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【「男性育休白書 2025」発表会取材】よりよい育休にするために必要なことは?・中編

男性育休が増えてきているいま、旦那さんが育休を取得した方も多いのではないでしょうか。しかし取得したものの「とるだけ育休」になっていて、協力して育児をできなかったという方もいるかもしれませんね。育休取得が急速に進んでいるなか、手探り状態で育休をスタートする方も多いことでしょう。
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今回は、よりよい育休にするために必要なことを探ります。

家事や育児の実践数と育休取得期間が影響

どのような旦那さんが「とるだけ育休」だとママたちに思われているのでしょうか? 横山亜由美さん(積水ハウス株式会社 ダイバーシティ推進部長)によると、ママたちが「とるだけ育休」と感じるかどうかには、旦那さんの 家事・育児の実践数 と 育休取得期間 が大きく影響するそうです。

■「とるだけ育休ではない」と思われている旦那さん→家事・育児の実践数は約10個
■「とるだけ育休」と思われている旦那さん→実践数は約6.5個

その差は 約3.5個。実際にやっていることが少ないと「とるだけ」と感じられやすいことがわかります。

さらに育休取得期間については、

■1週間未満の取得 → 45.0%が「とるだけ育休」と認識
■1か月以上の取得 → 30.3%と、1週間未満の取得に比べ14.7ポイント低下

ママたちの実感としても、家事や育児の実践数と育休取得期間が「とるだけ育休」の認識に影響していることには納得なのではないでしょうか。実践数が少ないことはもちろん、取得期間が1週間未満では、期間が短いと「ほんの一時的なお手伝い」と受け止められてしまいがちなのです。ママとしても育休期間が長期間なら、やってほしいことを少しずつ伝えることができても、短期間であればどうせすぐにワンオペになるだろうと思って「あれをしてほしい」とお願いすることもためらってしまうかもしれません。

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よりよい育休のカギは「コミュニケーション」

今回の調査では、育休取得中に感じた悩みも明らかになっています。

■男女ともに多かったのは「収入面の心配」
■男性:パートナーの気持ちや変化に気を配るのが難しかった
■女性:自分ばかり頑張っていると感じた/意見の食い違いでストレスを感じた

つまり、 お互いのコミュニケーション不足 が多くの悩みにつながっているのです。

また、育休取得の目的にも男女で違いがありました。

■男性:「育休をきっかけに家事や育児に関わりたい」と長期的視点
■女性:「いま大変だから、いま手伝ってほしい」と即戦力を重視

この“温度差”も、話し合いで埋められるポイントですね。
長期的なことも必要なポイントですが、ママとしては“いま”大変なので、“いま”家事や育児をしてほしいのでしょう。このズレもコミュニケーションによって解消できそうです。

コミュニケーションの大切さを裏付けるかのように、旦那さんに対して「とるだけ育休」だと認識していないママは、家庭内コミュニケーションの満足度が高いという結果もでているそうです。さらにコミュニケーションに満足している夫婦は、育休前に育休中の役割分担、取得期間についてなどの会話を十分にしているのだとか。しっかりとコミュニケーションをとることで、お互いに満足度の高い育休期間を過ごせることにつながるのですね。
積水ハウス横山②

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育休前に話し合うことが大切

積水ハウスでは、育休取得予定の男性社員に対して家族ミーティングシートを配っているそうです。「なぜ育休を取るのか(“時期”と“目的”を考える)」、「ありたい姿と理想の家事・育児分担」、「分担表」などを記載する様式になっています。横山さんによると、このシートを活用した社員は、家庭内コミュニケーションも育休中の満足度も一般平均より高い傾向にあるのだとか。シートを使って十分なコミュニケーションを取れているからかもしれませんね。

育休期間中に限らず、夫婦生活を送るうえで「コミュニケーション」は大切です。とくに育休期間は夫婦ともに初めての育児や産後のママの体調など大変なことも多いはず。コミュニケーションを取って協力していく姿勢が大切なのではないでしょうか。

後編では、実際に育休を取得した男性の声や、育休がもたらす効果についてご紹介します。

取材、文・いけがみもえ 編集・編集部

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