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金子めぐみ議員「公用車で保育園送迎問題」は職権乱用か?

※2017年7月時点の情報です。

公用車ベビーカー問題

6月28日発売の週刊新潮で、金子めぐみ衆議院議員の「公用車私的流用疑惑」が報道されました。

金子めぐみ議員といえば、妻の妊娠中の不倫で一躍有名になってしまった元・衆議院議員・宮崎謙介氏の奥様ですが……。
あのとき生まれた子も、はや1歳5か月。意思の疎通もできるようになり、イヤイヤ言い出す前の超絶カワイイ天使の時期ではないでしょうか(もちろん個人差はあります)。
そんな愛息の保育園送迎に、総務政務官として使用している公用車で送迎していることを、「週刊新潮」で報道されたようです。

記事によると、
「衆議院第二議員会館地下にある『キッズスクエア永田町』に、日常的に税金で賄われているはずの公用車で送迎している」とのことですが……。

これを読んで「え? アカンの?」と思った私は非常識でしょうか?

だって、金子氏の愛息が通う保育園「キッズスクエア永田町」は、認可保育園ではないものの、共働きなどの理由で「保育に欠ける」子どもが通う“認証保育園”であり、 金子氏の職場にあるいわゆる事業所内保育所だからです。

職場内にある保育所に、通勤のついでに送迎するのが、なぜ悪いのでしょう?

翌日、金子氏は自身のブログで「私的な目的のために、つまり保育所の送り迎えを前提に、公用車を呼び出し使用したというような事実は一切ございません」と述べ、このように反論しています。

通常、子どもの保育所へのお預けやお迎えに関しては、家族で分担しています。夫は仕事があり、母は新潟在住であり足も悪く、また、私自身も不規則で労働時間や休暇の決まっていない仕事であるため、お互いの状況を見ながらやり繰りしてまいりました。私がベビーカーを押して歩いて通うこともありますし、夫が自家用車で子どもの送り迎えをする場合もあります。また、夫婦ではどうにもならない場合には、母に頼み込み、東京まで出てきてもらっている形です。そうしたやり繰りのなかで、私が保育所の送り迎え時間前後に議員会館内で公務があった場合、もしくはその側を通り総務省に参る際には、私がお預けもしくはお迎えを担当した次第です。(金子氏ブログ「週刊新潮による公用車利用に関する記事について」)

このような状況下で公用車を使ってはならないとすると、考えられる選択肢は2つです。

①「保育所(自分の職場)に一旦子どもを預けた後自宅に戻り、公用車で出勤する」
子どもを送ってから自宅へ戻り、もう一度同じ場所に行く? 二度手間はなはだしい! その時間があるならば政治家としてもっと仕事をする時間や、母として子どもと触れ合える時間ができます。

②「一切公用車を使わず、タクシーまたは徒歩で職場へ向かう」
一体何のための公用車でしょうか。公用車は、議員のセキュリティを守る役割も担っているはず。万が一の事故や子どもの誘拐などのリスクを負ってまで、公用車を使うのを止めて徒歩通勤させるのでしょうか。
ならば、公用車は一切廃止して、他の議員も距離1キロと言われる議員宿舎から議員会館までの道のりを徒歩で通うべきです。

公用車で事業所内保育所への送迎がダメとなると、一般企業に勤める人の場合はどうなるのでしょうか。“会社から支給されている交通費”で通勤途中に子どもの送迎することも、寄り道して買い物に行くことも、会社帰りに一杯やっていくことも「公私混同」になってしまうのでしょうかね。

総務省の実際のルールとしては、「自宅⇒私用⇒公務」、あるいは「公務⇒私用⇒自宅」のルートで公用車を使用することは認められているそうです。
ルールで「あり」だと判断されているのに、公私混同だ職権乱用だという方、子育てを何だと思っているのでしょうか?

朝っぱらから肺呼吸を始めて1年やそこらの人間に、どのメニューなら食べてくれるだろうかと苦心して作った朝ごはんを蹴散らされ、何とか機嫌よく支度してもらえるように刻々と時を刻む時計とにらめっこしながら笑顔であやし、いざ出かけようとなった瞬間に限って異臭を振りまくお宝をオムツに産み落とされたときの絶望といったら……。

しかも金子氏の愛息は今年5月に1歳3か月で保育所に入園したばかり。
集団生活を始めたばかりでは、病気もたくさんもらってくるでしょう。
1人目育児で不安ばかり。でも仕事は絶対に休めない。
そしてまもなく誰しもが通るとされる「魔の2歳児」もやってくるはずです。

今後、「公用車に子どもを一切同乗させず、ベビーカーでの通勤やタクシーの利用など考えている」との意向を示している金子氏ですが、
「自分で靴履きたかったーー!」
「自分で歩くんじゃーー!」
「保育園行きたくないんじゃー!」
などと絶叫するイヤイヤ期真っ盛りの幼児を連れて永田町をベビーカーで闊歩するなんて、今度は「金子めぐみ議員、子ども虐待疑惑」なんて週刊誌に書かれてしまうのではありませんか?

夫の事件の印象が強すぎて、ついつい色眼鏡で見てしまいそうになる方もいるかもしれませんが、金子めぐみ議員、実はあらゆる子育て支援に尽力していています。大手乳業メーカーや国とのすれ違いなどからなかなか進まない、乳児用液体ミルクの普及をすすめているのも、彼女です。

ピントがずれた子育て支援ばかり連発する、自分の子どものオムツすら変えたことのない「え?家事なんて女のほうが得意なんでしょ?」的なオッチャン議員方が中心の国会において、金子氏のようにリアルに子育てしている国会議員の声は貴重です。「一億総活躍社会」での女性の社会進出も少子化問題も、当事者の立場をリアルに経験した者の声こそ、解決の糸口になるはずです。

「公用車で保育所の送り迎えはけしからん」
ではなく、
「アカンアカン。公用車で送るなら、ちゃんと公用車にチャイルドシート取り付けといたらなぁ」
くらいの優しさが、国にも世の中にも欲しいものですね。

ちなみに、ある日の金子めぐみ議員のブログで、普段忙しい金子めぐみ氏と夫の宮崎謙介氏が珍しく揃って愛息を保育所へ迎えに行った後姿の画像が掲載されていたのですが、その姿がごくごく普通の幸せそうな一家だったことに、筆者はなんだか拍子抜けしたのと同時に、微笑ましい気持ちにもなったのでした。

彼女の背中のスーツの皴は、働くママの勲章です。

文・桃山順子

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