将来は「指示待ち人間」に!?連絡帳を頻繁に忘れる子どもには「解決策を考えさせる」サポートを #ママが知りたい子どもの教育
「長男の友達がいつも連絡帳を書き忘れて我が家に連絡がきます。しかも、連絡してくるのは、忘れた本人じゃなくお母さんです」と話すのは、お母さんが集まるコミュニティ事業『てらこやクロス』の主催者であり、2児の父親でもある櫻井俊輔さん。
子どもが連絡帳を頻繁に書き忘れ、その度に慌てるお子さんの「連絡帳書き忘れ問題」に悩む方のために、具体的な対処法をお伝えします。
「明日の連絡を教えて!」忘れた本人に代わって「母親」が聞くべきではない理由
学校での時間割は毎日決まっているものの、予定は変わります。長男の友達の男の子は、いつも連絡帳を書いてこないらしくて、しょっちゅう「明日の時間割を教えて」と我が家に連絡がきます。しかもかけてくるのは連絡帳を書き忘れた本人ではなく、その子のお母さんです。我が家の長男は、毎日、時間割を書いてくるので、その親子は頼ってくるのです。親は子どもに任せると「できない」から、自分がかわりに聞いているわけです。つまり親が面倒を見てしまうから、結局子どもは伸びないんです。
子どもが連絡帳を書いてこなかった日は、翌日ランドセルの中をからっぽで持っていかせるか、教科書を全部持っていくか、どちらかです。連絡帳を書いてこなかったのは子ども自身の責任です。最低でも、連絡帳を書いてこなかった子どもが連絡をして、自分で聞くべきです。
まだ子どもだから「できない」は本当?いつまでも手伝っていたらのちのち困ることに
親は、「まだこの子は子どもだからできない」と思っているのかもしれません。しかし、幼稚園生でもしっかり考えることはできます。もし、このまま成長してしまうと、大人になってから指示待ち人間になる可能性があります。常に誰かに指示を受けないと動けない。そんな大人になる可能性があるのです。
言われなければできない。面倒を見てもらわなければできない。時間割を書いてこなかったということに対して、自分でどうしたらいいか考えてないんですよ。だからどうしたらいいのかということを自発的に考えられず、いつまでたっても成長しないのです。
では、子どもが時間割や持ち物を連絡帳に書き忘れた場合は、どうしたらいいのでしょうか。
子ども自身が解決策を考えない限り成長はしない
改善策として、まず親が子どもの代わりに時間割を聞くことをやめること。子ども自身が困って、そこで初めて自分で考えて行動できるようになるのです。友達に連絡して教えてもらうのか、忘れないためにどうしたらいいのか。自分で困った場面に遭遇して、自分で考えて動くようにならない限りは改善されません。
もう1つは、親自身が自分の失敗談で起こったトラブルを話してあげることです。
親自身の失敗談を子どもに伝える
私は、よく自分の失敗談を話しながら叱ります。「お父さんは小さいときにこんなことをして失敗した。だからやめた方がいいよ」というのです。
たとえば、「昔、お父さんはヨーヨーを振り回していて、ガラスに当てて割ったことがあるんだよ。だからガラスのそばでヨーヨーをやってはいけないよ」というのです。それを聞いた家族は大笑い(笑)。「自分の恥を子どもにいうなんて」と思うかもしれませんが、パパやママなど失敗した本人から話を聞くことで、よりリアルに心に響くのです。
親だって、自分が子どもの頃はみんな同じような失敗をしているはずです。その経験があるから、子どもに対して「それはだめだよ」といえるのです。自分の失敗した経験をいわないまま叱っても、子どもには「なぜだめなのか」ということがよくわからないのです。
小学校のうちは連絡帳を書き忘れて、明日の持ち物がわからなくてもそれほど困らないかもしれません。しかし、このまま大人になってしまうと、将来子ども自身が困ることになります。「連絡帳書き忘れ問題」に対しては、親が余計な手出しをしないこと、親自身の失敗談を話してあげることで、子ども自ら対処法を考えられるようにサポートしてあげるといいですね。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ イラスト・んぎまむ