育児の負担が軽くなるだけではない!「夫の育児休業」で家族が得た「3つのメリット」
最近、男性の育休についてのニュースを目にすることが増えたように感じます。ありがたいことに筆者の夫も、第一子の誕生にあたって育休を取得することができました。筆者も夫も実家が遠方で、両親や兄弟にサポートしてもらうことが難しかったため、とにかく育児をする人手を確保することが当初の目的でした。しかし育休を終えて振り返ってみると、予想もしていなかったさまざまなメリットがあったことに気付いたのです。
男性の育休取得の「3つのメリット」
実際に「男性の育児休業」を経験した経験から感じた、3つのメリットをご紹介します。
メリット1 夫のおかげで「心の負担」が軽減された
夫が育休を取得したのは、赤ちゃんが産まれてから3ヶ月の間です。赤ちゃんとの生活が始まってみると、夫がいてくれて何よりも助けられたのは同じ立場で相談できる相手がいるということでした。
あたりまえですが、初めての育児は経験したことのないことばかり。どうしたら良いのかわからないのに、どうにかしないといけない状況は、想像以上に気力も体力も消耗するものでした。家族や友人、助産師さんなどにアドバイスを求めることはできますが、最終的には自分自身が親として「こうしよう」と判断していかなければなりません。
そんなとき、同じ親としての立場で相談ができ、一緒に悩んでくれる夫の存在はとても救いになりました。夫婦一緒に赤ちゃんと過ごすことで、ちょっとしたことでもすぐに相談することができ、心の負担がとても軽くなりました。おかげで気持ちに余裕ができ、だんだんと赤ちゃんとの生活を楽しめるようになったのです。
メリット2 良いところは真似し、失敗したことは反省して「一緒に成長」していける
夫と2人で赤ちゃんをお世話する中で、自分だけでは分からなかったことに気付けることがありました。
たとえばある日の夜中、突然赤ちゃんが泣き出したときのこと。ミルクは少し前に飲んだし、おむつも汚れていない……。いつになく激しく泣くので、具合が悪いのかと思い、筆者はあせって病院に電話をかけようとしました。
しかし夫は「ちょっと待って、ゲップかも?」と言って赤ちゃんを抱き上げ、背中をトントンと叩き始めました。すると赤ちゃんは大きなゲップをし、すぐに泣き止んでコテンと寝てしまったのです。実はこの日の数日前にも、夫が赤ちゃんのお世話をしていたとき、泣き出した赤ちゃんがゲップをしたら泣き止んだことがあったそう。
筆者はまさかゲップが理由で泣いているとは思いつかなかったため、夫が気付いてくれなければ途方に暮れてしまうところでした。夫と筆者、それぞれのやり方で赤ちゃんと接しながら、良いところは真似したり、失敗したことは反省して、パパ・ママとして一緒に成長することができました。
メリット3 育休が終わっても、「2人で協力して」子育てに取り組んでいける
もちろん、夫が赤ちゃんを見てくれる間はゆっくり休むことができるので、体力的にもとても助けられました。しかしそれよりも、これまで述べてきたような、気持ちの面でのメリットのほうが圧倒的に価値があると感じました。
筆者は、夫婦ともに赤ちゃんと過ごしたこの3ヶ月は「パパとママが育つための期間」だったと考えています。まだまだ半人前ではあるものの、パパ・ママとして同じ経験をして、同じペースで成長することができました。新生児期の3ヶ月をともに乗り越えたことで、夫婦の間に「戦友」のような新たな信頼関係が生まれたように思います。育休が終わってしまったあとも、この信頼関係があるおかげで、ずっと2人で協力して子育てに取り組んでいけるような気がします。
「育休を取得するパパ」を応援したい
今回の経験で、男性の育休は想像していた以上にかけがえのない価値があるものだと感じました。しかしながら、厚生労働省「育児休業取得者」によると、育児休業の取得割合は女性が81.8%に比べて、男性は3.16%(平成28 年 10 月1日現在)。前年度より上昇をしてるものの、男性が育休を取得するケースは少ないようです。政府は男性の育休取得を推進しているものの、取得率は諸外国と比べて圧倒的に男性の育休取得のが現状です。
幸いなことに、筆者の夫は職場の上司に後押しをしていただき、育休を取得することができました。夫の上司も過去に育休を取得したことがあるそうで、その経験から「絶対に取得したほうがいいよ!」と言って協力してくれたそうです。きっと上司の方も、育休が大切な経験だったと感じたからこそ、夫に協力してくれたのだと思います。
もちろん筆者や夫も、これから職場で男性が育休を取得しようとするときは全力でサポートするでしょう。育休を取得したことのある人が増えていけば理解が進み、だんだんと取得するのがあたりまえに近づいていくかもしれませんね。簡単ではないかもしれませんが、もしパパの育休取得を迷っているご夫婦がいたら、筆者はやはり「絶対に取得したほうがいいよ!」とお伝えしたいです。
文・nakamon