豊田エリー:第2回 若い年齢での結婚でしたけど、ほかの人には興味がわかなくて
前回は意外にもやんちゃだったという、エリーさんの子ども時代のお話をうかがいました。今回は旦那さまである柳楽優弥さんとの結婚について。21歳で結婚したエリーさんですが、ふつうなら「まだほかに素敵な人がいるかも」なんて考えてしまいそうな年頃ですよね。結婚することに、迷いはなかったのでしょうか?
ご主人とは学生時代からのおつきあいだそうですね?
そうですね。おたがいが高校生の時に知り合いました。向こうが1学年下なので、最初は「かわいい子だな」くらいの印象だったんですけど。あるとき向こうから「友達になりましょう」みたいなことを言われて、連絡先を交換しました。で、そのうち仲よくなって。あ、共通の友達がいたんですよ! 私はその子と同じ中学だったので、その子の友達なら(連絡先を)教えても大丈夫かなと思って。
たしかに見ず知らずの人からいきなり声をかけられれば、驚きますよね。最初の「かわいいな」という印象はそのままでしたか?
私のほうが年上なんですけど、「タメ口でいいよ」と言っているのに最初の何ヶ月間はずっと敬語だったんですよ。メールでもずっと敬語で「~ですね」みたいな。アレ?って思いましたけど、丁寧なので「なんかおもしろい人だな。イイコだな」って思いました(笑)。
そこから数年で結婚されたわけですよね
結婚前に4年半くらいつきあってからですね。若いなりに「将来は結婚しようね」みたいなことは言っていたので、それが現実になったというか。若いころって、みんなそんなことを口にするじゃないですか?
そうですね。でもそれが現実にならない人がほとんどですよ
ははは。ですよね(笑)?
「もうちょっといろんな経験をしてから」とは、思わなかったんですか?
それがあんまり……ほかの人には興味がなくて(笑)。21歳で結婚したんですけど、20歳のときに一度別れているんですよ。お酒を飲みに行ける年齢だったので、飲みの席へのお誘いなんかもあって。そのときは「誘いは絶対に断らない」って決めていたんです。たとえもう寝る準備をしていても、誘われたら行く!っていう。で、実際に何度か行ってはみたんですけど、そういうところで仲よくなってもなんだか虚しいなぁ……って。そうしていろいろ遊んでみても、いったい何が残るんだろう?って思ったんですよね。
すでに悟りが! ひと通り遊んだあとならわかりますけど
彼と別れていた数ヶ月間のことですね。実際そのとき知り合った人で今も連絡を取っている人は、ひとりもいないですから。本当に何も残らなかったんですよ。
「何も残らないな」という実感だけは、残ったわけですね
あ、そうですね。今「遊びたい!」とはあまり思わないですもんね。「どこかに行きたい!」とは思うけど、知らない人たちがいるところに自分から進んで行こうとは思わない。そういう好奇心はもうなくなっちゃいましたね。お酒を飲んでノリで会話して、なんていうのは自分には合わないとよくわかりました。
早い時期での結婚ということで、ご両親からは何か?
たしかに親からは「早いんじゃないの?」とは言われましたけど、反対はされなくて。それまで長くつきあっていましたし、「任せる」と言ってもらいました。それに若いとはいえ大学生同士とかではなくて、彼も私も仕事をしていたので。そういう安心感は親にもあったかもしれない。
今、ご結婚何年目ですか?
えーと、7年目です。あっという間ですね。
子どもがいると、とくにそう感じますよね。お子さんができてから、旦那さんは変わりましたか?
子どもの成長とともに、意識が変わっていっている感じはあります。向こうは私よりさらに若いわけなので、最初は「どうしよう」みたいなこともあったかもしれない。でも子どもの成長とともに責任感が芽生えて、どんどんパパらしくなっていった感じはあります。「子どものために」とか「家族のために」みたいな言葉が、ちょこちょこ出てくるようになったし。「家族のために、仕事も頑張る」みたいな意識はあると思います。もともと自分がやりたくてやっていた仕事だったけれど、結婚して子どもができるとそれだけじゃない、っていう。それはすごく感じます。
子育ての手伝いはしてくれますか?
赤ちゃん時代はおむつを替えたりとか。でも私もそうだったんですけど、赤ちゃんを扱うのにドキドキしちゃって「壊れちゃいそう」みたいな感じはあったので、ちょっと大きくなって一緒に遊べるようになってからのほうが関わってくれることは増えたと思います。ひとりで面倒みてくれたり。
何年前かに、私が仕事で10日間くらい家を空けなければいけないことがあったんですよ。でもそのときも、ちゃんとひとりで面倒をみてくれました。
それはすごい! 頼れるパパですね。
あ、後半はおばあちゃんを呼んでいたみたいなんですけど(笑)。でもはじめの1週間くらいは、自分だけでやっていたようですね。「◯時に保育園」みたいなメモ書きは残していきましたけど、ごはんもちゃんと作ってくれて。オムライスが得意料理みたいで、そのときはオムライスの登場回数がすごかったらしいです(笑)。当時のことが「自分ひとりでも大丈夫」っていう自信になったかもしれないですね。今は子どもも小学生になったので、よけいにまったく大丈夫です。
小さな子を10日間もパパに任せる──普通なら自分の実家にヘルプを頼みそうなところですが、いかにエリーさんが旦那さまを信頼しているかがわかりますよね。
さて次回はパパとしての柳楽さんの意外な顔、そして妊娠がわかったときのふたりの喜びへと話が続きます。お楽しみに。
取材、文・鈴木麻子 撮影・泉三郎