妊婦の喫煙や出産前後の抑うつ……。妊娠中のママの行動や食事が赤ちゃんに与える影響とは
妊娠すると自分の体調管理とともに、生まれてくる赤ちゃんのことが気になりますよね。「妊娠中の喫煙は生まれてくる赤ちゃんにどんな影響を与えるの?」「妊娠中は魚を積極的に食べたほうがいいって本当?」など、妊娠中は不安に感じてしまうこともあるでしょう。
そこで「妊娠中のママたちが気になる話題」について、環境省のデータをもとにいくつかピックアップしてご紹介します。
妊娠中に喫煙すると、低出生体重児が生まれる!?将来は肥満などのリスクも
「妊娠中にタバコを吸うと、生まれてくる赤ちゃんに影響がある」という話を聞いたことがあるママもいるかと思います。いったいどんな影響があるのでしょうか?
1万人の妊婦さんを元にしたデータによると、タバコを吸ったことがないママから生まれた子どもに比べて、妊娠中もタバコを吸っていたママから生まれた子どもの体重は男の子が136.4g、女の子が124.5gほど軽いことがわかりました。「でも、それは元々のママの体型や体重の増加や妊娠中毒症の影響はないの?」と思われるかもしれませんが、それらの要因を取り除いても妊娠中のタバコの喫煙は低出生体重児が生まれてくる可能性が高くなることが調査でわかっています。
「たった130gくらい」と思うかもしれません。しかしそれが原因で将来肥満などの健康状態に影響する可能性があるとなったら、ママとしては聞き流せない情報ですよね。
「魚の摂取量」と「うつ病」との関係性
妊娠中や赤ちゃんが生まれてからは、ホルモンバランスの影響により「うつ状態」に悩む方もいるかもしれません。そうならないためにも、妊娠中から積極的に魚を摂取してみてください。
妊婦さん7万5000人に対し、魚を食べている量と抑うつの関連性を調べたところ、妊娠期に魚を多く摂取しているほうが、抑うつ状態にある人が少ないということが分かりました。
妊娠前期では、魚の摂取量が「やや少ない」と「やや多い」と回答した方が「抑うつ状態」になりにくかったという結果が出ました。
続いて妊娠中後期では、魚の摂取量が「やや少ない」、「中程度」、「やや多い」、「多い」と回答した方が「抑うつ状態」になりにくかったという結果に。
最後に出産後1か月では、「やや少ない」、「中程度」、「やや多い」と回答した方が「抑うつ状態」になりにくかったという結果となりました。
魚に多く含まれているDHAやEPAを接種すると、うつになりにくいということがわかりました。妊娠中は、意識して魚を摂ることも必要かもしれません。
「みんなで支える妊娠・出産」をテーマにシンポジウムが、2018年2月10日(土)に開催
今回の調査には、全国で10万組もの親子が参加しています。赤ちゃんがママのお腹のなかにいるときから13歳になるまで、定期的に健康状態を確認しています。環境要因が子どもたちの成長にどう影響を与えるか、などを明らかにするための国のプロジェクトです。それだけにデータの信ぴょう性も高そうですね。
2018年2月10日(土)には、日本科学未来館で「みんなで支える妊娠・出産」をテーマに大規模なシンポジウムを開催いたします。ゲストとして、産婦人科医で、漫画「コウノドリ」のモデル医師でもある萩田和秀さんと、NICU(新生児集中治療室)での勤務経験もある蛯原英里さんも登壇する予定なので、妊娠・出産期に役立つ情報が聞けるかも。妊娠・出産時のことについてもっと知りたいと思った方は、参加してみてはいかがでしょうか?
さらに、同じ建物で「生き物になれる展」も開催する予定なので、ぜひ親子でご来場くださいね。
協力:第7回エコチル調査シンポジウム事務局