授乳で悩む私が救われた「先輩ママの言葉」 #あの人に今ありがとう
子育ては楽しいことばかりではありません。とくに出産直後は、ただでさえ出産という大仕事を終えたばかりで疲労困憊。さらに慣れない育児に奮闘し、思い通りにいかないイライラや不安が重なって、泣きたくなってしまうときだってあるでしょう。そんなときに誰かに優しくしてもらったり、励ましてもらえたとしたら……きっと「また明日もがんばろう」という元気がでてきますよね。
今回ご紹介するのは思いがけない相手から元気をもらったママの、心温まるエピソードです。
あなたは誰かに、心の支えとなるような言葉をかけてもらった経験がありますか?
「あなたの一言で、私は息子と楽しい時間を過ごすことができました」
『長男の出産時です。初産かつ予定帝王切開いうことで実家へ里帰りし、母乳育児推進病院で出産しました。傷の痛みがある中、翌日午後から母子同室。痛みと点滴の管で不自由な体…。それでも、我が子のため必死でした。
苦労したのは授乳。私の乳首が短めだったこと、息子の吸う力が弱かったことが重なり、みるみる体重は減少。胸は張るし、母乳は滴り落ちるのに息子にあげられない不甲斐なさで、涙が止まりませんでした』
『そんな私の様子を気遣い、同じ病室で、私より3日前に出産したママさんが声をかけてくださったのです。
「大丈夫。初めからうまい人なんていないから…ママも赤ちゃんも0歳ですよ」と。「大丈夫」その言葉にものすごく救われたのを覚えています。結局、母乳だけではなかなかうまくいかなかったので長男は1ヶ月だけミルクと混合育児でした。私は乳頭保護器をつけて…。消毒やら何やら大変だったけど、新生児を卒業するときには私の胸の方も柔らかくなり、息子も吸う力が増し、完全母乳になりました。
あなたの一言で、私は息子と楽しい時間を過ごすことができました。ご自身も出産後で大変だったはずなのに、やさしく背中を撫でて声をかけてくださったこと。本当に感謝、感謝です。
あのとき、そっとカーテンを開けて声をかけてくれたママさん。 本当にありがとうございました。(30代後半 女性、加筆・修正の上掲載)』
母子ともに慣れない授乳に苦闘して涙を流していたとき、こんなふうに優しい言葉をかけてもらえたらとっても救われますね。きっとこのママさんも、自分と同じように子育てに悩んでいる人がいたら、自分が励まされたときような優しい言葉をかけてあげられるのではないでしょうか。そんな「やさしさの連鎖」が続いているのかと思うと、なんだかほっこりしませんか。
貴重な体験談をお寄せいただき、ありがとうございました。
文・赤石みお イラスト・春野さくら