「まだ字も書けるわけがない1ヶ月の息子からの手紙が届きました」 #あの人に今ありがとう
子育ては楽しいことばかりではありません。一生懸命に子どもと向き合っていると、先の見えない育児のトンネルから抜け出せず、悩み苦しんでしまうときもあるでしょう。
今回ご紹介するのは、そんなときに優しい旦那さんから励ましてもらったママたちの、心温まるエピソードです。
あなたは誰かに、心の支えとなるような言葉をかけてもらった経験がありますか?
「あなたが子育てのパートナーでよかった」
『実母が白血病の闘病中で、里帰りも叶わず甘えられる状況ではなかった第一子の産褥期。義実家の両親も仕事があるため頼りにはできず、夫の帰りも遅い。それでも、保育士の私は周囲から「仕事柄、なんでもできるでしょう」「プロだから心配ないね」と言われ続けていて、もともと雑で手抜きが得意なゆるい性格だったはずが、育児を完璧にこなさなければいけない、失敗は許されない、弱音を吐いてもいけない……と追い込まれていました。 赤ちゃんが延びた爪で自分の顔を引っ掻いて傷ができた、鼻水が出ている、母乳がうまく吸えない、体重が増えない、向き癖があって頭の形がイビツ……その全ては私のせいで、「プロなのに」ってみんながっかりしてる、なんて感じていました。
そんな時に、ゆるーい性格の夫が、「死ななきゃいいんだよ、死ななきゃ」と笑って一言。「なんだこの余裕は!」と驚きつつ、「そうだよな~、とりあえず生きてる。今日も明日も生きていれば、親合格ということにしよう!」と、ふっと肩の力が抜け、本来の自分の適当さを取り戻せました。そこからは、「保育のプロでも親は初心者!」と割り切り、小さなことでも自分を誉め、気持ちよく子育てすることができました。
あなたが子育てのパートナーでよかった。役割分担には大きな不満がありますが(笑)。ずっとずっとそのおおらかさで私とこどもたちを見守っていてくださいね。(20代後半 女性、加筆・修正の上掲載)』
「私に自信を持たせてくれて、私自身を認めてくれて本当にありがとう」
『3歳の娘と1歳半の息子の母です。息子が動きたい盛りで手を焼いていて、つい大きな声で怒ってしまうことが増えてきたのですが、その度に娘が「ねぇママ、○○(息子の名前)君、可愛いねぇ」「ママも可愛いよ」「ママいい子いい子」と私の頭を撫でてくれるようになりました。こんな小さな娘が私の感情を読み取っていることに驚いたと同時に、気を使わせてしまっていることに申し訳なさを感じました。
その夜主人に娘の話をして、子どもに気を使わせるなんてダメな母親だよねと弱音を吐いたところ、「そんな発言ができて、気遣いができる優しい子に育ててくれたのは君だよ。君のおかげで優しい子に育ったね。いつもありがとう。だから自分の育児に自信を持っていいんだよ」と言われた瞬間、すごく胸がすっとして、自分のしてきたことに自信を持つことができました。
答えのない育児に戸惑いや不安を感じ、知らず知らずのうちに良い母親にならなきゃと思ったり勝手に焦っていたりした私に、自信を持たせてくれて、同時に私自身を認めてくれて本当にありがとう。(30代前半 女性、加筆・修正の上掲載)』
まだ字も書けるわけがない生後1ヶ月の息子からの手紙
『初めての育児。初めての土地。旦那の地元に嫁いできて私の地元から遠く離れています。周りに誰もいない、相談する人もいない。一人ぼっちで自分と子どもだけが取り残された感じがしました。
ある日、子どもが夜泣きして全然寝なくて泣きじゃくってどうしたらいいかわからなくて、追い込まれているときの夜。まだ字も書けるわけがない1ヶ月の息子からの手紙が枕元においてありました。
それは旦那が書いてくれたもので、少しでも育児を楽しく、またノイローゼにならないように気遣ってくれる内容でした。 この子には、私しかいないし子育てが大変でも息子と旦那がいてくれたら大丈夫。そう思えました。手紙を見て、泣きました。 本当にいい旦那の子どもを授かれて世界一幸せです。
ありがとう。家族三人仲良くいようね。愛しています。(20代後半 女性、加筆・修正の上掲載)』
慣れない育児に奮闘していると、思い通りにいかないイライラや不安な気持ちが積み重なっていってしまうこともあるでしょう。そんなとき、子育てのパートナーである旦那さんからこんなふうに励ましてもらえたら、きっと「また明日も頑張ろう」と元気が湧いてきますね。
貴重な体験談をお寄せいただいた皆様、ご協力ありがとうございました。
文・赤石みお イラスト・んぎまむ