いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

まるで”タッチパネル”!?音で物語をつむぐ絵本『おとえほん』

日々の育児の中で子どもにスマートフォンやタブレットなどを与える場面もあるかと思います。でもやっぱり、わが子がタブレットなどに触れる時間が長いと、「本当に良いのかなぁ」と疑問を感じるのもママの正直な気持ちかもしれません。

今回ご紹介する”絵本”はそんな日々の悩みから解消されるかも? 「タッチパネルの操作はお手の物」という子どもたちにもぜひオススメしたい『おとえほん』のご紹介です。

想像力を刺激 フランスの絵本作家が送る新感覚絵本

『おとえほん』は、フランスの絵本作家エルヴェ・テュレさんによる”新感覚絵本”シリーズの第4弾。記念すべき第1弾は、世界的ベストセラーとなった『まるまるまるのほん』という絵本です。
『おとえほん』
『まるまるまるのほん』は、「絵本のなかの”まる”をクリック」などの指示にしたがっていくと、読み手の想像力次第で”まる”の色が変わっていたり、数がふえていったりとページをめくるドキドキを味わえる一冊です。

第1弾『まるまるまるのほん』(2017年10月発売)から第4弾『まるまるまるのほん』までの翻訳を手がけたのは、現代詩の第一人者として著名な谷川俊太郎さん。谷川さんは『まるまるまるのほん』の魅力を、

『タブレットなどであそべるものを、わざわざ紙の絵本にしたところ』

としたうえで、こう語っています。

『僕は最初、「タブレットがあるんだから、これは売れないよ」と言っていた。だけど、すごく売れたわけですね。(中略) 絵本のなかの”まる”は実際には紙の上では動かないわけだけど、自分が動かしたつもりになってページをめくっていくというのは、(タブレット操作のたのしさとは)まったく別の喜びなんだということが分かりました』(『いろいろいろのほん』刊行記念 エルヴェ・&谷川俊太郎 トークショー&サイン会より)

谷川さんもド肝を抜いたテュレさんの絵本、わが子と開いてみたくなりませんか?

第4弾のテーマは「音」!絵本をタッチしてあそぶ『おとえほん』

『おとえほん』
第1弾『まるまるまるのほん』、色であそぶ第2弾『いろいろいろのほん』、そして”きいろいまる”と冒険する第3弾『あそぼ』につづき、出版された第4弾が『おとえほん』。絵本のはじまりは、”あおいまる”がひとつと、

「やあ、いっしょにあそぶ?
じゃあ、このまるに ゆびを あてて ぽん!

というメッセージ。「ぽん!」と声を出して、”あおいまる”をタッチし、ページをめくると、次は小さい”あおいまる”が登場。”あおいまる”は急いだり、寒いところで震えたり。”あかいまる”や、”きいろいまる”が登場して、けんかしたり、トランポリンであそんだり。色がまざって、紫・オレンジ・緑になったら、どんな色かを想像させてくれたり……。

『おとえほん』は「どんな音を・どんな強さで・どう鳴らすか」は、読み手次第なのです。「想像するたのしみ」や、「絵本の物語創り」に関わる喜びを味わうことができます。ついスマホ・タブレットなどを多用してしまう育児。タブレットはあらかじめプログラムされた反応が返ってきますが、『おとえほん』ならタッチした後の反応はあなた次第。想像力も刺激するこの”新感覚絵本”が育児に新鮮な風を吹き入れてくれるかもしれませんよ。

『おとえほん』

作:エルヴェ・テュレ / 訳:谷川俊太郎
定価:本体1300円+税
発売年月:2017年10月
発売元:(株)ポプラ社

 

文・福本 福子

関連記事

わが子が主役のオリジナルストーリー絵本『だれか なまえを みなかった?』
幼いころ、手にした絵本にたまたま自分と同じ名前の主人公を見つけると、飛びあがるほど嬉しかったなんていう経験はありませんか? 絵本のなかで、あたかも自分自身が活躍しているようなワクワクとドキドキ、それは...
わが子の”ありのまま”を受けとめたくなる絵本『はなのすきなうし』
私の理想のおかあさんは、『はなのすきなうし』という絵本に登場する”おかあさんうし”です。 「子どもは3歳までに一生分の親孝行をはたす」と聞いたことがあります。たしかに現在5歳の息子がもっ...
胎内記憶のある子どもたち100人の話を聞いて作られた絵本『このママにきーめた!』
みなさんは「胎内記憶」という言葉をご存じですか? 胎内記憶とは、子どもがママのお腹の中にいた頃の記憶のことです。子どもによっては、おはなしが上手になる2~4歳くらいのときに、胎内記憶を話してくれ...