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「最初のお弁当も唐揚げだったね」親元を離れ、巣立っていく息子へ。母が込めた18年分の想い

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2月を過ぎると、お子さんの進学や就職など、春の新生活に向けて準備をすすめるご家族も多いのではないでしょうか?

ママスタコミュニティに寄せられた『息子が巣立っていく……』という投稿。春からの大学生活のため、親元を離れることになった高校3年生の息子を見つめるママの想いは、涙なくしては読めません。

生まれたときからずっと”側にいることが当たり前”であったわが子との時間が、いかに尊いものであるということを気づかせてくれます。

新生活の準備。口座開設で感じた息子の母への想い

投稿者さんは、春からひとり暮らしをする息子と一緒に仕送り用の口座を作りに行くことに。すると、そこで感じた息子からの想いに、涙がこぼれそうになります。

『暗証番号を決める時「○○△△」にしようかな?って聞いてきた。○○は私の誕生日の日にち、△△は息子の誕生日の日にち。「えー、誕生日はダメだよー」と返事したけど、内心泣きそう』

母親と自分の誕生日を合わせた暗証番号を提案してきてくれた息子。「お母さんの誕生日は絶対に忘れないよ」と言われているかのようですね。離れていても想っているよという息子の優しさと、離れていても繋がっていたいという寂しさの表れでもあったのかもしれません。

そこで投稿者さんは、あらためて「息子が自分の手元から離れていく」ということを実感しはじめます。

『あっという間です。あっという間に大きくなってしまいました。

昨日でお弁当は終わりだと前から聞いていたはずなのに、まだ冷凍庫には作り置きのハンバーグや煮物がジップロックに入っています。

最後だと気付かず、お弁当箱に普通に唐揚げを入れてしまいました。その事を今日話したら、「中学での最初のお弁当も唐揚げだったね」と覚えていました』

昨日で最後だったお弁当。でも、その風景は「いつもと変わらぬ日常」に溶け込んでいました。明日も明後日も、来週も来月もずっと続くと思っていたのに、もう作ることのないお弁当。時が止まったままの冷凍庫の作り置きを見つめながら、やりきった自分を褒めつつも、やはり心のどこかには寂しさが募ります。

中学で最初のお弁当を覚えていた息子さんは、きっとお母さんが作ってくれるお弁当を毎日楽しみにしていたのでしょう。唐揚げも好物だったのかな?

投稿者さんは、息子との思い出を振り返りながら、ただ健康で真っ直ぐ育ってくれたことに感謝します。

あんなに小さかったのに……いつの間にか、こんなに大きくなったんだね

成長とともに思春期や反抗期を迎える息子に、親として向き合い方を考えることも多かったでしょう。つい最近までガミガミ怒ってばかりだったという投稿者さんは、受験を控えた息子への声かけにも悩みます。

『高3息子、受験生。部活ばかりで勉強に身が入らない。たまりかねて、勉強しなさいと注意したら「今自分ができることは精一杯やっている。口出しせず、見守って欲しい」と言われてしまった。その通りだよね』

いつの間にか、言われなくても自分のことは自分でできるようになった息子。勉強のことも、進路のことも、しっかり自分で考えて進めるようになりました。

『小1の時に「ママを小さくしてポケットに入れて学校に連れて行きたい」と言ってたわが子。大きくなってしまった。嬉しいような寂しいような』

ママを小さくして連れて歩きたいほど必要としてくれていたあの頃。「ママ!ママ!」と、どこへ行くにもベッタリだった息子を愛おしく思う反面、大変なときには何度「早く大きくならないかな」と思ったことでしょう。そんなときも、過ぎ去ってしまえば一瞬のできごとのよう。

今では「見守っていて」と、ママと息子の距離も開くようになり、真っ当な成長の証が嬉しいはずなのに切なく感じてしまいます。

強く、逞しく巣立っていく息子へ

最後に投稿者さんは、こう締めくくります。

『他人から見たらマザコンに映ることもあるかも知れません。でもそれで良いと思っています。

大学進学で親元を離れると、男の子は多分もう一緒に住むことはないでしょう。

人生でたった18年です、一緒に住めるのは。

自立を促し、育ててきたつもりなのでいろいろお世話を焼く機会はもうないと思っています。

息子の気持ちは分かりません。

感傷に浸っているのは私だけで案外本人はサバサバしているのかも。それで良いと思います』

生まれてから今日まで、ずっと大切に育ててきた息子。きっと「人に迷惑をかけないように」「ちゃんと自分で自分のことができるように」「きちんと挨拶をするように」など、投稿者さんはたくさんのことを伝えてきたのでしょう。

誰よりも息子の「自立」を望んでいたはずなのに……。自分の足で歩きはじめようとする息子の姿が、涙でにじんで見えなくなりそうな投稿者のさん。

はじめて歩いた日や、はじめて「ママ」と呼んでくれた日。背丈よりもだいぶ大きいランドセルを背負う姿や、ぶかぶかの制服を身にまといながらはにかんだ笑顔。友達とケンカした日も、テストで悪い点数を取った日も、いつでも息子のそばにはママがいて、ママのそばにも息子がいてくれました。

息子と一緒に暮らせた18年間が、キラキラ輝くママの宝物であったことに気づく投稿者さん。

強く、逞しくなった息子の後ろ姿をこれからも見守りながら、これからも変わらず息子を応援し続けようと思ったことでしょう。

02

そして「今」、大変な子育て真っ最中な私たち。忙しくてイライラし、くじけそうになることも多い子育てでも、いつか「終わり」がくることを忘れてはいけないのかもしれません。

過ぎてしまえばもう二度と戻ることができない、かけがえのない「」を大切にしたいですね。

どうか、投稿者さんと息子さんの新しい門出が、幸多いものでありますように。

 

文・渡辺多絵 イラスト・Ponko

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