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公共機関でのベビーカー利用。事故が起きるのはこんな時!【朝ごふんコラム】

※2017年4月時点の情報です。

ベビーカー①
昨年、地下鉄で列車のドアにベビーカーが挟まれた事故をおぼえていますか? ベビーカーはホーム上を100m引きずられ、ホーム端の柵にぶつかり大破しました。さいわい赤ちゃんは乗っていなかったこともあり、誰も怪我はしませんでした。
消費者庁にはこの事故のほかにも、公共交通機関におけるベビーカー利用時の事故情報が医療機関からたくさん寄せられています。今回は、ベビーカーでの事故についてお話しします。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお話をお伺いしました。
出口小児科医院院長 小児科専門医 出口貴美子先生の紹介画像

「電車からホームに降りる時、段差に引っかかり、ベビーカーごと前方に回転するように転落。唇を打撲、受傷」(1歳)

「電車に乗り込もうとした際、子どもがベビーカーから立ち上がり転倒。電車とホームの隙間に落ちそうになった。ベルトをつけていなかった」(1歳)

意外と忘れがち! 乗降車前の安全確認が事故を防ぐ

交通機関でのトラブル回避の第一は、時間に余裕をもって行動すること、慌てないことが大切です。気が焦ってしまうと、無理な乗車につながるだけではなく、いつもは行っている安全確認がおろそかになることも。
電車やバスの乗り降りの前に行うべき安全確認は、ベビーカーのシートベルトが正しく装着されているかどうかです。着用したつもりでもできていなかったり、ベルトの片方が肩から外れてしまっていたり、ということもあるので、乗り降りの際には必ず確認しましょう。

電車を待つ間のベビーカーの止め方に注意

もう1つ気になるのが、電車を待つ間のホームでのこと。人によってはベビーカーを線路に向けたまま止めている方がいますが、それは非常に危険です。もうすぐ電車がくるからスムーズに乗れるように用意しているのかもしれませんが、駅によっては傾斜になっているところもあります。ベビーカーを止めるときは、ホームと平行に置くことで、万が一の線路への転落事故を防げます。

「ベビーカーをたたまずに乗車」で責められたパパ

日本では、公共機関でベビーカーを使用していると、他の乗客から責められることがあります。電車の中でのベビーカーは「じゃまだからたため」と非難するのではなく、守るべき対象です。
以前、若いお父さんが子ども2人を連れて電車に乗ってきたことがありました。一人の子はベビーカーに乗せていたのですが、それを見た若い女性が車内でベビーカーを使っていることに対して文句を言っていたんです。そのことで文句をいうのではなく、手伝ってあげたらいいのに……と、とても残念な気持ちになりました。
周りの人はベビーカーを使っている人をみたら、一言声をかけて手伝ってあげる思いやりを持ってほしいなと思います。

手伝ってもらったら感謝の気持ちを伝えましょう。お互いさまの気持ちも忘れずに。

ベビーカー②
一方で「せっかく声をかけたのに、けっこうです!といわれた」なんていう男性の声を聴くこともあります。お母さんからしたら相手を警戒してのことなのかもしれません。せっかく声をかけてくれているので、断るにしても思いやりのある断り方をしてほしいなと思います。
また、人によっては「他人に迷惑をかけちゃいけない」なんて思うこともあるかもしれませんが、子育てをしている時は、みんなお互いさまだから甘えちゃっていいんですよ。
そのかわり自分の子どもが少し大きくなって手が空いたら、今度は困っているお母さんに手を貸してあげる。そんな循環ができるといいですね。

ベビーカーに子どもを乗せて交通機関を利用するときは、時間に余裕を持ちましょう。時間がないと気持ち的にも焦って、それが思わぬ事故につながります。時間に余裕を持って行動することで心に余裕が生まれ、安全な利用につながるのです。
春爛漫のこの時期、気持ち良くおでかけができるといいですね!

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。

ほかにも、チャイルドシート・公園の遊具での事故 などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます
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出典:消費者庁

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