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これって間違い?肉や魚、野菜の正しい保存方法を知っていますか?【朝ごふんコラム】

※2017年9月時点の情報です。

食品保存1

子どもの安心・安全について気を付けたほうが良いことを「朝5分」で家族で話し合う「朝ごふん」プロジェクト。今回のテーマは、肉や魚、野菜などの食品の保存方法について。パックに出たお肉の汁は料理に使っていいの? 農薬が気になる野菜はどこまで洗うべき? 消費生活アドバイザーの古谷由紀子先生に伺いました。
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食品トレーに残った赤い液体は捨ててから小分け保存

――お肉を買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れています。ただ、使おうと思ったときに見ると赤い汁が出ていることがあります。お肉から出た汁は使っていいのでしょうか?

古谷:パックに入っているお肉の汁は捨ててね。肉から出た汁は、肉の中の水分に混じっていたミオグロビンが溶け出したもの。ミオグロビンは血液中で酸素を運搬するヘモグロビンとよく似た色素たんぱく質で赤く、ほとんどが水分なの。肉を解体する際に血液はほとんど取り除かれるけど、時間がたつとどうしても出てくるの。新鮮なものほど赤い液体が出ていないということ。また自宅で保存するときは、この液体を必ずふき取ってから保存してね。冷凍した肉を解凍したときもこの液体が出ているのでふき取ってから調理してね。
ミオグロビンは旨味成分で肉の細胞内にあるときはいいけどが一度出てしまったものを使ってもおいしくならないので注意してね。

――買ってきたお肉をパックのまま冷凍庫に入れてはいけないということですか?

古谷:そうよ。まず液体が出ている場合は、必ずふき取っておくこと。そうしないと肉が水っぽくなってしまったり雑菌が繁殖したりすることも考えられるので注意してね。使う分を小分けにしてラップやビニール袋、保存袋に入れて、空気に触れないような状態で保存するといいわ。また冷凍保存したものは1カ月を目安に使い切るといいわね。

ブロック肉よりもひき肉のほうが傷みやすいワケ

――お肉は空気に触れる面積が広いほど傷みやすいって本当ですか?

古谷:本当よ。空気に触れたところから傷んでいくので、ブロック肉よりもスライス肉、スライス肉よりもひき肉という順番に傷みやすくなっているの(※1)。

(※1)参考:農林水産省「肉類の扱い方」

――ひき肉は生のまま冷凍保存できますか?

古谷:ひき肉は空気に触れる面積が多すぎるので冷凍保存には向かないわね。冷凍保存する場合は、一度加熱して冷ましてから冷凍保存してね。砂糖と醤油で甘辛くしたり、カレー風味やタマネギと一緒に炒めるなど下味をつけておくと、ちょっとした料理に使えて便利よ。

魚は買ったらすぐに内臓処理を。その日のうちに食べるのが基本!

――魚を保存する場合はどんなことに気をつけたらいいですか?

古谷:魚の汁も肉と同様、汁が他の食品につかないようにすること。魚は内臓をつけたままだと腐敗しやすいから、流水でよく洗った後、内臓を取ってその日のうちに食べる。これが基本よ(※2)。小さなお子さんがいて、帰ってすぐに調理できないという場合は、スーパーの鮮魚売り場の人に頼んで内臓だけを処理してもらっておくのもいいわね。鮭の切り身は塩をつけるなどして加工してあるから、ラップなどにくるんでそのまま冷凍保存しても大丈夫。

(※2)参考:農林水産省「魚介類の扱い方」

野菜は調理するまえによく洗うことで菌を大幅に減らせる

食品保存2

――野菜は、種類によって常温保存に適したものと冷蔵保存に適したものがあるそうですね。どのように分けたらいいのでしょうか。

古谷:そうなの、種類に応じた保存方法があり、なんでも冷蔵庫がいいわけではないの。じゃがいもやかぼちゃなどの根菜類は常温保存がいいといわれているわ。また保存するときは、にんじんや大根だったら立てたままにしておくなど、野菜が畑で育っている状態を維持できるようにしてあげるといいようよ。今日から試してみてね。

それから野菜を調理する前には、流水で十分に洗いながすこと。それによって野菜に付着している細菌を大幅に減らすことができるの。特に過熱しないで食べるときには丁寧に洗ってね。またカット野菜や葉物野菜などは、菌を増やさないよう低温(10℃前後)で保存(※3)するよう気をつけてね。

(※3):農林水産省「野菜の扱い方」

――野菜に含まれる農薬が心配ですが、大丈夫でしょうか?
古谷:泥などの目に見える汚れはいいけど、残留農薬(※4)は見えないから気になってしまうわよね。『「保存料が入った食べ物は体に良くない」は本当?』の回でも話したけど、残留農薬の基準というのは国で決められているの。市場に出荷する時点で、野菜は安全に食べられる状態で売られているから、気にしすぎる必要はないのよ。むしろ野菜や果物などは自然界で育てているので土や堆肥などに由来するさまざまな微生物が存在しており、無菌状態で作ることはできないからある程度細菌等はついていると考えて、丁寧に洗うなど食中毒を予防することに注意をしたほうがいいわね。

(※4)参考:厚生労働省「残留農薬」

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムでは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
ほかにも、魚の寄生虫、アニサキスなどの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。

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