毎日の買い物に子どもを連れていくことで「算数力」がアップするワケ #ママが知りたい子どもの教育
「子どもの算数の力を伸ばしたいなら、毎日のお買い物に一緒に連れていくことをおすすめします」。こう話すのは「花まる学習会」の松島伸浩先生。これを聞くと「え~! 子どもを連れていくと、あれ買ってこれ買ってといって大変!」というママの声が聞こえてきそうですね。
実は算数、とくに計算力がついている子どもは「あれ買ってこれ買って」とは言いません。それどころか瞬時に安い食材を選んでくれるとっても頼もしい助っ人になるかもしれませんよ。「花まる学習会」松島伸浩先生の『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』から一部をご紹介します。
松島先生いわく、「買い物には、算数の学習に役立つ教材がたくさんあります。たとえば、足し算、引き算、かけ算、わり算などの四則演算はもちろんのこと、つまずきやすい“単位量あたりの大きさ”や“割合の計算”の学習につながることも多いです」とのこと。4つのポイントに絞ってお伝えします。
1、スーパーに行くと暗算力が身につく
「1袋200円のじゃがいもを2袋買ったらいくらになる?」「1つ148円のお菓子を3つ買ったらおおよその金額はいくら?」など、足し算やかけ算の計算、おおよその数を出すことで算数の学習につながります。自宅にいるときはノートに書いて計算する子もいるかもしれませんが、スーパーでは暗算で考える癖をつけます。暗算を繰り返すことで計算が早くなり、算数の力がついてくるのです。
2、にんじん1本の値段はいくら?
1本あたりの値段を比べることで、「単位量あたり」の大きさを意識することがでるようになります。「3本150円のにんじんと4本200円のにんじん、1本あたりの値段が安いのはどっち?」と、子どもに質問してみましょう。その場で答えられなくても大丈夫ですよ。家に帰って、先ほどの質問を紙に書き出してみることで子どもも理解しやすくなります。少し大きくなったらお使いを頼むといいでしょう。安くておいしそうな食材を見つけて買ってきてくれる、頼もしい存在になりますよ。
3、3割引きと30%オフ、どう違うの?
スーパーに行くとよく見かける「3割引き」や「30%オフ」という文字。大人からしたらどちらも同じ割引率だとわかりますが、子どもからしたらどう違うのかわからないこともあります。そんなときは、実際に元の値段から、それぞれどれくらい引かれるのか、親子で一緒に考えてみましょう。歩合や百分率を考える問題は、子どもがつまづきやすいところです。〇割引、〇%引きなど、買い物を利用してうまく身に着けてあげたいですね。
4、家計簿をつければお金の管理も身につく
買い物から帰ったら、子どもと一緒に家計簿をつけてみましょう。レシートを見ながら「牛乳1本198円で、2本買ったよね。卵は210円。お菓子は200円」など、物の値段を確認することが数字に興味を持つキッカケになります。
また家計簿をつけることで、お金の大切さや管理の仕方も身につきます。最初こそお菓子などを欲しがるかもしれませんが、一緒に家計簿をつけることで物の値段を知り、物の大切さを感じることで、自然とお菓子を欲しがる回数も減ってきます。
スーパーの買い物で算数の計算力がアップし、お金の管理まで学べて、一石二鳥。「毎日の買い物に子どもを連れていくのが大変」という場合は、週末の時間があるときに一緒に行くだけでも効果はありますよ。
文・長瀬由利子 編集・北川麻耶