北海道でも起きる!? GW、おでかけ時に注意したい熱中症対策【朝ごふんコラム】
GWもまっただなか! お天気にも恵まれ、子どもたちを連れておでかけするパパやママも多そうですね。この時期気をつけたいのが熱中症対策。昨年5月には熱中症で2,788人もの人が救急搬送されています。最も多いのは高齢者ですが、7歳未満の乳幼児でも59人も搬送されています。実は、この熱中症は「まさか!」と思うようなところで起こっているのです。今回は、GWの熱中症対策についてお話しします。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表、出口貴美子先生にお話をお伺いしました。
熱中症になりやすい場所は?
よく「熱中症になりやすい場所は?」と聞かれますが、はっきりいってこの時期はどこでも起こります。「家の中なら大丈夫」と考える人がいるかもしれませんが、これは大間違い。閉め切った家の中では風通しが悪く、湿度も高くなり、熱中症が起こりやすくなります。
子どもの皮膚はとても薄く、大人よりも暑さ寒さを感じやすいもの。また、汗腺が未発達のため汗を出して体温調節をするということができません。そのため、お部屋の温度や湿度をチェックして、暑い時はまめに水分補給やお部屋の空気を入れ替えたりする必要があります。そして、水分補給も忘れずに!
北海道でも5月で救急搬送された人が4倍増!
地域の気候によっては、湿度が低めだったり、日差しがそれほど強くなかったりして、熱中症になりにくいところがあるかもしれません。しかし、油断は禁物。
一般的には、夏でも涼しくて過ごしやすいとされている北海道ですが、注目すべきデータが出ています。平成27年5月に救急搬送された人数は26人だったのにも関わらず、平成28年5月は102人と、約4倍も増えています。
住んでいる地域に関係なく、日差しが強い日や湿度が高い日は、どこでも熱中症になる可能性があると認識しておきましょう。
車のカギの管理は大丈夫? 車内の温度は50度に!
熱中症で怖いのが、「子どもの車中置き去り」。「買い物をするほんの少しの間だから」と数分でも車内に残してしまうと、熱中症になる可能性が十分にあります。晴れた日に車外の気温が25~27度の時、車の窓を閉めると車内の温度は50度にもなります。
このところ私の病院の駐車場で、車の外にお母さんが締め出されてしまうケースが立て続けにありました。先にお母さんが降りて、そのあと子どもを降ろそうと車内にスマートキー(電子キー)を置きっぱなしにしていたところ、子どもがキーを触って中からロックがかかってしまったんです。慌てて業者を呼んだものの、最近の車のカギはプロからしても開けづらいらしく、時間がかかり、暑くて泣き叫ぶ子ども見て、命に関わることもあるのでかなりヒヤヒヤしました。5月にもかかわらず車内温度は上昇することがあります。このようなことも実際に起きています。車のカギの管理は十分に気をつけてください。
こんな症状は熱中症のサインかも!?
子どもが熱中症にかかった場合、お顔が真っ赤になって、体温が高くなり、ぐったりしてきます。
この点を注意してみてあげてください。子どもは体調の悪さを伝えることができません。このような症状が現れたら、すぐに対処が必要です。
普段の水分補給は麦茶と水! でも、暑い日のおでかけには……
暑い日のおでかけには、「経口補水液」を持っていくことをおすすめします。ドリンクタイプとゼリータイプがあるので、子どもの飲みやすいほうを与えてください。遊び疲れて食欲がなくなったときなどのために持っていくと便利です。
気をつけたいのが、塩分の低い一般のスポーツドリンクを、水やお茶代わりに与えないようにすること。一般のスポーツドリンクの飲みすぎで水中毒になったり、糖分も入っているので、それが虫歯の原因になることもあります。
「今日のおでかけは暑くなるかもしれない」というようなときは、熱中症予防に、「経口補水液」を持って出かけましょう。
大人の都合で連れまわしていませんか?
熱中症になるには、必ず原因があります。動物園、テーマパークなどを大人の都合で長時間連れまわしていると、ぐったりしてしまうことがあります。よく上の子に合わせて下の子も連れていってしまいますが、こんな時はいつも以上にこまめな休憩と水分補給が必要です。また、ベビーカーにはファンをつけてあげるなど、少しでも涼しく過ごせる工夫をしてあげましょう。
また、忘れがちですが、外出するときは子どもに日焼け止めをお忘れなく!子どもは大人と比べて皮膚が弱いので、大人のように肌に吸着するタイプは使えません。SPF20くらいの子ども専用のものを使ってください。
家族そろってのおでかけが増える行楽シーズン。こまめな水分補給や休憩で、子どもを熱中症から守って、家族全員、ハッピーなGWを楽しく過ごしてくださいね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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