いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

<子どもと生成AI>「危ないから禁止」は逆効果?親が知っておきたい3つのクセとルール10か条

281_小学校_加藤みちか
最近よく耳にする「AI」や「生成AI」。生成AIを使うのは大人だけではありません。わからない言葉を調べたり、算数の問題の解き方を教えてもらったり、自由研究のアイデアを考えてもらったりと、子どもが勉強に利用する機会もあります。「まだ子どもなのに使わせて大丈夫?」と不安になる保護者もいるでしょう。しかし「危ないから触らせない」だけではなく、「何が危ないのかを知ったうえで、安全に使う方法を親子で覚えていく」という視点はとても大切です。

そこで約20年の塾講師経験を持つSHIFT AI公認AI講師・Hakushiさんに、子どもが生成AIをどう使っていくべきなのか解説してもらいました。

まず知っておきたい「AIの3つのクセ」

そもそもAI(人工知能)とは、人間が行う学習や判断などをコンピューターで再現する技術の総称です。そのAIの一種である生成AIは、大量のデータをもとに学習し、質問や指示に応じて文章や画像などの新しいコンテンツを作り出せます。例えばChatGPTやGeminiなどのサービスでは、知りたいことを入力すると、まるで人と会話するように答えてくれます。そうした生成AIを子どもに使わせる前に、親子で共有しておきたい特徴が大きく3つあります。

親子で共有したい特徴1:生成AIはもっともらしく間違える

1つめは、生成AIは「もっともらしく間違えることがある」ということです。生成AIの回答は文章として自然なので、子どもには正解のように見えてしまうことがあります。しかし、存在しない情報を事実のように答えたり、古い情報や誤った情報を提示したりする可能性が。「AIが言っている=正しい」ではなく、大切な情報は本や信頼できるサイトなどでも確認する習慣をつけたいですね。

親子で共有したい特徴2:生成AIは相手に合わせて説明を進めがち

2つめは、「相手に合わせた回答をする」こと。細かく聞けば細かく返ってきますが、聞き方によって答えが変わり、ときにはネガティブな回答が返ってくる場合もあります。そうなった場合、相談者が好ましくない判断をしてしまうこともあり得ます。

親子で共有したい特徴3:生成AIに入れた情報が残る場合がある

3つめが、「入力した情報が残ったり、サービスによってはデータが利用されたりする場合がある」ことです。だからこそ、生成AIを使うなら「AIに入力していい情報・いけない情報」を子どもにも教える必要があります。

「AIに個人情報を入力しちゃダメ」では子どもに伝わらない

「個人情報をAIに入力しちゃダメだよ」と伝えても、子どもには何が個人情報なのかわからないことがあります。そこで「名前は書かない」、「学校名を教えない」、「住所を入れない」、「自分や友達の顔写真を勝手に送らない」など、具体的に伝えてみましょう。さらに気をつけたいのが、自分以外の人の情報です。「友達とのLINEの内容について相談したい」、「学校でもらったプリントについてAIに聞きたい」といった場面では、本人に悪気がなくても友達の名前や学校名などが含まれている可能性があります。子どもには「知らない人に見せて困るものはAIにも送らない」といった、イメージしやすい言葉で説明するのもよいでしょう。

家庭のAIルールは少しずつ作ろう

子どもに最初からたくさんの決まりを覚えさせるより、まずは少数のわかりやすい約束から始めてみるのがよさそうです。

たとえば最初は「名前や学校名、写真は入力しない」、「宿題では自分で考えてから使う」、「困った回答が出たら親に見せる」といった程度でも構いません。そのうえで、「何のためなら使っていい?」、「どこで使う?」、「1日にどのくらい使う?」と、子どもの年齢や使い方に応じて親子でルールを増やしていきます。

また利用する生成AIによって対象年齢や保護者の同意に関する規定は異なります。子どもに使わせる前に、保護者が利用規約などを確認しておくことも必要です。

家庭で考えたいAI利用ルール10か条

セミナーでは、家庭で決めたいAI利用ルールとして、次のことが10か条として挙げられていました。子どもに合わせて検討してみるとよさそうです。

『1.【保護者】対象年齢・利用規約を確認する
保護者の同意や管理が必要か、学校のルールとあわせて確認する』

『2.【親子で】目的・時間・場所を決める
宿題のヒントなど目的を具体化し、相談しやすい場所から始める』

『3.【子ども】個人情報・秘密を入力しない
氏名、学校名、顔写真、位置情報、友達や家族の秘密は入力しない』

『4.【子ども】AIの答えをうのみにしない
重要な事実は別の資料で照合し、確認できなければそのまま使わない』

『5.【子ども】答えを写さず、自分の考えを先に残す
AIに聞く前の考えをメモし、自分の言葉で説明できる状態にする』

『6.【親子で】作品・キャラクター・他人の文章を尊重する
公開・応募・販売の前に、権利や募集要項を確認する』

『7.【子ども】AIを使った範囲を隠さない
使った質問、参考にした回答、修正した点を説明できるようにする』

『8.【親子で】生成した内容をすぐに投稿・共有しない
誤情報や不適切な表現がないか、SNS投稿前に親子で見直す』

『9.【子ども】怖い・変だ・困ったら、大人に相談する
画面は消さなくてOK。そのまま大人に見せて相談する』

『10.【親子で】ルールを徹底的に見直し、親も一緒に学ぶ
「やってみる→振り返る→直す」を家族で繰り返す』

子どもに生成AIを使わせるか、禁止するか。その二択だけで考える必要はありません。わからないことがあれば親子で調べ、ルールを一緒に考えていく。そんな“伴走者”としての関わり方が、子どもがAIと上手に付き合う力につながっていくのではないでしょうか。

文・AKI 編集・編集部 イラスト・加藤みちか

広告

続きを読む

この記事を応援する

応援とは

関連記事

※<子どもと生成AI>宿題にAI、使ってOK?子どもの「考える力」を奪わない上手な使い方
生成AIは、小学生にも利用が広がっています。株式会社SHIFT AIが全国の小学1〜6年生の子どもと同居する20〜50代の保護者722人を対象とした調査では、すでに小学生の約4割が生成AIを利用し...
※<義姉、親になる資格ナシ!>小1娘を送迎する夏の暑い日…アポなしでやってきた義姉【第1話まんが】
私(シホ)は、夫のアキラと小学1年生の娘サクラとの3人家族です。この夏休み、サクラは小学生向けのサマースクールに週2回通っています。低学年の実施時間は10時~14時で、教室は我が家から徒歩で15分くら...
※<加害者から被害者へ>「来ないで」実家出禁!?赤ちゃんが噛んだくらいで、大げさ!【第1話まんが】
私はユカコ。夫のシンゴと息子のハヤト(11ヶ月)と暮らしています。夫はシフト制の仕事で曜日関係なく出勤があります。そのため、私は週末になるとよく息子のハヤトを連れて、近所の実家に遊びに行っています。両...