ネットで「原因」を探さないで!流産後に心がけたいこと、すべきではないこと
授かった小さな命が自分のお腹の中で絶たれるのは、あまりに辛く悲しいもの。流産の原因は胎児の染色体異常や遺伝子病によるものがほとんどだと言われているものの、流産をしてしまうと妊娠を継続できなかった自分を責めてしまいがちになってしまいます。
筆者は20代で後期流産を経験しました。流産後に心がけたいことや、しなければよかったことなどを紹介します。
「流産後は休んでいい時間」流産した後に心がけたいこと
流産直後は心身ともに傷つき、疲弊している状態なので、とにかく身も心も休むことが最優先です。
横になり、好きなものを食べ、好きなテレビや映画をとことん見て、家事はサボる。今すぐにはできないのだから、妊娠のことはしばらく考えない。安静にする期間が過ぎたら、外に出て妊娠中にはあまりできなかった趣味や運動、DIYや習い事などを始めてみるのも◎。上の子がいる場合にはなるべく旦那や両親、アウトソーシングで家事や育児を頼ってくださいね。
また友達に流産の辛い気持ちを吐露したくなったら、そのときだけは甘えて話を聞いてもらうことも良いでしょう。旦那との会話とはまた違った心のケアになるはず。自分だけで抱え込まず、泣きたいときは思いっきり泣き、辛いときは辛いことをしっかり夫や友人など外に吐き出す。そんなデトックスも前を向く1歩になります。
筆者は、流産とは赤ちゃんが「ママ、しばらく休んで良いよ」と伝えてくれたものだと思っています。上記のように過ごしていたら、時間が経つにつれて、周りの温かい支えに感謝でき、次に向かうことができました。私の場合は“時間”が解決してくれました。
「とにかく自分を責めない」流産をした後にすべきではないこと
筆者は流産をしたその日の夜から、ネットで「流産 原因」「流産 20代 確率」「流産 次の妊娠」と検索をかけていました。ショックから立ち直れないまま、流産関連の記事や同じ経験者の声を探し求めては、「私の何がダメだったのだろう」と涙を流し、辛い気持ちに自分で拍車をかけていたのです。
この、“ネットで原因を探す”という行為はしないでほしいと声を大にして言いたいです。実際に不育症やその他の原因を特定する検査は、流産直後すぐにできるものでも結果が出るものでもないので、落ち着いた頃に考えればいいこと。またネットには不確かな医学情報もあります。そんな中、ネットで答えのない原因を探していけば、自然と自分を責める方向にいってしまいます。ママが自分を責めたり後悔をしたりしては、天国にいった赤ちゃんも嬉しくありませんよね。とにかく自分を責めることはしないでいただきたいです。
また、子どもが産まれた他人を恨めしく思うこともあるかもしれません。筆者も芸能人の妊娠や出産のニュースを目にしては、嫉妬や憎しみの気持ちが強くこみ上げていました。このときはネガティブな気持ちで筆者もすごく苦しみました。ママタレントのブログや子どものいる友人のSNSを頻繁にチェックしていた人は、流産直後しばらくはネット自体を見ないことをおすすめします。
早く次の妊娠に向かいたいがために、旦那にプレッシャーを与えすぎるのも気を付けてください。流産が辛いのは旦那さんも同じ。「流産後の家族計画はまずは生理が来てから」とよく言われますが、この期間は次の妊娠まで夫婦でゆっくりと過ごせる大事な時間でもあります。気持ちばかりが焦って夫婦の気持ちのバランスが崩れることは避けたいですね。
旦那やお医者さんから言われて納得した言葉
筆者の場合は母子手帳も交付され、分娩予約も終えた安定期直前のタイミングでした。両親や親密な友人にも妊娠を祝福されていたので、流産の報告はとても辛かったです。
その中でも旦那やお医者さんから言われて納得した言葉がありました。
「お花や植物の種も、日光や水など同じ条件を与えたとしても元気に芽が出るものもあれば出ないものもある。命の誕生はそれだけ不確実であり、流産は何のせいとは言い切れない」(お医者さん)
「妊娠というのは基本的に母体を危険な状態にしないよう、母体を守るようにできているんだって。赤ちゃんが君の体を守るために自ら命を閉じてくれたんだから、僕は君が無事だったことに対して赤ちゃんに感謝をしているよ」(旦那)
流産はとても辛く悲しく、できれば経験したくないもの。ですが、その経験を乗り越えることでママはより強く、優しくなることができます。
流産はママのせいではありません。流産をしてしまったときや周りに経験したママがいる場合に、筆者の体験がすこしでも参考になれば幸いです。
文・AKI イラスト・おんたま