<今更聞けないリカバリーウェアの基本>一般医療機器と管理医療機器、何がどう違う?

リカバリーウェアについて調べると、「一般医療機器」「管理医療機器」という言葉を目にすることもあるかもしれません。「一般医療機器」と「管理医療機器」にはどのような違いがあるのでしょうか。株式会社MTG ReD VITALWEAR本部 PR の木皿春香さんにお聞きしていきます。
一般医療機器と管理医療機器の違いは?
――リカバリーウェアには医療機器の中でも、「一般医療機器」と「管理医療機器」がありますが、この違いは何でしょうか?
木皿春香さん(以下、木皿さん):医療機器には大きく分けて、「一般医療機器」「管理医療機器」「高度管理医療機器」の3つに区分けされています。これらは、万が一不具合が起きた場合に人体へのリスクがどれくらいあるかの度合いによって分けられています。
そのうち「一般医療機器」は不具合が起きても人体へのリスクが極めて低いと考えられるもので、例えばピンセットなどの鋼製小物やX線フィルムなどが挙げられます。「管理医療機器」は、不具合が生じた場合でも人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの。MRI装置や電子内視鏡などがこれに分類されています。
――……ということは、「一般医療機器」よりも「管理医療機器」の方が、基準が厳しいのでしょうか?
木皿さん:一般医療機器よりも管理医療機器の方が厳しい基準をクリアしていると言えます。この2つは医療機器として登録をするためのプロセスに違いがあります。一般医療機器の場合には自主基準、つまり各メーカーが基準を満たし第三者機関に届け出ることで製造販売が可能です。もちろん血行促進などのエビデンスはきちんと取っています。一方の管理医療機器は第三者機関による認証が必要です。
なお「高度管理医療機器」は、不具合があったら人体へのリスクが比較的高いとされるもので、人工骨や人工呼吸器などがこれにあたります。製造販売には、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構による審査を経て、厚生労働大臣の認証が必要となります。
一般医療機器とそうでないものの違いとは
――同じ生地を使っていても、「一般医療機器ではありません」と書かれていることもあります。何が違うのでしょうか?
木皿さん:リカバリーウェアで「一般医療機器」と届出ができるものは、少なくとも上腕部または大腿部を覆っていなければなりません。家庭用遠赤外線血行促進用衣には上半身用の半袖Tシャツやロングシャツ、下半身用のハーフパンツやロングパンツ、タイツなどは、この条件を満たしているため「一般医療機器」として届出が可能ですがノースリーブやキャミソールはありません。それは上腕部をカバーできておらず、これを満たしていないためです。そのため、一般医療機器の届出ができません。またReDの「リカバリーサポーター[ふくらはぎ用]」のように、体のパーツを覆うものも、一般医療機器に含まれません。
――でもふくらはぎ用でも、使っている生地や繊維は同じですよね?
木皿さん:ReDではパーツ形状のものにも、他の一般医療機器のウェアと同じ生地を使用しているものもあります。「同じ生地のはずなのに、一般医療機器ではないの?」と思われるかもしれませんが、上記で述べた通り、一般医療機器となるものは届出ができる形状が条件であるため、ふくらはぎ用は一般医療機器にはなりません。「一般医療機器ではないが同じ生地」という商品があることも踏まえて購入を判断していただくとよいかと思います。
編集後記
リカバリーウェアと呼ばれる商品の多くは、一般医療機器の届出がされているようです。厚生労働省が定めている基準により判断されるものですから、疲労回復への期待が持てるのではないでしょうか。
取材、文・川崎さちえ 編集・ここのえ イラスト・ちょもす
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