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【栃木県那須塩原市 渡辺美知太郎市長】第1回 移住者が多い。子育て支援や親への支援が欠かせない

栃木県那須塩原市01

栃木県の北部に位置する那須塩原市。東京から新幹線を使って約70分で行ける観光地です。塩原温泉、板室温泉などの温泉街や、濃厚なミルクで作ったソフトクリームが人気の那須千本松牧場などの施設が賑わいを見せています。

一方、実は那須塩原市は子育て世帯が移住している地域でもあります。那須塩原市は2025年、一般社団法人日本子育て支援協会が主催する「第6回日本子育て支援大賞(自治体部門)」を受賞しました。同市の渡辺美知太郎市長に、子育て支援や環境作りなどをお聞きしました。

栃木県那須塩原市_渡辺美知太郎市長_プロフィール

子育て移住者が多い那須塩原市。評価された「子育て応援券」とは

――那須塩原市は、「第6回日本子育て支援大賞(自治体部門)」を受賞されています。率直な感想をお聞かせください。

渡辺美知太郎市長(以下、渡辺市長):那須塩原市が受賞した自治体部門は、子育て支援や工夫・特色のある取り組みを評価する賞ということで、とてもうれしく感じています。
那須塩原市は地方都市ではありますが、転出よりも転入が多くなっており、移住される方も増えています。移住者に対する子育て支援も、高く評価されました。

――那須塩原市への移住者は、どのような方が多いのでしょうか?
渡辺市長:コロナ禍をきっかけにテレワークが普及してから、移住した方の多くがこの働き方を続けています。本社は東京にあっても那須塩原にいながらできる仕事もありますし、新幹線での移動も那須塩原から東京までは70分ですから、出社が必要になっても対応できます。

――「第6回日本子育て支援大賞(自治体部門)」受賞においては、子育て応援券が高い評価を得たようですね。

渡辺市長:子育て応援券は、子育て家庭の方々が子育て支援サービスをより利用しやすくし、子育てに関する不安や負担を減らすことを目的に、市が交付しているものです。交付金額は15,000円で、私が市長になる前から子育て支援の一環として取り組んでいました。

――実際に利用している方からの意見も寄せられていますか?
渡辺市長:子育て応援券は、利用できるお店やサービスが多いため、利用者からは好意的な意見が多く寄せられています。例えば、絵本やチャイルドシートなど子どものための品物に使えるのはもちろん、一時保育やファミリーサポートといった、子育て中の親御さん自身を支えるサービスにも利用できます。

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子どもを育てる親のニーズを汲み取っていきたい

――今後子育てについて、どのようなことに取り組んでいきたいと考えていらっしゃいますか?

渡辺市長:子育て応援券が那須塩原市への移住のきっかけになる場合もありますが、それだけでなく様々な那須塩原市の子育て支援を作っていきたいです。

移住される方の中には、「すでにできているコミュニティに入りにくい」とおっしゃる方も少なくありません。地元生まれの人も同じで、昔は大家族が多かったのですが今は核家族化が進んで、ママ友や相談できる人が少ない状況です。例えば子育てサロンのような、子育て世代が集まれる場所を作る必要があると感じています。もちろんお子さんへの支援も大事ではありますが、親御さんへの支援が大切だと思います。

――子ども自身の支援もそうですけど、親御さんの支援も両軸で考えていくということですね?

渡辺市長:那須塩原市は農業従事者や専業主婦が多かったですが、今は共働き家庭も増えています。私は2019年(平成31年)4月に市長になったのですが、そのときも夫婦共働きでした。以前は宇都宮市に住んでいまして、宇都宮市には夜間保育のサービスがありました。私のように共働きの夫婦も増えていますから、保育サービスの充実は必要だと思います。このように今後も親御さんのニーズはどんどん出てくると思いますから、それらをきちんと汲み取って実現していくことは、とても重要と考えています。

編集後記
観光地や避暑地として捉えられている那須塩原市では、移住者が多いからこそ、コミュニケーションの難しさがあるようです。親が孤立をしない、孤独にならないような支援が求められています。

※取材は2025年8月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

取材、文・川崎さちえ 編集・編集部 イラスト・金のヒヨコ

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