしれませんね。親として、子どもの将来を考えるのであれば、自分の好きなこと、表現したり、自分の考えを外に発信できることを伸ばしてあげることが大切なのです。

漫画家になるのに「物理や歴史の勉強」が必要になるワケ

我が家の場合は、子どもは「漫画家になりたい」といって、いつも漫画を描いています。ただ単に漫画を描いているように思うかもしれませんが、漫画を描くことで、周辺情報を勉強しないといけないことに気がつきます。たとえば、ストーリーを考えるとき、歴史を参考にすることがあります。そんなときはインターネットなどを使って歴史について調べています。また漫画というと絵だけ描ければいいかと思いきや、語彙力も必要になるので、自然と本を読む回数も増えてきます。

ゲーム好きな子であれば、自分で好きなゲームを作り始めることもあります。そこでプログラミングを学ぶこともあれば、「卓球ゲームを作りたい」といって、ピンポン玉の弧をよりリアルに描くために物理の勉強を始める子もいます。

「没頭体験」が子どもの学力を引き上げる

結局、好きなものをやろうと思ったら、学校で習うような国語、算数、理科、社会、英語などの教科を勉強する必要が出てくるのです。何に役立つかわならないのに学んでいる勉強と、自分で必要だから勉強するのとでは、同じことをやってもまったく習熟度が違ってきます。「受験のために」「もっと学力が上がるように」と塾に行かせるのであれば、私としては塾に行かせるのは反対です。それよりも、まずは子どもが好きなものをどんどんやらせて、没頭できるようにしてあげてください。それが結果として、子どもの学力を含めた総合的な力を伸ばすことにつながるのです。

取材、文・間野由利子 編集・北川麻耶

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