離乳食の冷凍保存、気をつけることは?【朝ごふんコラム】
子どもの安心・安全について気を付けたほうが良いことを「朝5分」で家族で話し合う「朝ごふん」プロジェクト。今回話し合って欲しいテーマは、離乳食の冷凍保存について。葉物野菜を使った離乳食は傷みやすいので早めに食べきる、自然解凍しても与える前には一度加熱処理をするなど、離乳食を冷凍保存するうえでの注意点について消費生活アドバイザーの古谷由紀子先生に伺いました。
消化器官が未発達な赤ちゃんには加熱した離乳食を
――離乳食を作るとなると、野菜をやわらかくゆでて、裏ごしして、ペースト状にして……と手間がかかります。子どもから目は離せないし、家事もしなければいけない。離乳食を一度にまとめて作り、小分けにして冷凍保存しておけたら便利ですよね。離乳食を冷凍保存する際に気をつけることはありますか?
古谷:消化器官の未発達な赤ちゃんにあげる離乳食は、火を通したものをあげてね。そのうえで、冷凍する場合は粗熱を取ってから冷凍庫に入れること。なぜかというと、熱いものをそのまま冷凍庫に入れてしまうと、冷凍庫内の温度が上がってしまうため、食品が傷む可能性があるからよ。もちろん、食べ残しや一度解凍したものを冷凍することもやめてね。
――野菜のペーストなどは、製氷機に入れて凍らせることがあります。そのまま冷凍庫にいれておいても大丈夫ですか?
古谷:製氷皿に入れて冷凍できたら、保冷袋に入れて保存しましょう。空気に触れると乾燥して水分がなくなり味が落ちるので、保存の際には保冷袋に入れておいたほうがいいわよ。
水分が多い離乳食は1週間を目途に食べきること
――冷凍庫での離乳食の保存期間はどれくらいですか?
古谷:1週間くらいと考えたほうがいいわね。大人が食べるものだったら2~3週間保存しておいてもいいけど、離乳食は水分が多いから傷みやすいのよ。それから離乳食に使っている具でいえば、根菜よりも葉物のほうが保存時間は短いの。根菜を柔らかく煮てペースト状にしたようなものなら1週間くらいは大丈夫だけど、ホウレン草や小松菜など、葉物野菜を使った離乳食を冷凍保存するときは、早めに食べきるように心がけてね。
――冷凍した離乳食の上手な解凍の仕方を教えてください。
古谷:基本的には冷蔵庫のなかでゆっくり解凍すること。ただ、時間がないときなどは電子レンジを使ってもいいわよ。他にも具材をスープに使う場合は解凍と加熱調理を同時にする方法もあるわ。ママによっては「毎回手作りする」という人もいるかもしれないけど、あれもこれもとがんばりすぎなくていいの。毎回手作りしているんだったらたまには冷凍して、急いでいるときや用意した分よりも食べたがるときに、電子レンジで解凍して食べさせたりしたっていいのよ。
解凍したものを食べさせるときは一度加熱をしてから
――一度冷凍したものを自然解凍しただけで食べても大丈夫ですか?
古谷:それはやめたほうがいいわね。雑菌が繁殖する危険があるの。最近、「自然解凍して食べられます」とパッケージに書いてあるものもあるけど、これは、企業が厳しい衛生管理や温度管理のもとで作っているので大丈夫だけど、一般の家庭ではそこまで製造・管理できないでしょ。赤ちゃんに限らず大人でも自家製の冷凍食品を自然解凍で食べるというのはやめたほうがいいわ。だから、自宅で冷凍したものを使う場合は、必ず一度加熱してね。とくに赤ちゃんの場合は消化器官が未発達なので、加熱をすること。このことを覚えておいて。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムでは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
ほかにも、「肉や魚、野菜などの食品の保存方法について」などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。
朝ごふんコラムを読む