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あの逸話の鳥は「コウノトリ」ではなかった!?赤ちゃんを運ぶ「鳥」の正体とは

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「赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくるのよ」と聞いたご経験、ありませんか? 自分が子ども時代に、母親に教えられた、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

ところが筆者は先日、「赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくる」という話に間違いがあることを知りました。実は赤ちゃんを運んでくる鳥は“コウノトリ”ではないようなのです。ではこの逸話はどこからきたのでしょうか?

「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」という逸話は北ヨーロッパの信仰

日本大百科全書によると、この伝承は北ヨーロッパの「コウノトリがこれらから生まれる赤子の霊魂を運んでくる」という信仰にあるそうです。北ヨーロッパでは沼や池、泉などの水の中、あるいは岩山の洞穴から赤ちゃんをみつけてくると言われています。ドイツではコウノトリが自宅の上を飛ぶのは赤ちゃんが産まれる前兆と言われ、デンマークやオランダなどではコウノトリが屋根に巣を作ると縁起がいいとされています。

これが日本でいわれる“コウノトリが赤ちゃんを運んでくる”というお話の由来です。

赤ちゃんを運んでくる鳥は「コウノトリ」ではなく「シュバシコウ」

ではなぜ赤ちゃんを運んでくる鳥は「コウノトリ」ではないのでしょうか? 同じく日本大百科全書によると、赤ちゃんを運んでくる鳥は「コウノトリ」ではなく「シュバシコウ」という鳥なのだそうです。この「シュバシコウ」という鳥が日本で生息している「コウノトリ」によく似ていることから間違えられたのではないか、と言われています。

「コウノトリ」と「シュバシコウ」は同じコウノトリ目コウノトリ科の仲間で、見た目がよく似ています。それぞれの鳥の違いは、コウノトリのくちばしが黒いのに対し、シュバシコウのくちばしは赤いのが特徴。シュバシコウが“赤いくちばしのコウノトリ”という和名をつけられていることから、近似していることが推測していただけるかと思います。

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写真は「シュバシコウ」

赤ちゃんを運んでくる鳥は、日本では「シュバシコウ」と呼ばれコウノトリとは別もの。日本で広まるときに、シュバシコウがコウノトリに入れ替わってしまったようなのです。

今後はお子さんからの「赤ちゃんはどこからやってくるの?」という問いに、「コウノトリさんが運んでくれるんだよ。でも本当はシュバシコウっていう鳥なんだよ」なんて雑学を披露してみるのも面白いかもしれませんね。

文・沖田かへ

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