結論を出してはいけない!爆発寸前の妻のイライラもスッとおさまる「旦那の一言」とは
「もう! あの人は家のことも子どものこともなんにもやってくれない」などと、旦那さんに対して腹が立つことはありませんか? 実は、うちの妻も爆発寸前のときがありました。当時これはマズイと思ったのですが、そのときに妻にある一言をかけたら、途端に妻の気持ちはスーと落ち着きました。「旦那の役割は、妻をニコニコにすること。妻がニコニコしていたら家庭は円満。子どもの学力も伸びるし、いいことづくめ」と語る高濱先生に、詳しくお話を伺いました。
妻のイライラをおさめる方法は「口に出して、大変さを理解してると伝えること」
「子どもは夫婦二人で育てていくもの」とは思いつつ、仕事をしていると、どうしても普段は子どもの世話を妻に任せがちになってしまうもの。子どもが健康なときでも育児は大変なのに、病気になって具合が悪い、機嫌が悪いとなったら、子どもの世話はさらに大変になります。
我が家も、そんな家庭の1つでした。あるとき、子どもが一週間ずっと体調を崩していたのです。その間、妻はずっと子どもに付きっきりで看病していました。やっと熱が下がったと思ったら、また上がるの繰り返し。学校には欠席の連絡を入れなきゃいけないし、具合の悪い子どもをひとり自宅に置いていくわけにもいかないから、買い物にも行けない。唯一の交代要員である僕は、その週はずっと出張続きで不在がちでした。
当然、妻はイライラしっぱなしですよ。ちょっと話しかけただけでも、ものすごく僕に突っかかってくるのです。「これはヤバいな」と思っていたら、妻が「私、明日1日ぐらいお休みをもらってどこかに一泊ぐらい出かけてこようかな」と、吐き捨てるようにいったわけです。
ここでイライラし返してしまう男性もいるかもしれません。しかし僕は「仕事はなんとかするから、旅行に行っていいよ」と言ったのです。
すると妻が「なんで?」と聞き返してきたのですよ。それで僕が「君は1人で育児をしすぎて疲れている。この状態はもう爆発寸前だもん」と答えました。その瞬間、妻のイライラはスーッとおさまりました。
解説すると、妻の心の中で「この大変な状況をわかっていて、さらに私のこのイライラした気持ちをよく理解してくれている。意外と私のことを心配してくれてたのね。よし、合格!」となったのでしょうね。たったその言葉だけで、急に機嫌が良くなったのです。「そうでしょ。わかるでしょう。私の時間がまったくなかった」って(笑)。
「オウム返し」が重要!父親の役目は妻の話を聞いてあげること
僕は父親学級といって、お父さんたちを集めて講演しています。その父親学級では「妻が何かいってきたら、妻の話をオウム返しにいいなさい」と教えています。妻が「今日は山田さんが木下さんの悪口をいっていたんだよ」といったとします。そしたら旦那は「山田さんが木下さんの悪口をいってるんだ」と、ただ繰り返す。たったそれだけでいいのです。
このとき決して「まとめよう」とか「結論を出そう」としてはいけません。変に話をまとめようとするから「わかってるの? 私、今イライラしているよ」ということになってしまうのです。さらに悪いことに、旦那が「こっちもイライラしてるんだよ!」となるとバトルに発展します。
旦那側からしたら、たいして興味のない妻の世間話を聞くのは苦痛かもしれません。しかし、話を聞くだけで妻のイライラはおさまるのです。話を聞くついでに「今の話を聞いて、君のことがちょっと心配になっちゃった」みたい雰囲気を匂わせておくといいですよ。その途端に、女の人のイライラはスーと引いておさまるのですから。
妻をニコニコにするためには「父親学級」をフル活用
旦那がちょっと意識を変えるだけで、妻はすごく楽になります。妻がニコニコしていたら、家庭は円満になるし、子どもの学力も伸びます。ただ、こう話しても夫婦間では限界があります。そのため、旦那には「父親学級」に出てきてもらって学ぶことが必要です。
それがムリだったら、せめてそれに近い行為として、毎朝、妻のために祈りましょう。念仏という言葉があるように、毎日唱えていると徐々に唱えたように思えてくるものですよ。毎朝「妻が幸せでありますように」といっているうちに、妻がちょっと機嫌が悪くなったときに「大丈夫?」という声をかけてあげられるようになるのです。「この人、私のことを心配してくれているんだ」って妻はニコニコになりますよ。旦那にこの話をして、それでもまだわからないようあれば、ケツバットですね(笑)。
それは冗談としても、妻のイライラがおさまれば家庭は平和になります。妻がニコニコになれば、子どもの学力も伸びる。いいことづくめだと思いませんか。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶